聖光学院中学校 入試対策
2025年度「聖光学院中学校の算数(帰国生入試)」
攻略のための学習方法
本校の帰国生入試と2月入試を比較してみる。問題の全体的な難易度は、帰国生入試の方が若干易しいが、2月入試レベルの問題も少なからず出題されている。また平均点を見ると、易しめの問題は正解して当たり前という状況である。結局のところ、2月入試に対応できるくらいの実力が要求されると考えた方がよいだろう。
問題の傾向や出題されやすい分野は、帰国生入試と2月入試で大きな差は見られない。2月入試と同様の対策が、帰国生入試でも有効である。
本校の入試問題は、帰国生入試、2月入試ともに良問が多いので、帰国生入試のみを受験する場合であっても、2月入試の過去問に積極的に取り組むとよい。
・割合・速さなど文章題の対策
本校の入試問題は、問題文が長く複雑なので、図や表などに整理してから考えることになる。普段の学習から、図や表を面倒がらずに書いて慣れておくことが大切である。くれぐれも、「白紙の状態で頭をかかえているだけの状態」や「いきなり式だけを書きなぐって、自分で何を求めているのか分からなくなる状態」は避けたい。
・場合の数の対策
場合の数は、実力をしっかり見極めようという作問者の意図を強く感じる問題が多い。中途半端な理解の受験生は、難問ではない問題であっても誤答へと導かれてしまう。なんとなく解くのではなく、考え方や解き方をきちんと説明できるようにしておかなければならない。また、別の解法で解くことが可能かどうかも検討しておきたい。
・平面図形の対策
様々なタイプの問題が出題されているが、単純な問題は少なく、独創的な問題やあらゆる視点から考えなければならない問題が多い。経験による差が出やすい分野なので、多くの問題に触れておく必要がある。
・立体図形の対策
高難度の問題が少なくないが、難しすぎる問題はあまり出題されていない。独創的な問題もよく出題されており、真の実力が問われる。難易度設定が絶妙な問題が多く、差がつきやすい。過去問を含めて、十分な学習をしておく必要がある。
苦手な受験生にとっては厳しい分野であるが、少なくとも標準レベル(本校の基準ではなく、一般的な意味での標準レベル)までは正解できるようにしておく必要がある。
・過去問について
本校の入試問題は、難易度の設定や独創性のバランスが優れており、良問が多い。過去問については、市販されている最新版に取り組むのは当然だが、可能であればもう少し前の問題に取り組むのもよい練習になる。
・解答形式
男子難関校では珍しく、大部分の問題は答えのみを書く問題である。答えのみを書く問題では、1つのミスが大きな影響を与えることになる。正確に答えを求めることに注意をはらって学習に取り組むともに、途中でミスに気付く慎重さも身につけておきたい。
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2025年度「聖光学院中学校の算数(帰国生入試)」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
昨年度の問題より難化している。このため、今年度の平均点は、100点満点中、受験者平均点が50.0点、合格者平均点が71.5点と昨年度より低下した。
解きやすい問題と解きにくい問題がはっきりしており、解きやすい問題を落とすと挽回は難しい。試験時間は60分。高難度の問題がいくつか存在するので、時間配分と問題の取捨選択には注意したい。
【大問1】計算と小問
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1)は計算問題。確実に正解すべき問題である。
(2)では、三角形ABCを90度回転させるときに、辺ACが通過する部分の面積を求める。
(3)は食塩水の問題。ややひねりのある問題だが、本校受験生のレベルを考えると正解しておきたい。
<時間配分目安:7分>
【大問2】つるかめ算、不定方程式
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
つるかめ算、不定方程式の典型的な問題。解法が定着していれば、難なく正解できる。
(1)は、つるかめ算の基本問題。
(2)は不定方程式の問題で、答えが1つに定まる。
(3)は3種類のつるかめ算で、不定方程式に帰着される。
<時間配分目安:7分>
【大問3】規則性
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
規則性と数の性質の融合問題。問題文に書いてある操作をくりかえす問題。解きにくい問題である。
(1)は、問題文を理解できているかを確認する問題。問題文通りに作業をくり返せばよい。
(2)は操作②を実行する状況について考える問題。数の性質から理論的に考えるのが本来の解法と思われるが、地道に調べてみることで解答にたどり着くこともできる。
(3)では、操作を66回繰り返したときにできる数の桁数を求める。かなり解きにくい。
<時間配分目安:15分>
【大問4】速さ
- 難度:やや難
- 時間配分:17分
- ★必答問題
流水算の問題。ダイヤグラムを書かないと考えにくい。
(1)では船Pがエンジンを止めていた時間を求める。船Qに関する情報から、船の速さを求めることがポイント。
(2)は、船Pがエンジンを止めた時刻の範囲を考える問題。つるかめ算に帰着させてもよいし、ダイヤグラムのみで解いてもよい。
(3)では、船Qが停泊する時刻の範囲を考える。ダイヤグラムを見ながら、細かく分析する必要があり、容易には答えにたどり着かない。
<時間配分目安:17分>
【大問5】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
立方体を3回切断してできる立体Vについて考えていく。
(1)は立体Vの形状についての問題。図形を正確に捉えることができているか問われている。
(2)は立体Vの体積を求める問題。この立体を断頭三角柱と考えると解きやすい。
(3)は、立体Vをさらに切断したときの切り口についての問題。この問題は難しくない。
(4)は立体Vを回転させたときに通る部分の体積を求める問題。(1)~(3)に比べると、かなり難易度が高い。
<時間配分目安:12分>
攻略のポイント
【大問3】以降の難易度を考えると、【大問1】【大問2】は全問正解が強く望まれる。見直しもきちんと行っておきたい。
【大問3】以降は、どの大問にも難所が存在している。とはいえ、どの大問も最後の設問を除けば、難所はあまりない。まずは、各大問の最後以外の設問には手をつけることが重要である(時間配分に注意)。最後の設問は、あれこれ手を出すより、解けそうな問題(1問程度?)にしぼって取り組んだ方がよいかもしれない。ほとんどの受験生にとって、難問を深追いするより、得点できる問題を確実に得点していく方が優先度は高い。
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