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高校の共学化はどう推移しているか?

今回は「高校の共学化」を取り上げてみよう。特に、共学化後男女比がどうなったかに着目してみたい。
まず21世紀に入ってから、どのくらいの高校が共学化に踏み切ったのだろうか。

■2001年から2011年までに共学化した高校

年度 男子校から 女子校から
2001年  中央大学附属、東京実業、東洋、千葉日本大学第一、横芝敬愛  朋優学院(中延学園)、横浜学園、横浜清風(明倫)
2002年  工学院大学附属、聖パウロ学園、早稲田実業学校、日本大学  東京立正、横浜創英、我孫子二階堂
2003年  横浜商科大学  共栄学園、大東学園、昭和学院、東邦音大附属東邦第二、星野、つくば国際大学
2004年  関東第一、成立学園(成立)、千葉商科大学付属<普通科>、霞ヶ浦  桜丘(桜丘女子)、武蔵野、鵠沼(鵠沼女子)、橘学苑(橘女子)
2005年  昭和第一  松蔭、日出(日出女子学園)、大西学園、東葉
2006年  錦城学園、日本工業大学駒場(日本工業大学付属東京工業)、明星男子部、市川  かえつ有明(嘉悦女子)、明星女子部
2007年  大森学園(大森工業)、法政大学(法政大学第一)、早稲田大学本庄  上野学園、広尾学園(順心女子学園)
2008年  明治大学付属明治、千葉商科大学付属<商業科>  鶴見大学附属(鶴見大学附属鶴見女子)、山村学園(山村女子)
2009年    目白研心(目白学園)
2010年  郁文館、郁文館グローバル  東京都市大学等々力(東横学園)、宝仙学園
2011年  目黒学院<特進コース>  貞静学園、東星学園、横浜翠陵(横浜国際女学院翠陵)
学校数  26校  32校

( )内は共学化以前の校名。宝仙学園は共学部に理数インターという名称を付けている。

意外に多い大学付属の共学化

 この11年間で実に58校もの高校が共学校に転換している。必ずしもすべてが生徒募集が厳しくなったから共学校に転換したというわけではなく、学校の将来 計画から転換したというケースも多い。特に大学付属は、大学側に優秀な女子学生を入学させたいという意図があったと考えられる。中央大学附属、早稲田実 業、日本大学、法政大学、早稲田大学本庄、明治大学付属明治……と校名が並べば、以前は男っぽい大学として知られた大学ばかりである。だからこそ付属校も 男子校であったわけである。
男子の大学進学率は頭打ちなのに対し、女子の大学進学率はグングン上昇している。近年の大学進学者数の増加は主として女子学生の増加なのであるから、大学 の経営陣が女子学生に照準を当てることは経営上からも必然と言える。先に挙げた総合大学以外でも工学院大学附属、横浜商科大学、千葉商科大学付属などがそ うしたケースであろう。
女子の場合は、大学が女子大だったりすれば高校で男子を受け入れるメリットはないから、必然的に大学付属の共学化は少なくなる。鶴見大学附属(鶴見大学附属鶴見女子)、東京都市大学等々力(東横学園)は大学が共学であるから男子を受け入れる意味があるということだ。
また、工業系の高校が、受験生の普通科志向から普通科を設置したことに伴って女子も受け入れるようにしたというケースも多い。東京実業、関東第一、日本工業大学駒場(日本工業大学付属東京工業)、大森学園(大森工業)などがそうしたケースと言える。

案外多い男子校からの共学化

共学化した校数は、女子校からが32校、男子校からが26校と、女子校からのほうが多いが、一般に思われているほど圧倒的に女子校のほうが多いわけではな い。東京都市大学等々力(東横学園)、宝仙学園は共学化にあたって女子部も残したが、現在は両校とも女子部は募集停止にしている。
共学化に伴う校名変更だが、男子校からの共学化の場合はほとんど校名を変えていないのに対し(変更は4校のみ)、女子校からの共学化の場合は12校もある。元々の校名に「女子」と入っていれば、当然校名を変えざるをえないので、そうしたケースが3分の2の8校もある。
都県別では東京が圧倒的に多いが、神奈川が10校(男子校から2校、女子校から8校)、千葉が6校(男子校から3校、女子校から3校)、埼玉が4校(男子校から1校、女子校から3校)、茨城南部が2校ある。
圧倒的に共学校が多いと思われている千葉・埼玉だが、以前は別学であった学校も結構あったことがわかる。現在、千葉には女子校は8校(うち高校単独校は5校)、埼玉には5校(うち高校単独校は2校)あるだけである。
こうして数字で挙げてみると、神奈川の女子校の共学化がひときわ多いことがわかる。8校のうち6校が中高一貫校で、高校単独校は横浜清風(明倫)と鵠沼(鵠沼女子)の2校しかない(横浜学園は以前は中学募集していた)。

