難関校受験専門プロ家庭教師の視点

国立高校の入試傾向と対策出題分野・問題の特徴・時間配分・攻略ポイント・学習方法

数学教科の出題傾向

26年度「国立の数学」総括

出題分野 平方根、二次方程式、確率、作図、平面図形、二次関数、空間図形
問題の特徴 良問が多い進学指導重点校の問題群の中から素直な良問が精選されている。
時間配分

作図を除き、着眼点を誤るとどつぼにはまるというタイプの問題はない。

受験生は実力を発揮しやすいと思われる。

攻略ポイント 高校受験の数学で問われる解法を素直に使いこなすことが求められている。
学習法

学校の定期テスト対策だけでは不十分だが、極端に設定を複雑にしたり、

マニアックな知識を網羅した問題集、参考書は不要。

標準的かやや発展的な内容までのっている問題集を一冊仕上げる。

26年度 国立高校の数学の各問題特徴と時間配分

小問集合(1) A(平方根)

やや計算が複雑な平方根の問題である。速く、正確に、解答したい。難易度は教科書ワークまたは標準的な問題集の章末問題レベル。日ごろから途中式を省かずに複雑な計算になっても、確実に正答できるようにしておくことが大切である。

<時間配分:1分>

小問集合(2) B(約数)

約数の数え上げ問題。「具体的に数え上げた後に、規則性や解の条件を吟味して答えを絞る」という場合の数を考える際の作法を問うている。むやみに問題集の解法を丸暗記する勉強をこなしてきた学習者の中には失点したものもいたかもしれない。そうした者は学習法を見直そう。

<時間配分:2分>

小問集合(3) E(二次方程式)

やや複雑な2次方程式の問題。標準的な問題集を章末問題までこなせば苦もなく正答できるはず。

<時間配分:1分>

小問集合(4) C(確率)

確率の文章問題。「2つのさいころを投げたときは表を描く」、「座標平面を描いて情報を整理する」、「2点間の距離」という3つの教科書例題レベルの解法を融合した問題。一つ一つの基本的な解法をしっかり身につけていることはもちろん、見たことのない問題に立ち向かう姿勢を問うている。

<時間配分:3分>

小問集合(5) A(作図)

やや難問。難しさの要因は立体の特定の面に注目して、辺の長さを計算する必要性と、作図の定石である線分の垂直二等分線、角の二等分線の技法だけでは作図出来ないという2点にある。平方根の作図法をその場で思いつくか、前もって練習しておく必要がある。受験生の引き出しの多さを試す問題。5分間考えて閃かなければ、先に進むのが得策であろう。

<時間配分:5分>

【数量】二次関数 B(2つの二次関数)                           

問2までは標準的なレベル。完答すべし。問3は本格的な入試問題。正解までのプロセスがやや長いことに加えて、「頂点が共通な三角形の辺の比は面積比となること」を座標の差と関連づけて利用しなければならない。このプロセスは公立中学校の定期試験で扱うレベルを超えている。それでも、後の発展的な内容の問題に比べれば方針も見つけやすく平易なので、この問題を完答できたかで差がついたのではないかと思われる。
(問1)学校ワーク章末問題レベル。即答したい。
(問2)これも図を描いて値を書き込んでいけば自然に解ける。標準的な問題集の章末問題レベル。「原点を頂点にもつ三角形の面積はy座標を底辺として2つ分割して求める技法」が鍵。
(問3)直線と放物線から交点の座標を求める、面積の2等分といえば三角形の等積変形、三角形の面積比と底辺の比、という3つのプロセスを踏む必要がある。これを正解するには発展的な問題集をこなしていく必要があろう。

<時間配分:(問1)2分(問2)3分(問3)5分>

【図形】平面図形 A(円と直線図形)

(問1)(問2)ともに標準的な問題集の章末問題レベル。都立の共通問題を意識したような形式。
(問2)の(2)あたりは、出来、不出来に差が出たのではなかろうか。きっちり図を書き直して、設問条件を可視化して考える。

<時間配分:(問1)2分(問2)(1)4分(2)5分>

発展問題 A(立方体と円柱の組合せ)

大問の条件を記述するのにA41ページを使うというレイアウトが目を引くが、(問1)はサービス問題、(問2)は標準レベル、(3)が本格的な入試問題とバランスのよい構成。(問2)までを正答したい。発展的な問題集をやりこんだ受験生は(問3)を得点し、リードを作るだろう。
(問1)図に書き込みながら考えれば自然と解ける。特に迷うところもないはず。
(問2)「立体は平面に直して考える」という作法と「3辺の長さがわかっている三角形の面積を求める」解法をストックしていたか。標準的な問題集をやりこんだものは正答できるだろう。
(問3)立体を立体のまま捉え、適切な切断面を考え、体積を求めるための高さを見つける。典型的な発展問題。数学が得点源であればこのレベルまで対策を。そうでない者は解いてみて手ごたえがなければ飛ばすという戦略もありうる。

