HOME > 医大入試解剖 −プロ家庭教師陣が“斬る”医学部入試問題分析− 第1回東京慈恵医大(2010 数学)
医大入試解剖 −プロ家庭教師陣が“斬る”医学部入試問題分析− |
| 第1回 東京慈恵医大(2010) −数学− |
| 2007年から前期・後期の試験がなくなり、以前の1回の試験に戻り、内容も2007年、2008年とやや易化が続いた。しかし易化といってもパターン問題を一通りやっただけでは解けない問題も多い。また90分で大問3題と、私立医大では試験時間も多い方であるが、それだけ計算力も必要とされ、証明問題もかならず出題される。東大や東工大ほどではないが、確実に問題文の数学的意味をとらえないと7割以上を得点することは難しいと思われる。また数学III・C から出題される量が多いので、定評ある受験問題集(たとえば1対1対応の演習など)を一冊仕上げておく方が望ましい。合格には8割以上が望まれる。(これは国立大医学部2次の標準レベルである) | |
| 【問題分析】 | |
| 大問1について。 | |
| 小問の数が2008年は4つであったが、2009年、2010年と3つになった。ていねいに計算していると30分くらいかかるかもしれない。例年、確率と期待値の問題が出されていたが、2010年は伝統の期待値の問題がなくなった。期待値や分散の問題が出題された背景には、医学部生に対する数理統計学の必要性ということが挙げられる。ていねいな誘導があるのは、最近の高校生の学力低下、思考力低下を意識してのことと思うが、ある程度入試の基本テクニックを円滑に使いこなす力がなければ満点は難しい。しかし大問1の小問で、やや難問を出して受験生を混乱させる?ような、かなり過去の演出は見られない。受験生の学力に応じた範囲内で良問を出題しようという、出題者の方針が感じられる。 | |
| 【使用テクニック例】 | |
| ⇒別ウインドウ① | |
| 【注意点】 | |
| 客観形式なので、答案をていねいに書く必要はないが、計算用紙には後で見てもわかるように、数式・グラフ・計算過程等を正確に書いた方が良い。答えのみ採点されるからといって、急ぎすぎるのは良くないが、なるべく25分以内で終わりたい。もし方針が思いつきにくい問題と感じたら、大問2,3の微積中心の問題を先にやった方が良いだろう。 | |
| 大問2、3について。 | |
| 2010年は、大問1の問題文がやや短くなったせいか、大問2,3の問題文が幾分長めになっている。大問2(1)は、簡単ではあるが平均値の定理の適用による証明問題がある。平均値の定理は、グラフ的な意味も含めて覚えていないと、すぐに思い出せないかも知れない。現役生では、あまり平均値の定理の応用問題は解かないかもしれないが、慈恵はやや考えさせる問題が多いので、数学III・Cの範囲はまんべんなく演習しておきたい。2008年は、極方程式や曲線の長さの問題も出題されている。「極方程式って何?」などと、入試の時に思っているようでは合格はおぼつかない。2010年の大問3は、最近よく出題される、相似・回転行列による点の移動に関する問題である。 | |
| (2)は三角形の面積を分解して求めるところが少し難しい。ここが正しくでれば、後は無限等比級数の和の公式から計算できる。 | |
| (3)は、ややメンドウであるが、計算で示すのが精神的には楽であろう。残り少ない時間で良いアイデアは生まれにくい。もし(3)が出来なくても大問1がしっかり出来ていれば、合格は可能であろう。 | |
| 2009年の大問2では、行列と1次分数関数・行列と数列の対応関係を用いた問題が出題されている。このような融合問題は一度やってあると決して難しくはないのだが、系統的に学習しないと問題にのまれてしまう可能性もある。予備校で聞くだけで学習では、見たことがあるが解けないということにもなりかねないので、注意が必要である。大問3は、有名な関数方程式の問題で、かなり昔は微分方程式との関係でよく出題されたものである。これも1回聞いただけでは、思い出しにくいので注意が必要である。 | |
| 【使用テクニック例】 | |
| ⇒別ウインドウ② | |
| 【対策】 | |
| 入試数学を、数学III・C中心に系統的に学習していれば、充分7割以上解くことが可能である。最終的な合格点は、英語・理科との綜合点で決まるが、7割以上は確実に確保しておきたい所である。系統的な学習とは、難問題あるいは融合的な問題を、順序良く4~5題を解いていくことである。予備校の授業では時間の関係上、解説する融合問題の数が少ないので、充分な演習につながらないことが多い。なるべく定評あるオリジナルな問題集を解いていくのが、実力を確実につける王道であろう。 | |
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(三富 記) |
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