医大・医学部受験プロ家庭教師 東邦大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

東邦大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)の特徴

本学の物理は「力学」が多く、次に「電磁気」が多いのが例年のパターンだ。もちろん、「波動」、「熱力学」からも出され、配分は年によって微妙に変化する。ただ、力学が多い点は変わらない。2/3くらいは典型的な問題だが、本年のレンズの組み合わせ、円柱と球の衝突、交流回路などあまりなじみのないものも出る。

難易度は2014年までは基本から標準レベルのセットだったが、2015年は難化して標準レベルの問題のほうが多いと言える。

出題は2006年以降、「原子」を除く全分野から出ているが、新課程では原子も要注意だ。

出題量と時間配分

理科は2科目で120分。本学の物理は問題数が多い。長文の大問ではなく、短文の多くの大問を解くことになる。大問数は8~15題程度とばらつきがあるが、小問数は2007年以降、25問となっている。それ以前は30問だった。

理科2科目120分で全問解くのは非常に厳しい。解けそうな問題を時間配分にメリハリをつけて、いかに正確に囲い込むか、椅子取りゲームのようにその場での的確な判断が要求される。

出題形式の特徴

全問マークシート方式で、小問ごとに6~8個の選択肢から正解を選ぶ形式だ。設定がイメージできるように必要に応じて図もついている。問題文だけでなく選択肢も視野に入れてから解き始めるのがよい。

はじめに力学が数題、次に電磁気が数題、といった形で分野ごと連続していることが多いが、順番と難易度は関係ない。解ける問題と後回しにすべき問題とを仕分けしながら進めることになる。

解答形式の特徴

上記のように、全問マークシート方式で小問ごとに選択肢から正解を選ぶ形式だ。有効数字2~3桁での数値計算も出される。

2012年までは正誤問題も出題された。「正しいものをすべて選べ」とか、「正しいものを3つ選べ」など設問は微妙に変わるので、落ち着いて読んでから解答しよう。 

攻略のポイント

まずは教科書の内容の定着が基本かつ重要

教科書にある公式は、単位・次元を含めてスラスラと出てくることが必要
学校によってはほとんど教科書を使用しないケースもあり、既卒生は手元に無い場合も考えられるが、すでに新課程に移行したのだから、必ず教科書は入手しよう。
入試の出題の基本枠・原点の確認のために、さらに、図表や口絵、写真に至るまで目を通せば、力のある受験生も思わぬ発見や収穫があるだろう。

教科書の例題を見た瞬間、解法が浮かび、すらすらと解けるのがこの基準。
しかし、不安があれば迷わず、教科書傍用の問題集として定番の「セミナー物理基礎・物理」などの基本例題とその類題をストレス無く解ける基準を固めよう。(ここで言う教科書とは「物理基礎」「物理」の両方である)

 

その次は入試物理の「標準」レベルの問題集を一冊マスターすること

「セミナー物理基礎・物理(いわゆるセミナー物理)」「物理重要問題集(いわゆる重問)」の発展問題がこのレベルに相当する。最低でも一冊を2周、できれば3周以上しよう。そうすれば、標準レベルくらいまでは対応する力がつけられる。

同時に、1のレベルに上げた公式も、下記のようなものは何度も反復して自力で導出出来るようにしよう。
例えば、単振動、万有引力とケプラーの法則、力積と運動量保存則・エネルギー保存則、ドップラー効果、特に、光波の干渉、状態方程式とポアソンの公式、熱運動とボルツマン定数などの近似計算があるものは何度も繰り返そう。
公式の導出は標準またはそれ以上の問題の攻略に大きな底力となるだろう。そのまま出題される例もある。

 

次は何と言っても過去演習

2014年までは8割前後が基本から標準レベルのセットだ。それらは2行から4行くらいまでの計算でゴールできる。それ以上の面倒なものが、2割前後潜んでいる。面倒なもの、パッと発想できないものは決断よくスキップして、後回しにしよう

それ以外に「正確に速く」という力量が求められる。これで「5割は確保できた」と感じる時間帯が早く来れば、落ち着いて残りから拾える。競合校の問題も含めて、「標準問題の時間演習」が合否を分けるカギとなる。

どの分野から解くのがよいか、前半30分でいくつの小問が解けるかなど、自分に合った時間配分を過去問演習で研究する必要があるだろう。

推奨テキスト

教科書(各出版社)

教科書はなければ合格できないというものでもなく、これさえマスターすれば合格というものでもない。しかし、教科書が入試の出典の原点であることは強調し過ぎということはない。入試の基準としての教科書は、手の届くところにキープしたい。各種公式・法則の導出過程やさまざまなカラーの図式・写真などだけでも相当の価値があるだろう。

『セミナー物理基礎・物理』(第一学習社)
または『リードα物理基礎・物理』(数研出版)
または『実戦 物理重要問題集2016-物理基礎・物理』(数研出版)

『セミナー物理』は、定番の教科書傍用の問題集。教科書の例題とともにこの基本問題をマスターするのが一つの段階。とても良い問題集だが、市販されていないのが難点。ネットなどで「解答付き〇〇円」など法外な値段で売られているに飛びつくよりは、『リードα』でも十分だ。

『重問』も大定番の市販問題集。セミナーやリードの基本問題が大丈夫なら、こちらを始めてもよい。少しずつ入試問題も更新されていて、しっかりとした内容だ。

『物理のエッセンス(力学・波動および熱・電磁気・原子)』、
『良問の風』(河合出版)

または『漆原の物理(物理基礎・物理)明快開放講座』(旺文社)

教科書と上記の二つの問題集を理解するために必要な「物理の思考回路」を磨くための参考書兼問題集が物理のエッセンス。文字通り、一言一句、エッセンスというべき内容が凝縮している。名著と言えるが、エッセンスだけに行間を埋めてくれるチューターがいた方が良いかもしれない。医学部の物理を攻略するために必要な、物理的なものの見方、思考回路を開いてくれるだろう。

『エッセンス』と並行しながら、『良問の風』を解くとよいだろう。
『漆原の物理』は原則的に本質に迫るというよりは、解法をわかりやすくパターン化してくれるタイプ。
『エッセンス』と『漆原の物理』は受験物理への異なるアプローチだ。どちらが向いているか、実際に手に取って確かめよう。

『物理基礎問題精講』

『物理標準問題精講』

『漆原の物理 最強の88題』(旺文社)

だれしも過去問演習をやりながら、苦手な単元や問題にぶつかるだろう。そんな時は、類題を5題探してやると良い。

その中でも典型的な良問がセレクトされ、ていねいで的確な解説があるのがこれらの本。『基礎』をやって、余裕があれば『標準』、『最強の88題』に進もう。2014年までの難易度なら、『基礎』まで。2015年の難易度が続くなら、『標準』、『最強』に進もう。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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