本郷中学校 入試対策
2025年度「本郷中学校の国語」
攻略のための学習方法
本郷中学の国語は、例年、選択肢設問を中心に構成されており、全体に占める選択肢設問の1つ1つの想定される配点も、かなり高いものがある。記述設問と違い、受験生が仕上げた答案に対する部分点などがないのが、正に選択肢設問である。本郷中で合格を勝ち取りたい受験生が国語科の入試でなすべきことは、選択肢設問での失点を最小化すること、できれば、この選択肢設問はパーフェクトで仕上げたいところである。
本郷中の攻略のために、なすべき学習法の一丁目一番地は、選択肢設問を得意にする学習法の確立である。ただ、これは、算数、理科、社会といった単元クリア型の科目の性質を前提にした学習法とは異なる意識を持つことから始めたい。選択肢設問での見極め方ややり方を学べば、翌日から完璧にミスすることなく、正答率100%を出し続けるような安易なものではないことは、よくわかっていることであろう。普段の読解演習、模擬試験、過去問演習などの機会の中で、トライ&エラーを繰り返しながら、選択肢設問を得意なものにしていく他に、攻略の道はないと言えよう。
選択肢設問で、得点が伸びない生徒さんがよくやることとして、選択肢の内容をすべて読み、各選択肢の文面全体が意味する内容が、最も当てはまるものを選ぶというやり方で、迷走しているパターンなどは、よく見られる例である。色にたとえるなら、グラデーションの濃いものを選ぶ、内容から見て、ちょっと違うところもあるけど、80%ぐらいは近いから正解にちがいないと思い込み、選ぶわけだが、もちろん、それは不正解なのである。
選択肢設問では、選択肢の文節や部位ごとに比較吟味することが根本ルールであると認識することからはじめよう。本文に書いていないことが、単語レベルでも、文節レベルでも、見つけたら、即消去すること、特に、選択肢の1つ1つを最後まで読まないこと、読めば、悩みの無限ループに入ると心得よ、と思ってもらいたい。これが、いわゆる消去法である。演習中に、試験中に、常に、この方法を心得て、見極める力を磨くことが攻略への道である。
また、本郷中の攻略にあたって、上記の選択肢設問の正答率アップは、不可欠の前提であると言えようが、失念してはいけないのは、記述設問対策である。記述設問に対する向き合い方は、この記述解答は、いくつの要素から成り立っているかの見極めが、設計図を書く上で、大切な入り口であると言える。本文中の、どことどこに、記述解答の根拠があるのか、要素をピックアップして、設問条件の字数以内になるよう、推敲に推敲を重ねることが必要。
選択肢設問にしても、記述設問にしても、どちらも、練度を高め、自分の腕前を上げていくより他に、合格を勝ち取る最短ルートはないと言えよう。受験国語は、実技科目とも言える性格、性質を有しており、受験生は、その点をよく自覚して、一朝一夕には実力は身につくものではないと、小さな自己肯定感で努力を放棄せず、謙虚に、腕前を磨いてほしい。
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2025年度「本郷中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
形式は選択肢設問がメイン。記述設問は、大問ごとに各1問。漢字の設問は、独立タイプとして1題目に出され、読みと書き取りがあわせて5問出題される。難度も高くはない。読解問題の全体の構成や問題数はほぼ一定で、小説文と論説文という組み合わせが中心。過去問演習を通し、パターンに慣れつつ、時間配分を意識して、余裕をもって臨みたい。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
① さわ ② 謝罪 ③ 絹 ④ 圧巻 ⑤ 修
【大問二】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
(問一)
接続詞の空欄補充 3つの空欄に対して6つの接続詞から選択。
空欄A…直前の「コントロールする仕組み」に対して、直後に「言語表現としても機能する『哭くこと』が要請され」とあり、ある話題からの続きを促進し、内容を展開させる、接続詞の「そこで」が、ここでは該当することになる。
