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 首都圏主要私大は学部増設と選抜方法の多様化で志願者堅調

          

● 早慶は!注目の慶大薬学部の志願者は4888人

 08年度入試において、首都圏主要私大のほとんどが志願者増か横ばいになっている。私立大学全体の約4割が定員割れを起こしている現状を考えると地方と中央の格差がここにも現れているのを感じる。
 
 早稲田は全学トータルの志願者が125647人→125249人(07年→08年、以下同じ)で398人の減少。一般が108603人→105503人で3100人減、センター利用が17044人→19746人で2702人の増加という内訳になっている。全体的には横ばいと言えるが、これだけの大規模入試を行ってこの程度のマイナスで済むのは、生徒減を考慮すると、実質的にプラスに近いと言えるだろう。学部では、去年改組した文と文化構想が人気の反動でダウン。次年度から昼間開講になる社会科学が人気で1635人の志望者増となった。

 慶応は話題の薬学部が4888人の志願者を集めた。この薬学部の新設で慶大は、既にある医学部・看護学部と合わせて医療系3分野をカバーしたことになり、大きなステイタスとなる。全学の志願者が47697人→53316人で5619人の増。薬学部の増加分を引いてもプラスなのだから、慶応ブランドの強さが改めてうかがわれる。今年は法のセンター利用が2390人→4188人と大幅に増えている。

 上智は23997人→23799人で198人の減。もともと入試の規模が小さいので、毎年大きな変動は起きないが、センター利用を全く行っていないし、入試の変更もほとんどない。その点を考えると上智の人気も依然根強いと言えるだろう。ただし、難易では早慶との間の差は広がりつつあり、同じカテゴリーでくくるのは難しくなっている。

 

             

 ● MARCHは学部増設ラッシュでセンター依存率が高い

 MARCHグループでは学部の増設が目立つ。MARCHと早慶上智の大きな差のひとつに、センター試験依存率がある。これは総志願者のうち、センター利用の志願者が占める割合のことだが、MARCHの各大学は、早慶上智と比較してこの率が高く(上智大はセンター利用をしていないので、比較の対象外)、すべて20%を超えている。これらの大学のセンター利用は、ほとんど国立大第一志望者が併願しており、歩留まり率(入学者の割合)は低い。せいぜい1割で、高くても2割までいくケースはほとんどない。さらにMARCHでは、一昨年立教大が導入して衝撃を与え、昨年明治大と法政大が追随した全学一斉方式も入試改革の大きな特徴である(今年は駒沢大と武蔵大が導入した)。

 青山学院は、このところ志望者減が続き、MARCHのなかでは一番停滞している印象を与えてきた。今年は総合文化政策・社会情報という2学部を増設して巻き返しが注目された。結果は全学トータルで43215人→45634人、つまり2419人の増だが、センター利用を除けば844人のプラスでしかない。新しい2つの学部の志願者を加えてこの数字だから、やはり状況は依然として厳しい。神奈川県相模原に素晴らしいキャンパスをつくったばかりだが、有力OBの間からは「やはり青山は渋谷でなければ・・・」の声も相当聞こえているようである。青山学院大のセンター依存率は、20.8%→23.1%に上がっている。

 中央は青山学院大とともに、場所的な不利から苦戦が続いていたが、昨年あたりから志願者増に転じた。伝統校の強みで一定の下げ止まりまで来た感はある。ロースクールの合格実績が反映しているとの見方もある。今年度は65262人→80681人で、15419人という大幅志願者アップになった。ただ、中央大の最大の問題点はセンター依存率が非常に高いことである。今年の総志願者80681人のうち、センター利用志願者が41080人を占め、50%を超えている。つまり、志願者の半分以上がセンター利用なのだ。中央大のセンター利用は「併用」タイプと「単独」タイプの2種類があるが、いずれにせよ一般に比べて歩留まりが悪いことは確かである。

 法政は工学部を理工学部と生命科学部に改組し、グローバル教養学部(GIS)を立ち上げた。これで法政大は14学部を擁する総合大学となったが、さらに次年度(09年度)にはスポーツ健康学部を立ち上げる予定になっている。今年度は90216人→95828人で5612人の志願者増だった。法政大は昨年から全学一斉方式も導入しており、大学改革と入試改革の両面から志願者数増を目指している。

 明治も国際日本学部(一般の志願者2884人、全学部統一の志願者1387人)を増設し、総志願者は101237人→107629人で6392人のアップ、今年も10万の大台を維持した。明治大の全学一斉は、同一問題で複数の学部に出願できるというシステムを導入し業界を驚かせたが、今年の全学一斉は18092人→17669人とわずかに減少した。明治大の最大の強みは、4年間一貫して都内にキャンパスがあることで、このアドバンテージは今後も大きな要素になるだろう。明治大のセンター依存率は26.7%→27.7%となっている。

 立教は、志願者67505人→71382人で3877人のアップ。増設された異文化コミュニケーションは、一般の志願者が2511人、全学部日程の志願者が756人で合計3267人だから、ほぼこの分が総志願者アップに相当する。この異文化コミュニケーションの増設により、立教大の学部数も10になった。このうち、観光・コミュニティ福祉・現代心理の3学部が新座キャンパスに所属している。08年度入試において、全学一斉方式は前年より2018人志願者増、センター利用は2067人志願者増で、センター依存率は27.7%だった。(本文中のデータは途中集計2008.5の数値で、最終のものではない)。

 —安田教育研究所より—

 
 
 
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