学習院中等科 入試対策
2025年度「学習院中等科の算数」
攻略のための学習方法
学習院中等科、算数の満点は100点、合格者平均点は例年7~8割程度。基本~標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題も含まれている。今年度は、各大問の後半にややレベルの中高い問題であった。グラフの読み取り問題などほぼ確実に出題される単元もあり、過去問およびその類題演習に大きな意味がある。試験時間は50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
毎年整数、小数、分数の計算が4題程度出題される。□を求める問題も含まれる。計算問題への対策としては、毎日5題~10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて頂きたい。□を求める問題も例年出題されているので、練習を十分に行って欲しい。
文章題
今年度は、小問として比と面積の計算・通過算・時計算、大問では旅人算が出題された。ここ何年かを見ると、小問としては、食塩水の濃さ、売買損益などの割合と比に関する文章題が、大問として速さに関する問題が頻繁に出題されている。速さに関する問題はダイヤグラムの読み取りと関連して出題されることが非常に多い。ダイヤグラムの読み取り問題の練習には時間をかけて取り組んで欲しい。
また、和と差の文章題(過不足算、つるかめ算等)、割合と比の文章題(仕事算、食塩水の濃さ、売買損益算、相当算など)の練習もしっかり行って欲しい。
数に関する問題
場合の数、数の性質、数列に関する問題が頻繁に出題される。今年度は、小問の中で数の性質に関して、大問では規則性に関して出題された。この分野の学習として、まず場合の数では順列・組み合わせ・カード並べなどいろいろなパターンの問題があるので、幅広く問題の練習を行って頂きたい。数の性質に関しては、昨年・今年と続けて出題された割り算のあまりに関する問題、約数の個数、素因数分解に関連した問題の練習を中心に学習すること。規則性に関する問題では、等差数列・群数列・三角数や平方数を利用する数表に関する問題の練習に力を入れて欲しい。
平面図形
面積や角度を求める問題は毎年出題されている。今年度は大問でおうぎ形の複合図形の求積問題が出題された。近年の出題を見ると、正多角形とおうぎ形による複合図形の求積なども見られる。この分野については、際立った難問はあまり見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。特に、図形の移動と相似など比を使った問題に力を入れて欲しい。今年度出題された30度-60度-90度の直角三角形に関する問題演習にも力を入れたい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
近年、立体図形の出題は見られない。過去には、水そうに水を入れた時の深さの変化に関する問題が出題された年度もある。ここでもグラフの読み取りが大きなポイントとなる。今後も水量変化とグラフについての学習に力を入れて欲しい。
グラフの読み取り
速さのグラフ(ダイヤグラム)は頻出である。また、水量変化のグラフについて出題された年度もある。この分野の学習には、特に力を入れて欲しい。
条件整理
近年頻繁に出題されている。今後も出題される可能性が高く、しっかり対策しておきたい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談してもらいたい。
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2025年度「学習院中等科の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が4題、小問4題、大問が4題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。すべての小問数20で多くはないので、50分という時間があれば落ち着いて取り組むことができるはずである。慌てることなく落ち着いて取り組んで欲しい。高得点での戦いになるほどミスは禁物になる。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)整数の四則演算
(2)小数の四則演算
(3)分数の四則演算
(4)□を求める問題
例年通り大問1は計算問題4題であった。確実に正答したい。慌てることなく計算し、見直しも行って欲しい。
【時間配分目安:8分】
【大問2】小問集合
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)
比と面積の計算
横の長さを①とすると、たての長さが➄、合計の⑥が24㎝となる。⑥は48㎝でないことに注意。
(2)
通過算
まずは時速を秒速に変換すること。時速108km=秒速30m。45秒で進んだ距離が、電車の長さとトンネルの長さの和になる。
(3)
時計算
4時に長針と短針の作る角の大きさは120度。長針が短針を追い越し、両針の作る角が30度になればよいので、(120+30)÷5.5を計算すること。
(4)
数の性質
約分する前の分数の分母を⑦、分子を②とすると、⑦+5:②+4=3:1となる。(⑦+5)×1=(②+4)×3より、①を求めること。
例年通り、大問2は小問集合。いずれも問題集等でよく見かける典型題。速さに関する問題から2問出題されていることが特徴的。できなかった問題に関しては、テキストの例題や基本問題に戻って、基本の確認をしっかり行うこと。
【時間配分目安:8分】
【大問3】規則性(数列)