<時間配分:(問1)2分(問2)4分(問3)5分>

国語教科の出題傾向

26年度「国立の国語」総括

出題分野 漢字(読み書き)・文学的文章・説明的文章・古典
問題の特徴

文学的文章と説明的文章の難易度は標準的。

古典の問題は難問を含むパターン。

時間配分

とるべき問題を時間内に得点する処理能力が問われる。

攻略ポイント 記述問題の出来によって差がつくと思われる。
学習法

記述を添削してもらえる指導者につき、

端的にまとめあげるスピードと、

的確なポイントを押さえた表現力を練習しておきたい。

26年度 国立高校の国語の各問題特徴と時間配分

漢字(読み)A

漢検3級+αの内容。手早く解答して、その分読解に時間を使おう。

<時間配分:1分>

漢字(書き)A:7校共通

読み取りに準ずる。

<時間配分:1分>

文学的文章A(下村湖人『論語物語』)

読みやすい問題文に素直な設問である。満点を目指したい。
強いていえば、記述問題が少し手ごわい。設問から出題者の意図を考え、答案に書くべき語句を押さえよう。

問1 標準的な記号選択問題。消去法で対処する。手順は以下の通り。
① 傍線付近の、本文中の登場人物の心情を表す「台詞」「動作」「描写」をチェックする。
② 本問のように選択肢が長い一文のときには、意味の固まりごとに区切りを入れる。
③ 選択肢中の本文中に書かれていない部分に印をつけ、その選択肢を消す。
④ 残った選択肢が正解。
(⑤確かめとして、残った選択肢の内容が書かれている部分を問題文の中からみつける)

問2 問1同様、標準的な記号選択問題。正答したい。

問3 やや難しい記述問題。比喩の扱い方も問われている。解法の手順は以下の通り。
① 設問から、答案の形を絞る。
今回は傍線箇所に「研ぎ澄まされた刃を差し込まれたような気がした」という比喩が含まれている。比喩があったら、通常の言い方に直す。「不意に核心を突いた指摘を受けあわてた」程度の意味であろう。更に「わけ」を問うている。理由を聞かれたら「~から」と結ぶのがルール。
② 傍線部前後で「子貢が不意に核心を突いた指摘を受けあわてた理由」が書かれている部分を探す。
③ 答案をまとめる。答案をまとめるときには採点者の視点に立つ。採点者は、受験生に書いて欲しいポイントを数え上げて加点法で採点している。今回でいえば、「子貢がまだ貧富をこだわる心を持っていたこと」「そのことを孔子に指摘されたこと」「子貢は自分の考えに自信を持っていたこと」「孔子の見方の方が子貢の見方よりも鋭かったこと」「語尾を『~から』で終える」「指定字数の9割以上、かつ字数オーバーをしないこと」などだろう。誤字脱字は、1つに付き1点減点。満点は困難だが、7点中4点は取りたい。

問4 標準的な記号選択問題。後半部分で述べられる孔子の考えの趣旨を問うている。基本的には消去法で解くが、迷ったら一度設問から離れ、記述問題のつもりで本文に向かい、自分なりの解答を作ってから選択肢に戻るとよい。

問5 標準的な記号問題。消去法で対処できる。

<時間配分:10分>

説明的文章A(山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』)

記号選択の設問は易しいが、80字で筆者の考えを説明させる記述問題と、250字で問題文のテーマについて受験生の考えを述べさせる設問がついたことで、ボリュームのある問題となった。

問1 標準的な記号選択問題。問題文、設問の語彙、内容のレベルは易しくはないが、意味を取ることが出来さえすれば、消去法で確実に正答できる。選択肢を消しきれずに2つの選択肢が残った場合には、よりよい方を選ぶ。(ア)と(エ)は、それぞれ「自然科学の力で生み出された」「経験的に作り上げられた」が不適切。(イ)と(ウ)で迷ったかもしれない。(イ)は「環境を克服しながらできあがった」、(ウ)は「偶然によってもたらされた」とある。問題文中に「子供を多く残した行動や身体構造が残る」という内容が繰り返し出てくる。「子供を多く残す行動が残る」ことは、「偶然」残ったわけではない。よって(イ)がよりよい選択肢ということになる。

