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2011年大学入試変更点 −センター変更の前年で動きは少ない−

 

 
●センター試験「地歴・公民」「理科」の1コマ化の前年で大幅変更は少ない
 
国公立大入試の変更点は、前年の10月あたりから次年度に関する情報が出始めるのが通例だが、今回は少し遅かった。そのいちばん大きな理由は、新型インフルエンザにどう対応するかという問題に追われたためだと思う。国立大学だけでなく、公立・私立を含めて調整・対策が検討され、追試を行うなら新たな問題を用意しなければならないという事態も想定されたからだ。
さらに12年度入試からセンター試験における「地歴・公民」「理科」の1コマ化という大きな変更点を控え、11年度では大きな変更は出しにくいという事情もあった。つまり、変更点そのものが少ないか、あったとしても学部・学科単位の微調整的なレベルになりやすいので、個別の変更がやや五月雨的に出てきた感じがする。
このように大きな変更点が少ない11年度入試で際立っているのはなんといっても北大だろう。すでに何度か大きく報じられているが、従来の学部別入試を、学部別入試と総合入試の2本立てで実施する。特に理系は1027名が総合入試で、数学重点(130名)、物理重点(235名)、化学重点(235名)、生物重点(177名)、総合科学(250名)の5群に分けて選抜する。文系の総合入試は100名。学部別入試は、文系4学部(文・法・経済・教育)のほか、医・歯・獣医・水産、計8学部で実施される。これに伴って、従来行ってきた、経済・教育・理(数学)・薬・農のAO入試は廃止される。北大は翌12年もセンターで当初、「公民」4単位科目を指定する(11月に撤回)など、大きな変更が相次いでいるが、旧帝大系のなかでは東大・京大に次いで全国から志願者が集まるので影響も大きい。
ここ数年変更が多い医学部は、表以外の地域でも、全国的傾向として、地域枠のさらなる拡大、後期廃止、科目変更などの動きが相変わらず続いている。そんななかで山梨大医が前期を廃止して、後期のみにしたことが注目される。前期本命でしのぎを削った受験生の落武者の受け皿と考えれば、これは現実的な決断と言えるだろう。医学部については国が従来の方針をはっきり転換して、特別枠などの増員を打ち出しているので、単なる変更点とは別の視点で論じる必要があるだろう。
 
