高校受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
高校受験専門プロ家庭教師が語る

筑波大学附属駒場高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「筑波大学附属駒場高等学校の国語」
攻略のための学習方法

記述

「筑駒の記述対策」は「問題解説」のとおりだが、その前提としてなすべきことがある。それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。

最初は時間がかかってもいい。厭わずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要があるからだ。

では、何を「書く」か? 「練習問題」や「過去問」にある「記述設問」は勿論だが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。60~90字程度で書いてみる(筑駒の典型的な「解答欄」の「字数」に慣れる練習にもなる)。無論、内容は先生などに確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一挙両得。

次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。書きたい内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要。その際、20~30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。

「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。
ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要な要素」を「文末」にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく(その際はマス目のない用紙を用いること)。

解法

前述のとおり、「記述」やそれ以外の問題も含めて「筑駒の国語」で勝利するための鍵は、「現代文」の「解法」をいかにうまく用いるかということだ。
「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」(随筆)、それぞれに応じた特有の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。

そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。
「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解法」が定まっていない証だからだ。
そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。

さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる
そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

速読

合計で3000字程度を読解しなくてはならない。解答時間は45分。

当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。

その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。筑駒に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。
そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい

知識

「高度な語彙力」だけではなく、「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「筑駒の国語」(直接出題だけではなく、「本文読解」等でも必然的に問われる)。「攻略」するにはいかなる「学習法」があるのか?
「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。

先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。
過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。

さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。
特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ

なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・語句・文法1500 四訂版」(旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」から再スタートの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。

古典

「公立中学」の「国語」でも「古典」は扱う。「古文」「漢文」は必修カリキュラムだ。しかし、「指導要領」上はほんの導入部分だけで、本格的な学習はしない。「文語文法」等を体系的に学ぶこともない。
しかし、筑駒ではそんなことはお構いなく出題されることになる。前述のとおり塾での学習でも不十分なので、「独習」をする他ない。

「古文単語」では「大学入試基礎レベル」(300語程度)を定着させ、「文語文法」は「動詞」「形容詞・形容動詞」は当然として、「助動詞」「助詞」の「意味・用法・接続」、さらに「敬語」までも理解しておく必要がある。

そして、できるだけ多くの「古典作品」に触れて慣れておくことが重要だ。
なお、「古文」強化用のテキストとしては、「高校用」の「ステップアップノート30——古典文法基礎ドリル」(河合出版)や、「古文単語」定着用として「重要古文単語315」(桐原書店)などが推薦できる。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2023年度「筑波大学附属駒場高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「随筆」、出典は東京大学出版会発行「UP」掲載の須藤靖「世界を切り刻む科学とありのままに愛でる科学」(文字数約2600字)。

小問は全6問(解答数10)。「説明(発言)記述」(「字数指定なし」5問。「30字ほど」が1問と「75字ほど」が4問の解答欄)、「漢字の書きとり」(5問)。問題文は3分程度で読み切り、設問を17~18分で解きたい。

大問も「随筆」、出典は奈倉有里「夕暮れに夜明けの歌を  文学を探しにロシアに行く」所収の「ゲルツェンの鐘が鳴る」(文字数約3100字)。

小問は全4問(解答数4)。「説明記述」のみ(「字数指定なし」4問。全て「75字ほど」の解答欄)。問題文は4分弱で読み切り、設問を12分ほどで解きたい。

大問は「古文」、出典は源光行「蒙求(もうぎゅう)和歌」(文字数約300字)。

小問は全4問(解答数4)。「選択肢設問」(1問)、「仮名遣い記述」(1問)、「説明記述」(「字数指定なし」1問、「75字ほど」の解答欄)。10分弱で解きたい。

【大問一】

  • 時間配分:17-18分

世界を切り刻み、その究極の要素や法則を探る科学と、物の多様な形姿や生態を丹念に記述する科学。前者の道を歩んできた宇宙物理学者である筆者は、夏目漱石の小説「それから」に描かれた花を特定するためにその記述を飽くことなくなで回す植物学者の仕事に圧倒され、世界の別の記述法に親しみだしたと述べている。「科学論」でやや難解な語句があるが、「注」を活用すれば内容は理解できる。「理由説明記述」・「内容説明記述」・「換言説明記述」とともに、本校としては珍しい「空所補充の発言考察記述」がある。そして、「漢字問題」だ。いくつかの小問を検証してみたい。