問2 問1と同様、標準的な記号選択問題。確実に正解したい。

問3 記述問題。この問題で、受験生間の差が付いたと思われる。記述問題は、採点者が加点すると思われる要素を問題文中から探し出し、答案に組み込むことがポイント。傍線部の直後に「たしかに~、しかし~」の形が見つかる。これは、譲歩といって「しかし~」以下に筆者の考えが来る形。従って、「しかし~」以下をまとめればよい。「しかし」の段落には具体例がつづく。筆者の考えを記述するときには入れなくてよい。

問4 やや難の記号選択問題。<生物学、進化論=生物自身にとっての目的に対する合目的性/化学、物理=外在的な視点>という対比をつかめたか。(ア)の選択肢が一番近い。他の選択肢は、ずれている。

問5 標準的な記号選択問題。消去法で対応できる。(ウ)は行動を中心とする立場と、身体構造を中心とする立場を対比していない。また、最後に生物学の重要性を強調してもいない。(エ)はまず、外在的な視点とは何かを明らかにすることが主要な話題ではない。(ア)と(イ)で迷ったら、選択肢を一言でまとめる。(ア)生命現象に関する自らの考えを提示している。(イ)現代の自然科学が抱える課題について言及している。結論は、現代の自然科学というよりも生命現象に関するものと捉えたほうがよりよい。よって(ア)が正解。

問6 記述問題。受験生によって差が付くレベルの問題。設問に、「筆者の主張を踏まえたうえで~」とあるので、初めに筆者の主張をまとめる。その上で自分の考えを書く。賛成ならば、具体例や、筆者の主張から導き出される帰結などで論を膨らませる。反対ならば、その理由を書く。一般的に考え、限られた字数で筆者の主張に十分な反論を加えるのは難しいので、賛成の立場で答案を作成した方がうまくいく。

<時間配分: 12分>

古典A(馬場あき子『日本の恋の歌-貴公子たちの恋-』)

これは難問といって良いだろう。
記述問題、記号選択問題ともに正解の根拠がやや不明確な問題を含む。

問1 やや難。消去法で選択肢を絞っても、残った2択を細かくみていかないと、正解にたどりつけない。以下プロセスを示す。(ウ)の「何か物足りなさ」、(エ)の「都を離れたむなしさ」は書いていないので×。(ア)と(イ)はどちらも間違った内容は含んでいない。どちらがよりよいか考える。(ア)は「旅」のすばらしさだけに言及している、(イ)は「旅」と「食事」のすばらしさに言及している。問題文では「旅」と「食事」のすばらしさについて述べているので、よりよいのは(イ)の選択肢となる。

問2 難しい記述問題。傍線前後の「業平の心情」と「そこに至った経緯」をまとめればよいのだが、本文の表現をそのまま抜き出して使おうとすると字数オーバーになる、または日本語として不自然になる。加点されるポイントを的確につかんだ上で、自分の言葉で言い換えてまとめる力量が求められる。加点ポイントは「折句をみごとにこなした」「都においてきた思い人を思い出した」「旅のわびしさ」の3点である。(同趣旨可)満点は取れないまでも部分点は稼ぎたい。

問3 標準的な記号選択問題。消去法で対応したい。ここは確実に正答したい問題。

問4 標準的な文法問題。文法対策は後回しになりがちだが、しっかりと準備してこなしておきたい。

問5 やや難の抜き出し問題。問題文全体から「心情」に関する語をチェックし、適当な語を選ぶ。和歌のみをみると「妻への思い」「大切な人への思い」などの意の語を探したいが、問題文中には7字でそれに当たる語はない。次善として「遠い都への思い」が答えとなる。

<時間配分: 13分>

英語教科の出題傾向

26年度「国立の英語」総括

出題分野 リスニング(都立共通問題)、対話文、物語文
問題の特徴

やや長めの対話文と物語文の組み合わせ。

時間配分

設問の難易度は標準的だが、問題文の量が多いため、英文を速読する力が求められる。

攻略ポイント

空欄補充の割合がやや多い。

どれも空欄の前後をよく読み、指示語、接続後に

特に注意して解いていけば満点を狙える。

学習法

対話文、説明文ともにオーソドックスな問題である。

類似した問題に数多く当たっておきたい。

26年度 国立高校の英語の各問題特徴と時間配分

対話文B(じゃんけんで勝つ確率を基に理論的確立と統計的確立について考える)

3ページ半ほどの対話文に記号選択、空欄補充、整序英作文といったオーソドックスな設問に加えて、本文内容を日本語で説明させるやや特殊な問題がつく。設問の難易度は対話文Aより少し易しい。中学レベルを超える単語については脚注に意味が示されるが、そうした単語が設問の答えに絡むこともあるのは対話文Aと同様。

問1 易しめの空欄補充記号問題。空欄の前後を読んで意味を考えれば正答できる。

問2 易しめの記号選択問題。傍線部の前後と設問の意味が取れれば簡単!

