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埼玉県私立高校入試 公立前後期一本化、私立は志願者大幅増

埼玉県では今年から公立高校入試の前後期制が一本化された。私立高校の入試は昨年とほぼ同様に実施されたが、各校合計の志願者数が大幅に増えるなどの変化が見られた。まず公立高校の入試状況を概観した上で、私立高校入試を見てみたい。

1.南部地区公立高校普通科・総合学科の志願動向

12月に発表された公立中3生の進路希望調査では、卒業予定者数が67,854名と、昨年より1,400名近く増加、高校進学希望者数も1,400名を超える増加で、高校進学希望率は96.1%に上昇し、2008年以来の高水準になっていた。

志願者数の増減と不合格者数 南部地区

グラフは南部地区(岩槻地区を含む旧第1学区)のコースを除く全日制普通科・総合学科高校について、志願者数の増減と、不合格者数(受験者数から合格者数を差し引いた値)を表したものである。学校はほぼ難易度順に左から並べている。志願者数の増減は、今年の志願者数と昨年の出願ニーズを比較した。出願ニーズは、昨年なら前期の不合格者は後期も同一校に再出願したはず、と仮定して前期の合格者数+後期志願者数で求めている。実際には前後期で志願先を変える受験生もいるため、目安としてお考えいただきたい。また、伊奈学園と総合学科は後期募集がなかったため、昨年の前期と比較している。なお、右側の鴻巣女子で不合格者数の棒が若干下向きに伸びているが、第2志望合格のためである。
まず志願者数の増減から。浦和と浦和第一女子の志願者が減っている。都内国立・難関私立各校との併願者は、昨年なら前期に出願し、併願先に合格したら公立を事前取り消しとしていたが、入試日程が遅くなったことでこれらの受験生が出願する必要がなくなったための減少だ。
伊奈学園は減少が目立つ。同校は規模が大きく、別格ではあるものの、ほぼ同レベル(北辰テストの50パーセンタイル偏差値で60程度)の浦和北、大宮光陵や市立川口などでも志願者は減少傾向(その分ほぼ同レベルの与野が大幅増)になっている。ただ、この部分を例外とすると、「中の上」の川口から上は、概ね各校とも志願者が増加傾向だ。一方、その下になると「増えたり減ったり」が目立つようになり、上尾南などの「中の下」あたりからはほとんど増減に変化がなくなっている。それでも各校合計すれば志願者は昨年の出願ニーズよりも増加しているが、これは今年の中学卒業生数が昨年より増加しているためだ。
不合格者のグラフでは、志願者が減った浦和、浦和一女とも、今年も多くの不合格が出ていることがわかる。伊奈学園は志願者が大きく減ったが、それでも不合格者の数は多く、受験生が他校に流れた。与野にもかなり流れていると思われる。与野は志願者数が昨年の出願ニーズよりも104名増加したが、不合格者は122名発生しており、単純計算だが104名の志願者の増加が無ければ不合格者は18名で済んだはずだ。
こうしてみると、受験生の動きには大きく分けて3つのグループがある。

  1. 伊奈学園~市立川口あたりよりも上位レベルの学校
  2. 1の下で、川口あたりまでの学校
  3. 桶川・岩槻あたりから上尾橘までの学校

1.は今年も人気が高く、浦和や浦和一女で都内国立高などとの併願者が減ったものの、各校とも多くの志願者が集まっている。不合格者も多く、入試制度は変わったが、出願動向に大きな変化はない。
2.も昨年の出願ニーズとの対比で志願者が増えている学校や、不合格者が多い学校が並んでいて、人気があることがうかがえるが、伊奈学園~市立川口あたりが境になっていて、1.との受験生の流動(A高校が厳しそうだから1ランク下げてB高校にしよう、といった流れ)は、今年は少ないようだ。受験生の学校選択の範囲が伊奈学園~市立川口あたりを境としてはっきり分かれている。
3.は川口総合など、一部に不合格者数が多い学校が見られるものの、志願者数、不合格者数とも比較的動きが小さい。特にこのグループの中でも「入り易い」学校はほとんど不合格が発生していない。
さて、南部地区では1.だけで合計1300名以上の不合格者が出ている。2.は600名弱、3.は400名弱だ。不合格者の多くは県内私立高校に入学したと考えられる。後述のように今年の県内私立高校は志願者数が大きく増えたが、併願受験生では1.の受験生を多く確保した私学が、志願者・入学者確保に成功した学校と言える。また、特に3.は併願受験生を確保しても入学につながる確率は低い。昨年も普通科のみで400名程度の不合格者が発生していたが、絶対数で少数派になっている。教育内容の優位性で単願受験生を多く確保することが入学者確保の条件だ。