[問二] 「理由説明記述」(「字数指定」なし。「75字ほど」の解答欄)。

傍線部「負け惜しみ」について、「なぜ『負け惜しみ』になるのか」を説明する。

先ずは、何が「負け惜しみ」なのかを「傍線部(空所部)一文一部の法則」で確認する(「傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部(空所部)以外が重要」という「重要解法」)。

直前直後に「……それが偏狭な考え、あるいは(負け惜しみ)以外の何物でもないことを今回痛感した」とある。つまり、「それ」が「負け惜しみ」だ。「指示語」なので開く(「指示語」が出たら即開くこと)。直前から、「膨大な知識をもつことと、世界の本質の理解とは無関係だと信じていたこと」だと読み取れるはずだ。

では、なぜ、このことが「負け惜しみ」になるのか? 「負け惜しみ」=「自分の負けや失敗を素直に認めないで強情をはること」ということを意識して(当然、この意味は知っていなくてはいけない)、「同一意味段落」を読み解いていきたい(「論説文」「説明文」「随筆」では「同一意味段落」に「根拠・手がかり・ヒント」がある)。

直前の形式段落で「この世界の多様性をありのままに愛(め)でる姿勢なくしては、世の中の森羅万象は理解できないのだ」と断定している。「世界の多様性をありのままに愛でる姿勢」には無論、「膨大な知識をもつこと」が不可欠だ。ということは、「膨大な知識」がなければ「世の中の森羅万象」(=世界の本質)は理解できない」と分かっていながら、筆者は「無関係だと信じていた」ことになる。まさに、このことが「『負け惜しみ』になる」ことの「理由」だと判断できるはずだ。

あとは、内容を整理して「過不足なく」まとめていくことになる。たとえば、「森羅万象を理解するには世界の多様性をありのままに愛でるための膨大な知識が不可欠だと知りながら、膨大な知識と世界の本質の理解とは無関係だと信じていたから。」(76字)といった「答え」だ。尚、「説明記述」では「最重要要素」(「理由説明」の場合は「直接的理由」)を必ず「文末」にすること。  

                                   <時間配分目安:4分弱>

[問四] 「内容説明記述」(「字数指定」なし。「75字ほど」の解答欄)。

傍線部「名場面である」について、「どういう点で名場面と言えるのか」を説明する。

先ずは「傍線部(空所部)一文一部の法則」に「手がかり」を求めたい。直前に「当時の『科学の子』たるアトムが必然的に要素還元的世界観しか持ちえないことを表象した(名場面である)」とある。この点が「名場面」なわけだが、ここだけでは分かりづらい。そこで、「同一意味段落」で確認していきたい。

「『科学の子』たるアトム」とは「テレビ放送の『鉄腕アトム』」であり、「アトムが人間の友達と花火大会を見たとき、皆が花火の美しさに大喜びをしている横で、アトムの目に映っていたのは元素記号のみで、『なんで人間はこんなものをきれいだと思って喜んでいるのだろう』と、ぼそっと呟(つぶや)く」のが具体的な「名場面」だと分かる。

つまり、「花火の美しさ」に大いに喜ぶ「人間」と、「花火」が「元素記号」にしか見えない「アトム」を対比させ、見事に「当時の科学の『要素還元的世界観』」の限界を「表象」していることを「名場面」だと表現していると分かるはずだ。

したがって、こうした内容を的確にまとめていくことになる。たとえば、「花火の美しさに喜ぶ人間と、花火が元素記号にしか見えない鉄腕アトムを明確に対比させ、当時の科学の主流であった要素還元的世界観の限界を見事に表象している点。」(76字)といった「答え」になる。

如何に「同一意味段落」の「文脈」を的確に読み取ることができるかが、本校合格のカギを握るといっても過言ではない。

                                    <時間配分目安:4分>

[問五] 「空所補充の発言考察記述」(「字数指定」なし。「30字ほど」の解答欄)。

本文中の空所      A      に「ふさわしい発言」を「考察」して記述する。空所部分は「その時代のAIアトムは『       A      』と寂しそうに独白してしまうかもしれない。」となっている。

「指示語」があるので開く。直前から、「その時代」=「世界をありのままに愛でることができるAIが出現する時代」だと分かる。

次に、「独白内容」の「手がかり」を「同一意味段落」で探す。直前の形式段落で、「人間の友達が花火の美しさに大喜びをしている」のに対して、「テレビ放送当時のアトム」が「なんで人間はこんなものをきれいだと思って喜んでいるのだろう」と、ぼそっと呟いている。よって、この「呟き」に対応(対比)させて、「世界をありのままに愛でることができる」ようになった「AIアトム」が発言していると考えられる。