問3 標準的な空欄補充問題。「空欄前後の文脈を押さえること」と、「最上級の表現を使えること」の2点がポイント。

問4 標準的な空欄補充問題。空欄前後と設問の意味が取れれば正解できるだろう。

問5 やや難しい記述問題。国語の入試問題に出題されても違和感のないレベルの問題。この問題で受験生の間に得点差がついたと思われる。記述問題を解くポイントは、設問を手がかりに採点者が加点すると思われるポイント(加点要素)を数えあげ、答案に埋め込むことである。今回の問題でいえば、「確率の二つの見方」を「じゃんけんを例に用いて具体的に」記述できたかどうかがポイントとなる。「確率の二つの見方」とは、本文上の「理論上の確率」と「統計上の確率」をさす。この二つを、じゃんけんを例に具体的に記述すればよい。
(解答例)グー、チョキー、パーが均等に出るとする理論上の確率と、実際に数えてみるとグーが出ることが多いことを示した統計的な確率(58文字)
<考えられる加点要素> 『理論上の確率』『統計上の確率』+具体的な記述

問6 やや難しい整序英作文。分詞による名詞の後置修飾を見抜けたかがポイント。

問7 標準的な記号選択問題。問題文、設問の英文の意味がとれれば正答できる。

問8 要約文の空欄補充。問題文の量が多い分、難易度が上がる。問題文を通読する際に、どの部分にどんな内容が書かれてあるかをおおまかにつかみ、空欄ごとに解答の根拠となる部分に速やかに戻れるよう訓練をしておきたい。

問9 標準的な記号選択問題。問題文の趣旨を捉えた上で、設問の意味を正確につかむことが出来れば正答できる。

<時間配分:本文通読9分+設問解答10分>

物語文A(一人の少年が家族や祖父との会話から誕生日の本当の意味を考える物語)

3ページほどの問題文に記号選択、空欄補充、整序英作文といったオーソドックスな設問が付く。設問は整序英作文以外は標準的かやや易しいレベル。最後に50字程度の自由英作文が出るのであらかじめ練習しておくとよい。

問1 標準的な空欄補充問題。空欄の前後を読んで意味から考えていけば正解できるだろう。

問2 やや難しい記述問題。解き方としては、then の指しているものを考えて、文法的に正しい英文でまとめる。

問3 やや難しい整序英作文。選択肢をみて、it is natural for her to~ の形はすぐ浮かんで欲しい。one とsoの処理に手間取るかもしれない。文と文をつなぐには接続詞が必要であり、soは接続詞になれるということを知っていれば、文頭にso が「one がa + 前に出てきた名詞」を指す代名詞になれることを知っていれば、oneが文末にきてwant one となることが分かる。

問4 やや難しい記号選択問題。問題文と設問の意味を取ることが出来れば正解できるが、選択肢と答案の根拠となる部分に、いわゆる第Ⅳ文型とその変形の英文が使われている。どれだけ精確に読めたかによって差が付いたと思われる。難関私立志望の高校初歩レベルまでガチガチに英文法を固めた受験生であれば正解に至った問題といえる。

問5 標準的~やや難レベルの空欄補充問題。最上級を比較級に書き換える。問4同様、高校初級レベルの文法知識を問うている。

問6 標準的な空欄補充問題。本文中から抜き出すという条件が付いたことで難易度が下がった。ここは正解したい。

問7 標準的な記号選択問題。問題文と設問の意味を取った上で、本文に書かれていない要素を含む選択肢を消していく。ややまぎらわしい選択肢も含まれており、英語の意味が掴めることだけでなく、国語の力も試されている。

問8 自由英作文。自分の経験について書く形式。入試基礎が固まり次第、英作文対策をしておけば満点近く狙える。この手のタイプの自由英作文は、書く内容を自分で決められるので、自分の英語力にあった話題、言い回しを選ぶことがポイントとなる(いわゆる日本語を和訳する作業)。できれば、演習した後に適切な添削を受けたい。作った英文の文法的なチェックはもちろん、考えた英文を素材とした主張と具体例による作文の膨らませ方、易しい表現を使った言い回しなどの指導は、指導者による指導が効果を発揮する領域である。

<時間配分:本文通読9分+設問解答10分>

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