2.他地区の動向

他の地区についてはグラフを示しての検討は割愛する。
(1) 西部地区(旧第2学区) 川越、川越女子、坂戸、川越西、所沢中央の志願者が、昨年の出願ニーズに比べて目立って増加している。不合格者数では全校合計しても1,100名余で南部地区の半分の規模。川越、川越女子、所沢北の3校の不合格者数が突出している。朝霞西は今年志願者が増えて不合格者も増加しているが、「私学に入学の可能性が高い併願受験生」の観点からは、坂戸あたりまでの併願受験生確保が大切だろう。志木など、「中の中」レベルから下の各校では、昨年は普通科の後期合計で300名余の不合格者が出ていたが、今年は総合学科を含めても200名を切った。併願受験生の入学は期待しにくい。
(2) 東部地区(旧第8学区・岩槻地区を除く) 志願者が昨年の出願ニーズに比べて目立って増加しているのは越谷北、越ヶ谷、越谷南、杉戸、草加南。あとは細かい増減はあるものの、例年の人気変動の範囲内と思われる。不合格者数は全校合計しても約900名で、西部地区よりもさらに小規模。春日部、越谷北、越ヶ谷の3 校が突出している。越谷南は志願者の増加で不合格者も増えているが、「私学に入学の可能性が高い併願受験生」は、せいぜいこの越谷南までの併願受験生だ。越谷東などから下の各校では、吉川を除いて併願受験生の入学は期待しにくい。このグループは昨年の後期合計で約300名の不合格者があったが、今年は200名余に減っている。不合格者の多くは今年も吉川で、高い人気だが、来春はパレットスクールに改編のため、人気が続くかどうかは未知数。
(3) 北部地区(旧第3~第7学区) 志願者総数も南部地区の4割の規模で、他地区と同じ基準で考えると志願者の増加が目立つ学校はない。強いてあげれば不動岡と深谷第一。その深谷第一は志願者の増加で、この地域では不合格者数が多い方だが、あとは不動岡、熊谷、熊谷女子、熊谷西が比較的多いだけである。併願受験生の入学がある程度期待できるのはせいぜいこの4校。深谷など「中の中」レベルから下の各校では、昨年同様不合格者がかなり少ない。

3.私立高校の入試変更

私立高校の入試変更一覧グラフ

私立高校入試の制度に大きな変更はなかった。ただ、公立が前後期を一本化したため、秋草学園や細田学園などでは後期の入試日程を公立の合格発表後とするなどの変更があった。学科・コース、クラスの改編は今年も多かった。
この他、淑徳与野が選抜A・Bコースの教科数を5教科から3教科にするなどの変更点があった。

 4.私立高校の志願動向

表は(株)エデュケーショナルネットワークアンケートによる志願者数の集計で、一部入試結果未公表の学校があることと、二次募集は含んでいない学校もあるため最終結果ではない。県内私立高校の志願者数合計は昨年より3,000件以上多い71,162件だった。埼玉大附属を含む公立中3生徒数は推定で昨年より約1,300名多い約63,100名で、この5年間では一昨年に次ぐ多さだが、志願者数合計は一昨年をかなり上回っている。
グラフは公立中3生の卒業予定者数、出願総件数、1人あたり出願数の変化であるが、1人あたり出願数の伸びは09年度を底にして上昇に転じ、今年も上昇が続いている。今年は公立に1回しか挑戦できなくなったことから、公立第一志望の受験生でも私立は「安全校」と「やや挑戦校」の両方を受験した受験生が増えたようだ。

私立高校の志願動向グラフ

各回合計の志願者数の増加が目立つのは、秋草学園、小松原女子、埼玉平成、栄北、栄東、狭山ヶ丘、自由の森学園、昌平、東京成徳大深谷、獨協埼玉、東野、 武南、星野(共学部)、細田学園、本庄第一、本庄東、武蔵越生、山村学園で、栄東は大学合格実績への期待だが、栄北や狭山ヶ丘も上位コースの増加が目立 つ。逆に、中堅やべーシックなコース、専門系などが増加しているのは国際学院、小松原女子、東京成徳大深谷、山村学園などだ。東京成徳大深谷は進学コース が共学化したことが大きい。この他、昌平と細田学園は昨年も志願者が比較的大きく増加しており、期待度が高い。一方、こうした県内私学の動きと一線を画し ているのが早大本庄・慶應志木・立教新座で、3校とも志願者数に目立った変化はなかった。この他、志願者が減っている私学もあるが、他県よりも目立たな かったのが埼玉私学入試の特徴だ。

情報提供:安田教育研究所

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