定員は男女合計定員が圧倒的に多い

次に、上に挙げた最近共学になった学校だけでなく、共学校全体での男女別の比率を見ていこう(高校募集をしている学校について)都県別に3学年とも男子が 多い学校、3学年とも女子が多い学校を表にしてみた(各学年の生徒数が不明の学校もあるので、記載の学校がすべてではない)。

■男女別生徒数で見た私立共学高校の分類

  東京 神奈川 千葉 埼玉
男子の多い共学校 郁文館、郁文館グローバル、大森学園、かえつ有明、関東第一、錦城学園、京華商業、国学院 久我山、国士舘、駒込、駒澤大学、駒場学園、修徳、淑徳巣鴨、城西大附属城西、聖徳学園、昭和第一、昭和鉄道、駿台学園、正則、聖パウロ学園、成立学園、 青稜、専修大附属、大東学園、大東文化大第一、多摩大聖ヶ丘、多摩大目黒、中央学院大中央、帝京、東亜学園、東海大高輪台、東京、東京実業、都市大等々 力、東京農大第一、東洋、日体荏原、日本工業大駒場、日本大第一、日本大第二、宝仙共学部理数、堀越、目黒学院、工学院大附属、昭和第一学園、成蹊、創 価、大成、中央大附属、帝京大学、帝京八王子、東海大菅生、東京電機大学、日本大第三、法政大学、明治大付属明治、明星、立正、和光、早稲田実業    61校 旭丘、アレセイア湘南、柏木学園、向上、光明学園相模原、湘南工科大附属、相洋、立花学園、桐蔭学園、東海大相模、桐光学園、日本大学、平塚学園、三浦学苑、山手学院、横須賀学院、横浜学園、横浜商科大学、横浜清風、横浜創学館、横浜隼
人 21校
我孫子二階堂、市川、桜林、柏日体、暁星国際、敬愛学園、志学館、芝浦工業大柏、渋谷教育幕張、秀 明八千代、西武台千葉、専修大松戸、拓殖大紅陵、千葉学芸、千葉敬愛、千葉国際、千葉商科大付属、千葉日大第一、千葉黎明、中央学院、東海大浦安、東海大 望洋、東京学館、東京学館浦安、東京学館船橋、東邦大東邦、成田、日大習志野、文理開成、茂原北陵(普通)、八千代松陰、横芝敬愛  32校 浦和学院、浦和実業、大宮開成、開智、開智未来、春日部共栄、国際学院、埼玉栄、埼玉平成、栄北、栄東、狭山ヶ丘、自由の森学園、秀明栄光、正智 深谷(特進・総合)、昌平、西武文理、西武台、聖望学園、東京農大第三、花咲徳栄、東野、武南、本庄東、武蔵越生、早稲田大本庄 26校
内そもそも男子の定員が多い学校 専修大附属、日本大第三 桐蔭学園、東海大相模、桐光学園 なし 早稲田大本庄
女子の多い共学校 青山学院、関東国際、啓明学園、桜丘、杉並学院、成城学園、貞静学園、東京音楽大付属、東京立正、東星学園、東邦音楽大附属東邦、日本大鶴ヶ丘、八王
子実践、日出、文教大付属、朋優学院、武蔵野、目白研心、桜美林、国立音楽大附属、国際基督教大学、玉川学園、明星学
園、明治学院東村山  24校
麻布大淵野辺、大西学園、鵠沼、湘南学院、鶴見大付属、横浜翠陵、横浜創英  7校 木更津総合、敬愛大八日市場、昭和学院、千葉英和、千葉経済大附属、千葉県安房西、東葉   7校 浦和ルーテル学院、東邦音楽大附属東邦第二、星野(共学部)、細田学園、山村学園  5校
内そもそも女子の定員が多い学校 なし なし なし なし
学年により異なる共学校 上野学園、共栄学園、国学院、実践学園、淑徳、順天、中央大学、中央大杉並、東京成徳大学、豊島学院、二松学舎大附属、日本大櫻丘、広尾学園、豊南、明治学院、錦城、拓殖大第一、八王子、明大中野八王子 19校 慶應湘南藤沢、橘学苑、日本大藤沢  3校 市原中央、昭和学院秀英、千葉明徳、二松學舎大柏、日出学園、流通経済大柏(Ⅰ・Ⅲ類)、麗澤  7校 東京成徳大深谷、獨協埼玉、本庄第一、山村国際  4校

