医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

杏林大学医学部の傾向と対策

化学(2014)の傾向と対策

  2014年度は分量も少なくなり、基本問題がほとんどとなり合格のためには9割前後の正解率が要求されたかと思います。2011年度から試験時間が1科目当たり10分短くなり50分となったこともあり2012年度も分量もやや減少し、難易度も大幅に易化しました。2013年度だけ分量が増えたのですが、また元に戻りました。

  2008年度以降は形式もマーク式となり、それまで散見された難問も大分少なくなってきた背景もありますので、過去問演習をする際は2008年度以降の分で十分と言えるでしょう。ただし答えを全て選ぶ形式であるため、その点の注意と慣れは必要となります。例えば文章正誤問題において10コの選択肢から正しいものを全て選ぶ形式などが過去にあります。

  2014年度は、大問1で燃料電池、電気分解の頻出問題。電気分解は電解液がブランクな点だけ多少思考力が必要でしたが、他は基本問題でした。大問2はクレゾールからサリチル酸の生成及びアセチルサリチル酸、サリチル酸メチルやグルコースを中心とした有機化合物の基本問題。大問3で陽イオンの系統分離でこれも基本かつ頻出問題となっています。

  上述した通り基本問題ばかりであまり差がつかなかったと思いますので、来年度以降は反動で難化する可能性もあるので、この年度の過去問で慢心することはないように注意しましょう。

  2013年度は、大問1でアルミニウムなど金属元素の無機問題。大問2で脂肪族の構造決定の有機問題。大問3で気体の法則、化学平衡の理論問題となってい ます。ここ数年の中では多少難しく計算問題も多い点に注意が必要になります。また本校の頻出分野として無機・有機分野とも化学平衡、電離平衡は徹底的に演 習することが不可欠となります。

  2012年度は、大問1で化学基礎知識の集合問題となっており、文章の空欄にあてはまる用語、例えば金属元素、典型元素、錯イオン、配位子、共有結合などを選択するなどの問題。大問2で酢酸の電離平衡に関する問題。大問3で酸化還元に関する問題。大問4でベンゼンを起点とした反応経路を題材にした有機化学の問題となっています。

2011年度は、大問1でハロゲンの性質と反応などの問題。大問2で芳香族化合物の分離、有機化合物の反応、逆適定などの問題。大問3で電解質の水溶液の浸透圧などの問題。大問4酢酸エチルの加水分解の反応速度に関する問題となっています。標準的な典型問題がほとんどとなっており、マーク式であることも含め取り組みやすかったと思われます。

  2010年度は、大問1で芳香族化合物の反応、エステルの加水分解などの問題。大問2で塩素の発生法と塩素を含む化合物の性質など無機化合物の問題。大問3で緩衝液とpHなどの問題。大問4で気体の状態方程式と気体の溶解度に関する問題となっています。エステルの構造決定が出題されていますが、有機化合物の構造決定は本校の頻出問題なので十分演習を繰り返しましょう。

以上、本校の傾向はここ数年、非常に取り組みやすく変化してきている点に大きな特徴があります。したがって標準的な典型問題を繰り返し演習しスピード力を身につけること、文章正誤問題などマーク式の問題形式に慣れること、脂肪族を中心に有機化合物の構造決定問題対策を十分積むことが重要となります。また有機化合物の名称も複数ある物質に関しては両方の名称で覚えておくことも大切となります。マーク式の選択肢でマイナーな名称で載る場合もあるので、その点注意が必要となります。

  最終的には2008年度以降のマーク式の過去問演習を通して本校の難易度を肌で感じつつ時間配分に慣れることが非常に大切になります。加えて余裕があれば他の医学部のマーク式問題にも取り組んでおくと更に強みになるでしょう。

  最後に具体的な学習法としては「セミナー化学(第一学習社)」、「化学重要問題集(数研出版)」などをどれだけ繰り返せるかが勝負となります。繰り返すことで知識を確実なものとし、典型的な問題を瞬時に解ける力がまず絶対不可欠となります。またセンター試験を受けない受験生もセンター試験の過去問演習をすることも効果的となるでしょう。

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