あとは、「呟き」に合わせて「発言」をまとめていけばいい。たとえば、「なんで人間は世界の真の美しさを愛でることができないのだろう。」(30字)といった「答え」だ。

尚、来年度以降もこうした「考察記述」が出題されることが予想できるので、十分に練習しておきたい。

                                   <時間配分目安:2分半>

[問六] 「漢字の書きとり」(全5問)。

傍線部㋐~㋔の「カタカナを漢字に直す」。

難易度が高かった昨年度に比べると本年度は平易になっている。本校志望者であれば「全問正解」が必須だ。「答え」を確認しよう。

傍線部「予想もしないような性質をハツゲンする」=「発現」⇒やや分かりづらいか? 無論、「発言」ではない⇒「文脈」を正確に読み取りたい。

「物理学方面をココロザした理由」=「志(した)」⇒これは流石(さすが)に「no problem」でなくてはならない。

「はるかにカンケツかつ明快」=「簡潔」⇒「高校入試」では定番。必ず押さえておくこと。

「季節をジュクチしている」=「熟知」⇒これも知らなくてはいけない重要熟語だ。

「冗長でチョウフクする」=「重複」⇒これまた分かりやすい。

「本校の漢字」では、前後の「文脈」から内容を特定した上で、適切な漢字をあてはめる必要があるので注意したい。また、「同音異義語」「同訓異字」などにも細心の注意を払うこと。

                                   <時間配分目安:1分強>

【大問二】

  • 時間配分:12分

今、ロシアはどうなっているのか? 高校卒業後、単身ロシアに渡り、日本人として初めてロシア国立ゴーリキー文学大学を卒業した筆者が、テロ・貧富・宗教により分断が進み、状況が激変していくロシアのリアルを活写している。本文では、19世紀の「帝政ロシア時代」の哲学者・作家・編集者であった「アレクサンドル・ゲルツェン」のさまざまな書籍に思いを寄せている。内容は難なく理解できるはずだ。「換言説明記述」と「内容説明記述」のみというシンプルな大問構成だ。2問を検討する。

[問二] 「内容説明記述」(「字数指定」なし。「75字ほど」の解答欄)。

傍線部の「ゲルツェンの現代性」とは「何か」を説明する。「ゲルツェン」のどのような面について「現代性」を指摘しているのか? 「同一意味段落」で確認する。彼は「最初の革命新聞とも称される『鐘』」を発行しており、そこでは「検閲から言葉を解放せよ」「地主から農奴を解放せよ」などといった「現状の打破・改革」を強く訴えていた。「ゲルツェン」のこうした「思想(考え方)」に「現代性」があることが読み解けるはずだ。

では、「ゲルツェン」の「思想」に重なる「ロシア」の「現代性」とは何か? 直後の形式段落から、「現代のロシアでは各界で言論の画一化があきらかに進んでいる」ことが分かる。こうした現状で、「ゲルツェン」の「思想」は現代でも意義があるというわけだ。

あとは、内容を整理して「過不足なく」まとめていけばいい。たとえば、「現状を打破して改革を進めることを強く訴えていたゲルツェンの思想は、各界で言論の画一化があきらかに進んできている現代のロシアでも意義があるということ。」(74字)といった「答え」だ。「現代性」の説明というやや分かりづらい問いだったが、具体的に捉えていくことで道が開けてくると心得よ。

                                    <時間配分目安:4分>

[問三] 「換言説明記述」(「字数指定」なし。「75字ほど」の解答欄)。

傍線部の「こういうところ」とは「どういうところか」を説明する。典型的な「指示語換言」だ。もちろん、直前を指し示している。読み取ると、「こういうところ」=「講義の科目名を『ロシア史』から『祖国史』に変えてしまうといった大国主義者のところ」だと分かる。

無論、解答欄を考えるとこれだけでは不十分だ。補足すべき要素を「同一意味段落」から読み解いていきたい。直後からは、「私」が「こういうところ」に「幻滅し、暗い気持ちになった」ことが分かり、「ロシア」を「祖国」と言われて「困惑したり疎外感を感じたりするはずの学生がたくさんいる」とも述べている。こうした内容を、「補足説明」を前半にしてまとめていくことになる。たとえば、「『ロシア』を『祖国』と言われて疎外感を感じる学生がたくさんいるのに、講義の科目名を『ロシア史』から『祖国史』に変えてしまうといった大国主義者のところ。」(75字)といった「答え」になる。