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)
第①グループ(15)、
第②グループ(15、14)、
第③グループ(15、14、13)・・・
第⑮グループ(15、14、13・・・・3.2,1)と考えることができる。
従って並んでいる個数は、1+2+3+・・・・+13+14+15より、120個。
(2)1+2+・・・・・13=91より、100番目の数は第⑭グループの9番目の数で7となる。
(3)同じグループ内で3つの数の和が37になることはあり得ないので、グループをまたがった3つの数となる。その場合15と14は必ず入るので、もう一つの数は8となる。
規則性(数列)に関する出題。グループごとに切って、第○グループの□番目のように考えることがポイントとなる。群数列は等差数列と並んで入試で取り上げられる頻度が高い。同タイプに問題はテキストや問題集で取り上げられているので、しっかり練習して欲しい。
【時間配分目安:8分】
【大問4】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 角CODが30度なので、12×12×3.14×1/12を計算すればよい。
(2) 30度-60度-90度の直角三角形では、一番長い辺と一番短い辺の長さの比が2:1になることを利用する。三角形OCEの底辺をOEとすると、高さは12×1/2より6㎝となる。従って、6×6×1/2より、18㎠。
(3) 三角形OAB・三角形OBC・三角形OCEの面積の和から、三角形OAEの面積を引けばよい。三角形OABと三角形OBCの面積は、30度-60度-90度の直角三角形を利用すると、底辺が12㎝・高さが6㎝の三角形となるので、面積は36㎠。従って、36×2+18-36より、54㎠。
平面図形についての出題。(2)(3)では、30度-60度-90度の直角三角形の辺の比がポイントとなる。中学入試頻出の内容なので、実戦で使えるように演習をしっかり行って欲しい。面積計算問題の中に出てくる30度、45度、60度、150度などの角度に対して敏感になることが大切である。
【時間配分目安:8分】
【大問5】旅人算とグラフ
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)初めの28.8分間で弟が進んだ距離は、54×28.8より1555.2m。この間に兄が進んだ距離は、4320-1555.2より2764.8m。従って、2764.8÷28.8より、毎分96m。
(2)兄が初めてAB間を往復するのにかかる時間は、4320÷96×2より90分。84分から90分までの6分間に進んだ距離は、576m。弟が初めてA地点に着くまでにかかる時間は、4320÷54より80分。80分から84分までの4分間に576m進んだことになるので、576÷4より毎分144mとなる。
(3)弟が初めてBに戻るのは、4320÷144+80より出発してから110分後。132.5分後にA地点に戻ったので、戻るときの速さは、4320÷(132.5-110)より毎分192m。110分後の兄と弟の間の距離は、4320-96×(110-90)より2400、従って、2400÷(96+192)+110より、118分20秒後となる。
本校入試では頻出の旅人算とグラフについての出題。グラフの読み取りと速さ・旅人算の基本的な計算ができれば正答可能だが、弟の速さが変化するために、条件の整理が重要になる。なお、(2)以降はダイヤグラム内の相似形や比の利用で解き進めることも可能である。相似形を利用する解答にも是非はチャレンジしてもらいたい。
【時間配分目安:8分】
【大問6】場合の数
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)実際に作業をして確認すること。3通りしかないので、苦労せずに確認可能。
(2)真ん中上下にとがった部分があるので、ここにおくパネルは確定できる。残りは左右の正六角形なので、2×2より4通り。
(3)実際に作業を通じて確認することは困難。図の模様の白い正三角形と黒い正三角形の個数を、それぞれの図において確認してみると、図6と図8は白の個数と黒の個数がことなっているので、これをパネルで敷き詰めることは不可能である。それ以外の図では白と黒の個数が一致するので、敷き詰めることは可能であると判断できる。
場合の数についての出題。(2)では図の特徴をよく見ること。(2)(3)で実際にパネルを並べる作業に時間をかけることは避けたい。(3)の判断に迷った場合は、深追いすることなく、他の問題の見直し等に時間をかけた方が賢明である。
【時間配分目安:10分】
攻略のポイント
前半は計算問題と小問の集合で、後半に大問が4題という例年同様の構成。大問1の計算問題は基本的なもの。大問2の小問集合は、比と面積の計算・通過算・時計算・数の性質の4題で、いずれもテキスト等で見かける典型題であった。大問は規則性(数列)・平面図形・旅人算とグラフ・場合の数の4題で、規則性・平面図形・旅人算とグラフについては、昨年も大問として出題されている。
本校攻略のポイントとしてまずは苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることがあげられる。過去に頻繁に出題されているダイヤグラムや水量変化などのグラフの読み取りに関する問題、平面図形(図形の移動を含む)などには特に力を入れて学習して欲しい。
問題に取り組む姿勢として、計算問題、小問集合、および各大問の前半で、ミスすることなく確実に得点することが大切になる。
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