医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

千葉大学医学部の傾向と対策

物理(2012年)の傾向と対策

学部別に解答する大問が異なりますが(そのため下記の大問番号が順番通りになっていません)、医学部では例年力学と電磁気から各1題、他の分野から1題の出題となっています。一部選択式もありますが記述式で描画問題、論述問題、数値計算問題と出題形式も多岐にわたっています。医学部の問題はやや複雑な設定の出題もありますので標準からやや難易度の高い問題まで十分演習することが必要となっています。また実験を題材とした出題もありますので、数値計算やグラフの読み取り、グラフ作図問題などの対策も不可欠となっています。

センター試験900点、二次試験1000点の配点となっており、二次試験の理科2教科で120分300点の配点となっています。ここ数年、物理の大問数は3題となっており、合格最低点が1900点中、2012年度が1373点となっています。年度によって差はありますが、合格するためには2次試験の物理で7~8割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

2012年度の大問別テーマは、大問2で円板上のバネに付けられた小球に働く遠心力、摩擦力、単振動などの問題(力学)。大問4でRC直列交流回路などの問題(電磁気)。大問8で回折格子による光の干渉、光の色と波長との関係などの問題(波動)となっています。
本年度の問題は論述問題4題、数値計算2題も含め全体的に分量が多く、60分で解くためにはスピード力も試されているかと思いますので、多くの問題演習を繰り返すことで瞬発力を身につけることがとても重要になっています。

大問2では問2,3,4,5で毎回設定が異なっていますので、落ち着いて条件を読み取ることが重要となります。また問2(2)で小球が等速円運動をしない理由を40字程度で説明する問題が出題されています。
大問4では交流回路における電流や電圧の位相の変化をしっかり把握できたかがポイントとなっています。論述、数値計算問題も含めた難しい問題で、かつ交流回路を苦手とする受験生も多いので差がついた問題になったかと思われます。
大問8では現象について説明する論述問題が2題出題されています。他の問題は標準的な問題となっていますので素早く処理したいところです。

2011年度は、大問2でバネにつながれた物体系の運動と衝突などの問題(力学)。大問4でホール効果・電気抵抗モデルなどの問題(電磁気)。大問8でドップラー効果、風と平行および垂直な方向への音の電波などの問題(波動)となっています。
全体的にやや難易度の高い問題だったと思われます。大問2では合体後は単振動の中心が変わることをしっかり把握できていたか、大問4では80~120字の論述問題が出題され上手にこの文字数におさめることが出来たかがポイントとなっています。

2010年度は、大問2で単振動、等加速度運動などの問題(力学)。大問4で静電場、静電誘導などの問題(電磁気)。大問6で気体分子運動量、運動量と力積、断熱変化などの問題(熱力学)となっています。
大問2、6で近似計算が出題され、大問4で空欄補充形式の出題があったのが本年度の特徴となっています。また一般的に熱力学分野は出題される題材のパターンがそれほど多くありませんので、熱力学第一法則を中心に土台をしっかり理解していれば点数を計算できる分野だと思います。苦手な受験生は「橋元流解法の大原則2(学研)」を何度も読みこなすことをお勧めします。

以上、力学、電磁気を中心にやや設定が複雑な難易度の高い問題まで出題されるのが本校の大きな特徴となっています。試験時間に余裕もなくグラフ作成などの描画、論述、数値計算なども出題されることを考慮すると、本物の物理力がないと太刀打ちできないでしょう。
まずは基本原則、原理、公式の意味をしっかり理解することからはじめたいところです。やみくもに問題を解いてもなかなか物理力が上がらないと思いますので、自分が分かりやすいと思った参考書を丁寧に読むことが大切になります。そして公式が表す物理的な意味や現象の起こる理由を普段から意識して考え説明することが重要で、その説明する練習が本校の論述問題対策にもつながっていくと思います。

最後に具体的な学習法としては上述した『橋元流解法の大原則1・2』(学研)や『物理のエッセンス』(河合出版)などを丁寧に読みこなすことが重要となります。そして典型問題を『セミナー物理』(第一学習社)などで練習し、『物理重要問題集』(数研出版)で標準からやや難易度の高い問題をじっくり繰り返し演習しましょう。加えて『名問の森 物理』(河合出版)の力学、電磁気だけでも演習できると強いと思います。問題を解いていてよく分からなかったところは参考書に立ち戻って、一つ一つ納得しながら進めていくことが重要となります。最後は過去問演習を通して時間配分に十分慣れて本番に臨みましょう。

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