空欄B…直前の「他者にも共感可能な」に対して、直後に「共同体にひらかれる」という内容に、言い換えし、まとめる働きの接続詞「つまり」が該当する。
空欄C…直前の「儀礼の中で禁止されるということがあまり見られない」に対し、直後に「徳之島では、愛惜歌というもの」とあり、具体的な例を示すときに用いる接続詞「例えば」が該当することになる。
(問二)
傍線部の中の言葉の言い換え表現や派生内容について確認してから選択肢の吟味にかかると良い。また、選択肢全体の文意を比較するのではなく、選択肢の文節や部位ごとに比較吟味することで、時間配分を意識した即断即決する力に寄与する。
本設問では、「直線的な時間の流れ」が、直前の「死という異常事態を正常な状態に戻していく時間の流れ」を指している。本文の主題である、「哭き歌」は、この「直線的な時間の流れ」に抵抗し、現実の日常に戻ることをこばむものである。
選択肢ア…「死者をこの世から追い出して」は、本文にはないので即消去である。
選択肢イ…「正常な過去の状態に戻そう」というものが「哭き歌」ではなく、正常な状態に戻ることをこばみ、抵抗するのが「哭き歌」なので、✕である。
選択肢ウ…「日常となっていくことを受け入れず」が、本文に該当している。
選択肢エ…「忘れ去られることを恐れる死者」も本文にはないし、「安心させよう」という文意は本文には認められないので、✕である。
(問三)
言語表現である「哭き歌」が、葬送儀礼の中で必要とされる理由は、傍線部に続く3つの段落にみられる。本文内容と選択肢の相互確認は、選択肢設問では不可欠。
選択肢ア…「感情の発散の目安を共同体内で共有」は、本文になく、即消去である。
選択肢イ…本文には、悲しみは「共同体の人々に共有されるような公的なもの」とあるが、「死別による悲しみの気持ちを公式に表明」という記載は本文にはないので、✕であると判断する。
選択肢ウ…「誰もが納得するように定めることができる」という内容は、本文には認められず、✕である。
選択肢エ…「哭き歌」は、悲しみを共有し、「感情的な発露をコントロールする」と本文にあることから、肢文の内容とも合致しており、正解である。
(問四)
空欄Bで始まる形式段落の末尾に、「哭き歌」が最終的にどんな役割を果たすのか、明快な説明が認められるので、字数条件を満たすよう、過不足なく、まとめたい。また、設問に「どのような役割」かを、指示しているので、「~役割。」で終える。
解答例…葬送儀礼の流れに抵抗しつつ、悲しみを調整し、共同体を正常な方向へと導く役割。[38字]
(問五)
空欄Cの形式段落の末尾の部分に、中国の少数民族イ族の側から見れば、「徳之島の人たちは、死者に取り憑かれた異常な状態」と見なされるが、その次の形式段落に「隣り合っているような近さで互いに交流しあう」という世界観のためである。
選択肢ア…「イ族は死霊を日常の生活から遠ざけ、関わりを断とう」は本文の内容に合致しているし、「日本の南島地域の人々は、死霊と生者とは互いに交流しあう関係」というのも、正に本文の内容通りになっている。
選択肢イ…「禍いをもたらす恐ろしいもの」という記載は本文にはないし、また、「別れの寂しさを紛らせるという習慣」も該当しないので、✕である。
選択肢ウ…「悲しみに区切りをつけ、乗り越えるため」が違うし、「生きていた時のことを思い出し、懐かしむため」も当然違うので、✕である。
選択肢エ…イ族が「切断線を引き」という内容は本文に認められないし、「人々は、この世とあの世は行き来することができる」というのも、✕である。
(問六)
傍線部の直後に、死者を思い起こす働きの「哭き歌」が、「死者に対する悲しみの表現」が「葬送儀礼の場でなくても表現可能な詩の表現」として自立しつつ、より優れた言語表現として創作しようという意識から、「挽歌」が創作されたのである。
選択肢ア…「長い期間死者と対話するように歌われる愛惜歌」という文意はなく、また、「想像して歌を創作する習慣」というのもないので、✕である。
選択肢イ…「声による言語表現を繰り返すことで悲しみの感情を高めていく」ものが、歌というものではないので、✕である。