男子のほうが多い学校が140校、女子のほうが多い学校が43校と、男子のほうが多い学校が3倍以上存在する。ここまでくると共学校は男子のほうが多いことが普通といえそうだ。
そもそも定員の設定をどうしているのか、ということが気になり、調べてみた。

■都県による学校数の違い

  東京 神奈川 千葉 埼玉
 男女別定員校数 注1、注2 5校 3校 なし 1校
 男女合計定員校数 76校 17校 37校 32校
 両方が混在する定員校数 注3 4校 なし なし

なし

注1 (「男女別定員」だが男子定員が多い高校) 専修大学附属、日本大学第三、<以下3校は一部のコースが該当>国学院久我山(一般)、修徳(進学コース)、早稲田実業(一般)/桐蔭学園、東海大学相模、桐光学園/早稲田大学本庄

注2 (「男女別定員」だが男女同数の高校) 日本大学第二は男女別定員だが男女同数。明治学院は男女別定員だが男女同数。明治学院東村山は男女別定員だが男女同数。

注3 (「男女別定員」と「男女合計定員」が混在する高校) 国学院久我山は推薦が男女合計定員、一般は男女別定員、帰国生は若干名。修徳は進学コースが男女別定員、特進が男女合計定員、健康・スポーツが男子のみ定員。中央大学は推薦が男女別定員(同数)、一般が男女合計定員。早稲田実業は推薦が男女合計定員、一般が男女別定員。

ほとんどの共学校が男女合計定員としている(日本大第二、日本大第三は2012年度から男女合計定員に変更する)。男女別定員の学校でも女子のほうを多く している学校は1校もない。これは、生徒指導上の男女比は2 : 1くらいがちょうどいいという学校側の経験知からきているのだろう。共学化以前の学校形態は共学化後に変化したのか、そのことにも興味がわいた。

元の形態にかかわらず男子が多くなる

■共学化以前の形態別現状(2001年以降に共学化した学校について)

  男子が多い 女子が多い 学年による
元男子校 目黒学院(特進コース)、郁文館、郁文館グローバル、明治大付属明治、千葉商科大付属、大森学園、法政大学、早稲田大本庄、錦城学園、日本工業大 駒場、明星(男子部)、市川、昭和第一、関東第一、成立学園、千葉商科大付属、霞ヶ浦、横浜商科大学、工学院大附属、聖パウロ学園、早稲田実業、日本大 学、中央大附属、東京実業、東洋、千葉日大第一    
元女子校 東京都市大等々力(共学部)、宝仙学園(共学部理数インター)、かえつ有明、明星( 女子部)、大東学園、我孫子二階堂、横芝敬愛、横浜学園、横浜清風 貞静学園、東星学園、横浜翠陵、目白研心、鶴見大附属、山村学園、日出、大西学園、東葉、桜丘、武蔵野、鵠沼、昭和学院、東邦音大附属東邦第二、星野、東京立正、横浜創英、朋優学院 上野学園、広尾学園、橘学苑、共栄学園、つくば国際大学

松陰は非公表

元が男子校で女子のほうが多くなっている学校は1校もないのに対し、元が女子校で男子のほうが多くなっている学校は多数ある。校名を見ると、やはり進学校 色が強い学校ほど男子が多くなっていることに気付く。現在は「学年による」の欄にある上野学園、広尾学園、共栄学園なども「男子が多い」に移るのではない だろうか。

色々な切り口で高校の共学化を見てきたが、

  • 中学受験段階で、高校募集のない完全一貫校に進学している女子の数が多いこと
  • 高校受験では、女子のほうが公立志向が強いこと

などから、私立共学校はどうしても男子優位になるようである。

情報提供:安田教育研究所

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