尚、本問は「指示語換言」だったが、一般的な「換言説明記述」では、細部にわたって「全てを換言する」ことが求められると心得よ。

                                   <時間配分目安:3分強>

【大問三】

  • 時間配分:10分弱

平安時代以来の幼学書(初学者のための漢学入門書)であった唐の「李瀚撰(りかんせん)」が著した「蒙求」(初学者向け教科書)の約半数を句題に和歌を詠み、原注を和訳して添えた作品。中世に盛行した説話が漢籍を多く摂取していく上での先駆的役割をも果たしている。例年同様の「語句・内容解釈」と「仮名遣い」といった小問に、「内容説明記述」が加わっているが、難易度ははほど高くない。2問だけを検討してみよう。

[問一] 「仮名遣いの変換記述」(「ひらがな」指定)。

傍線部「問はるる」を「現代かなづかい」に直して、「すべてひらがな」で記述する。誰もが知っていなくてはいけない「歴史的仮名遣い」の基本。「語頭」以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」→「わ・い・う・え・お」となるので、「答え」は「とわるる」だ。

尚、他に「母音」と「母音」が直接つながった場合の変換で「a・u」→「ou」→「o(∧)」、「i・u」→「yu(∧)」、「e・u」→「yo(∧)」、表記として「え」と「ゑ」・「い」と「ゐ」の区別も理解しておくこと。

[問三] 「内容説明記述」(「字数指定」なし。「75字ほど」の解答欄)。

傍線部の「ことわり」は「翟璜(てきくわう)の言った理屈」を指しているが、「それはどのようなものか」を説明する。「翟璜」の言葉は直前にあり、「その君、賢なる時は、その臣、直なり。任座が答へ申す言葉の直なるは、君の賢なればなり」だ。「君」は無論「君主」のことで、本文では「文喉」を示している。「任座」は「臣下の一人」だと「注」から分かる。平易な内容で、本校志望者として「古文」を習得していれば、難なく訳せるはずだ。「君主が賢明である時は、その臣下は率直である。任座が答え申し上げた言葉が率直であるのは、君主の文喉が賢明であるからだ」という「現代語訳」になる。

よって、たとえば、「君主が賢明である時は、その臣下は率直に自分の意見を言うので、任座が答え申し上げた言葉が率直であるということは、君主の文喉が賢明であるからだというもの。」(75字)といった「答え」になる。

尚、「古文」でのこうした「内容説明」では、ざっくりとした「現代語訳」をした後は「現代文」と同様の「解法」を用いて解き進めると心得よ。

                                    <時間配分目安:3分>

攻略のポイント

●「説明記述」を制さずして「筑駒の門」は開かない。本年度は「配点の80%」が「説明記述」だ。攻略ポイントは、いかに過不足なく「必要要素」を網羅してまとめられるかだ。結局は、愚直に「記述」の「練習」を続けるしかない。

先ずは、正否の分かれ目となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターすること。

そして、「内容」から重要度を特定し、優先度の高いものから積み上げる。それぞれの「要素」を「20~30字程度」でまとめられるように徹底的に練習する。本校では「60~90字程度」の「解答欄」が多いので、2~5つ程度の「要素」でまとめることに慣れること。本校の「合格ライン」は6割強(過去11年間平均の「合格者最低得点率」は62.6%。本年度は63.0%。)。配点比率の大きい「説明記述」での「失点」は防ぎ、「減点」も最小限にしなくてはならない。重点的な対策が求められる。

●「説明記述」以外の「設問」にはどう「対処」するか? 「選択肢」「抜き出し」が主だが(本年度は「古文」での「選択肢」1問のみ)、高度な「読解力」が求められる。「設問内容」や「条件」を的確に捉え、それぞれに応じた「解法」を適切に用いることが最優先だ。そのためにも、基本的「解法」は完全に習得したい。

「古文」の「攻略法」は? もちろん、「中学レベル」の学習ではとても追いつかない。一般的な「私立高校」向け対応をする塾などの「範囲」をも超越する。要は、中堅クラスの「大学入試」に対応できなくてはならない「語彙」や「文法」、「古典常識」まで幅広い「知識」が求められる

尚、これまでの出典で多い「宇治拾遺物語」や「今昔物語集」といった「説話集」、そして、「枕草子」や「徒然草」のような「随筆」、さらには「歴史物語」にも馴染(なじ)んでおく必要がある。

●試験時間は45分。時間配分にも細心の注意をすること。問題文は例年4000字ほどだったが、本年度は昨年度同様に増加して約6000字(来年度以降に向けても要注意)。「説明記述」での時間を考慮すると、やはり、速く正確に読み取ることが求められる分速750字以上を目標に「読む練習」を常にしたい

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

筑波大学附属駒場高等学校の科目別
入試対策一覧

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。