選択肢ウ…日本には、「絶えず死者のことを思い出し、共にあろうとする」文化があるというわけではないので、✕である。
選択肢エ…「悲しみを、声による言語表現によって思い起こさせる」のが、「歌の持つ働き」であり、歌は「より豊かな言語表現として創作されるもの」であると考えている点は、正に本文の通りであると言える。
(問七)
「哭き歌」は、「アジアの共通文化」であり、「哭き歌」の延長に「挽歌」があり、現代短歌でも死者への愛惜は大きなテーマとなっており、源には「哭き歌」がある。
選択肢ア…「対比させながら日本の哭き歌の独自性について」述べているわけではないので、本文の構成に関する説明として適切ではない。
選択肢イ…本文の構成に関する説明として、正に合致している。
選択肢ウ…「歌の持つ役割」を「悲しみを乗り越える過程」からとらえているわけではないので、本文の構成に関する説明として適切ではない。
選択肢エ…「世界におけるアジア文化の特徴を説明している」わけではないので、適切ではないし、「日本独自の文化について持論」を述べているわけでもないで、本文の構成に関する説明として適切ではない。
【大問三】小説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:17分
- ★必答問題
(問一)
a「采配を振る」… 自ら先頭に立ち指図すること。
b「無邪気」… 素直でいつわりがなく、悪気がないこと。
c「勘ぐる」… 何か悪い方向にものごとを考えること。
(問二)
娘の千尋が大学進学を機にあっさり家を出てしまい、せっかくリフォームした家が広すぎて、ひとりきりだという感覚は、千尋の不在によるさみしさである。
選択肢ア…「努力が報われずに空しく思って」いるわけではないので、✕である。
選択肢イ…「いつもそばにあったものがなくなったようなさびしさ」は、娘の千尋の不在からくるさみしさであり、本文の内容に該当している。
選択肢ウ…「夫婦二人で暮らすには一戸建住宅は広すぎる」ので、「住み替えたい」と考えているような文面があるわけではないので、✕である。
選択肢エ…「夫は外出してしまった」から「孤独感をつのらせている」という因果関係があるわけではないので、✕である。
(問三)
この場面は、路子が昼食の片付けを終えて、ひと月ほど前に美容師に憐れむような顔をされたことを回想して、思い出した場面である。
選択肢ア…娘が親離れして、ひとり、家で何をしてよいかわからないむなしさは「生きる張り合いもない」心情に合致している。
選択肢イ…「自分を軽べつした彼女に腹を立てて」いるのではないので、✕である。
選択肢ウ…「仕事もない専業主婦の自分を不幸」とは思っていないので✕である。
選択肢エ…「自分の人生を後悔している」わけではないので、✕である。
(問四)
傍線部の直後に、「千尋は帰ってこないし、ゼリー型はなくなった」とあるところから、路子が、なぜ「気持ちが落ち込んで」いたのかを考える手がかりにしたい。
選択肢ア…「自分本位なふるまいに天罰が下った」は、ありえないので✕である。
選択肢イ…「娘への腹いせにゼリーを作って」いたわけではないので✕てある。
選択肢ウ…ゼリー型は「母や愛娘との思い出の品」であり、彼女らとの「つながり」までも失われたようで、気持ちが落ち込んでいるので、合致している。
選択肢エ…「むしゃくしゃした気持ちを解消する」ためではないので、✕である。
(問五)
傍線部の「苦笑したいような気分」について、この場面での路子の心情把握が大切であって、時系列を誤読して、間違いの選択肢を選ぶことのないように努めたい。
「苦笑」とは、言動や状況のおろかしさ、こっけいさに不快感や困惑を覚えながらも、笑うしかない事態に湧き上がる笑いのことである。
選択肢ア…「小言も言いそびれ」「笑って怒りをごまかそう」としているわけではないので、✕である。
選択肢イ…「大学生にもなって」「幼さにあきれ」という展開ではないし、「思わず吹き出し」が「苦笑」ということでもないので✕である。
選択肢ウ…「絵本を覚えていたことがうれしくて」とあるが、本文に該当する文面はなく、「まだ覚えていたのか、と意外にもなる」とあるので✕である。