 ● 国立大学
大   学 学   部 学   科 変  更  内  容
北   大 全 学 部   ・総合入試(文系100名、理系1027名)
・学部別入試は、文・教育・法・経済・医・歯・獣医・水産の8学部で実施する。
・理系の総合入試は数学重点、物理重点、化学重点、生物重点、総合科学の5つに分けて募集。
教育・経済・農・理ー数学、薬   AO入試を廃止する。
教 育   ・個別試験後期の2段階選抜(足切り)の条件を撤廃する。
・個別試験後期でセンターの成績を利用する。300点満点=国60点・数60点・地歴50点・公民30点・理40点・英60点
  2段階選抜を廃止する。
・後期日程を廃止する。
・AO入試を導入する。
・前期試験の第1段階選抜の倍率を3.5倍から5倍にする。
・個別試験前期に面接が加わる。
保   健
(看護・作業療法)
・後期日程を導入する。
・AO入試を導入する。
 保 健 (放射能) センター後期で理科が「化学・生物→1」となる。
 保健(放射線・検査技術・理学療法) 個別試験後期で小論文がなくなり、面接のみとなる。
北海道教育大 旭   川 芸術(美術) 後期日程を廃止する。前期7名、推薦3名となる。
岩 手 大 動物科 募集人員の割合を変更する。「前期20・後期5」→「前期22・後期3」
山 形 大 地域教育文化  文化(文化スポーツ) センター前期が5教科7科目から5教科5科目になる。
電気電子 推薦入試Ⅰ(センターを課さず)を導入する。面接(口頭試問あり)。
バイオ化学 ・センター後期が5教科7科目になる。
・個別試験前期が「面接」から「理科」(化学)になる。
物質化学 個別試験前期が「面接」から「理科」(物理・化学→1)になる。
食料生命環境 個別試験前期で「小論文」が学科試験になる。「数ⅠA数ⅡB・化学・生物→1」。
個別試験前期で英語・国語が加わり、5教科になる。
筑 波 大 社会・国際学群 社会学類 後期日程を廃止する。
医  募集人員の割合を変更する。「前期60・地域枠5」→「前期58・地域枠7」
宇 都 宮 大 情報工 推薦入試Ⅱを廃止し、後期日程を実施する。センター5教科7科目で個別試験なし。
建 設 センター(前・後期)で理科の科目指定がなくなり、2科目になる。
応用化学 センター後期で理科が「理総B・物・化・生・地→1」から「理総A・理総B・化・生→1」となる。
農業経済 専門高校・総合学科枠の推薦入試を実施する(センター課さず)。
群 馬 大 医  個別試験前期で数学に「数Ⅰ」が加わり、配点が100点から150点になる。
埼 玉 大 情報システム AO入試を実施する(5名)。
千 葉 大 教   育 小 学 校  AO入試の2次選考で「小学校交流体験試験」が「集団交流活動試験」になる。
数学・情報処理 募集人員の割合を変更する(前期35・後期10→前期30・後期15)。
看   護 個別試験前期で学科試験(英語・理科)が加わる。
お茶の水女子大 生   物 個別試験前期で小論文・面接を課す。
山 梨 大 教育人間科  生涯(芸術運営) 個別試験後期で小論文がなくなる。
医  前期日程を廃止、後期(75名)のみとなる。
看   護 ・後期日程を実施し、推薦枠が増える。募集人員は「前期45・推薦15」→「前期35・後期5・推薦20」となる。
・センター前期で5教科7科目が6科目になる(理科が1科目)。
 ● 公立大学
首都大学東京 健康福祉 放射線 個別試験前期で小論文がなくなり、面接と数学になる。
都市教養 経営学系 前期定員を分割し、前期B方式を導入する。個別試験は英語・数学(数ⅢCを含む)。
 ● 私立大学
青山学院大 文・教育・人間・経済・法・経営・国際政治経済   履修キャンパスが、2年次より青山キャンパスとなる。 
大妻女子大 人間関係 社会・臨床心理 センター利用で地歴・公民の選択が不可になる。 
駒 沢 大 地理 一般入試で理科の選択が不可になる。「英・国・『数・地歴・公→1』」の3科目。 
上 智 大     聖母大と合体して募集する。 
成 蹊 大 経   済   一般入試で「国語」に現代文が加わる。「『国語総合』(近代以降の文章)・現代文」となる。 
中 央 大   一般入試で「地理」の選択が不可になる。
東京理科大 応用物理 3年次から葛飾キャンパスで履修となる。2013年より、4年間葛飾キャンパスの予定。
建築・電気・機械
基礎工   3年次から葛飾キャンパスで履修となる。2013年より、2年次から3年間葛飾キャンパスの予定。
日本女子大   一般入試で「地理」の選択が不可になる。
明 治 大 経  営   一般入試で「地理」の選択が不可になる。
理  工 情報科学 センター前期で国語がなくなり、3教科になる。
機械工 AO入試を廃止する。
早  大 国際教養   センター利用で個別試験を廃止する。センターのみで選抜。
 

●首都大学東京の都市教養(経営学系)前期分割募集
このほかで目についたのは首都大学東京の都市教養(経営学系)が、前期日程で定員をA・Bの2つに分割した方式を導入することである。センターは従来と変わりないが、新しいB募集は、個別試験で数学ⅢCまで課され、代わりに国語を除外しているのが特徴である。経営学は本来数学的能力をかなり必要とする分野だが、志願者を集めるため、ほとんどの大学で文系的色彩の濃い入試科目になっている。しかし、近年は工学部や理学部の出身者も商社や金融を目指す傾向がはっきり出ており、その点では今回の方式がどれだけ受験生を集めるか、注目される。
また、青山学院大文系学部の11年度入学生が、前倒しで2年次から青山キャンパスで履修する。これで青山学院大の人気がアップするのは間違いない。MARCHの勢力図がかなり変わる可能性もある。東京理科大も基礎工学部が野田キャンパスから葛飾キャンパスへの前倒し移行を始める。理系の大学でもこのように都心回帰をウリにしているあたりに、現在の大学の置かれている状況が端的に表れている。
一般入試では、中央大・日本女子大・明治大などで地歴科目の「地理」の選択不可が出てきている。
 
 

 —安田教育研究所より—

 
 
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