選択肢エ…娘に捨てられたような気分であったところに、意外なことに、星の絵本を覚えていたことを知り、それまでの激しい喪失感の心理状態は、やや薄らぎ、ようやく「苦笑」に至ったわけで、本文の展開と選択肢の文面は合致していると言える。
(問六)
傍線部の前後の路子の心情をしっかり深掘りして、選択肢を読み比べる前に、心情把握した内容を言語化して、整理した上で、選択肢にあたりたい。この場面は路子が絵本を探すために千尋の部屋に入り、小物入れとなっていたゼリー型を発見し、泣くという展開であったが、娘の親離れで深い喪失感にあったところに、娘からの電話と星の絵本を覚えていた意外性によって、喪失感もやわらぎ、娘の部屋で母と娘を結び付けたゼリー型も発見できたことで、感情があふれ出て泣いたのである。
選択肢ア…しゃくりあげて泣いたことで、感情を発散し、わだかまりが消え、気分がすっきりしたという内容は、本文とも矛盾なく、合致している。
選択肢イ…「娘をうらむ気持ち」など、場面を問わず、描かれておらず、✕である。
選択肢ウ…「ゼリー型に気づけずにいたことが悔しかった」のではないので✕。
選択肢エ…「娘の門出を祝う気持ち」は、どこにも描かれておらず、✕である。
(問七)
記述設問では、答案全体として、本文の内容上からはたして、いくつのエッセンスで組み立てるのかといった見計らいがとても重要になる。傍線部のこの場面では、傍線直後の「母娘は和解したらしいと、これも安心した」と、妻の路子の視点での文面があり、これが1つ。さらに、傍線部の直前に「ほっとしたのだろう」とある部分にも着目したい。何にほっとしたのか。それは「坂上さん見つかった」ことにある。以上、2つのエッセンスを、1文でまとめると、以下のようになろう。
解答例…坂上さんが無事に帰ってきたことに加え、娘のために沖縄へ絵本を送るという話を聞いて、路子と娘も和解したと思い、安心したのだろう
学校配点の9点に対して、「坂上さんの無事の帰宅」3点、「絵本を送る話」3点、「路子と娘の和解で安心」3点という部分配点が予想される中、3つのエッセンスを過不足なく織り込みつつ、答案を完成させたい。
(問八)
傍線部Xまでの、夫の行動を整理すると、娘の千尋は自分が帰省しないことを母の路子にはメッセージで伝え、夫には電話で先に伝えていた点、夫は行方不明の坂上さんを探しに出ていった点の、2点は、しっかりおさえておく。その夫の態度から「逃げ出したのだ、私から」とうらみがましく思っていて、傷心の自分を置き去りにした夫には食べさせない、「全部自分で食べればいい」になるわけである。また、最終盤の傍線部Yに至る過程で、路子も落ち着きを取り戻し、夫のことも思いやり、心にも余裕が生まれ、これからの夫との生活の中に安らぎを見つけつつある。
選択肢ア…本文の展開と選択肢の文面に、大きな相違点はなく、合致している。
選択肢イ…ゼリー型を送れば、家族のきずなを取り戻せそうだと思っているわけではないので、✕である。
選択肢ウ…気持ちが落ち着いたのは、思いきり、泣いたからであって、夫の優しい表情を見たからではないので、✕である。
選択肢エ…自分が夫より多めにゼリーを食べることで、許すとか許さないとかの話の展開はなかったので、✕である。
攻略のポイント
設問内容は、文脈や要旨の把握と細部の理解を問う設問が主で、知識問題系の設問の出題は少ない。小説文の大問では、登場人物の心情理解、特に、場面ごとの心情の変化をきっちり追跡し、整理する力は、当然に必要となる。傍線部の場面をよく確認して、短期記憶のみで軽く判断せず、丁寧に、設問と文面の往復で、細部の表現や言い回しに留意することが大切。論説文の大問では、話題の内容理解、文脈の展開理解、段落構成や組み立てに重点がおかれ、文章の全体や文章の細部を見極める力がないと、答えられないような練られた設問が多い。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
本郷中学校の科目別
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