医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

横浜市立大学医学部の傾向と対策

物理(2012年)の傾向と対策

力学、電磁気から各1題と熱力学もしくは波動から1題という出題で全て完全論述形式となっています。2007~2009年度は波動分野から、2010・2011年度は熱力学分野から出題されましたが、2012年度は波動からの出題となっています。近年標準的な問題で見慣れた題材からの出題が多くなっていますが、以前には物理的思考力を要求する見慣れない状況設定の問題もありますので、対策として標準問題からやや難易度の高い良問をじっくり演習しておくことが重要となります。また2012年度のように作図・描画問題も出題されますし、証明問題、どんな現象・変化が起こるか、なぜそのように考えるかなどの論述問題、基本事項を説明する論述問題など多方面から受験生の本物の物理力を試す良問が多く出題されていると思います。

センター試験900点、二次試験1300点の配点となっており、二次試験の理科2教科で180分400点の配点となっています。試験時間が長いことも本校の大きな特徴となっていますので、普段から持続的な集中力、いわゆる勉強体力をしっかり作っておくことが絶対不可欠となります。2次試験初日に他の数学(120分)、英語(90分)あわせて6時間半の長丁場となります。ここ数年、物理の大問数は3題となっており、合格最低点が2200点中、2012年度が1562点、2011年度が1536点となっています。年度によって差はありますが、合格するためには2次試験の物理で7~9割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

2012年度の大問別テーマは、大問1で小球と箱型台の連続衝突などに関する問題(力学)。大問2で磁場中で回転する金属棒に生じる誘導起電力などに関する問題(電磁気)。大問3で光の進み方に関する総合問題などに関する問題(波動)となっています。
2011年度と比較して分量も増加し、難易度も高くなっています。

大問1では連続衝突に関しては、運動量保存則とはね返り係数の式の2つを連立して解くのが一般的な解法だと思います。一般論として、衝突の問題は頻出テーマなのですが、一つ一つの物体は決して運動量は保存してなく、2つの物体間の及ぼしあう力が作用反作用の法則で打ち消しあうため、全体(系)としては運動量が保存するという基本原則をしっかり理解した上で解く必要があります。原則の本質を気にせず機械的に衝突=運動量保存と解いていると応用問題に対応できないかと思います。このような機械的解法を重要テーマの多くに当てはめていると、上位校には太刀打ちできないでしょう。

大問2では磁場中で金属棒が斜めに設置してあるので多少戸惑うかと思いますが、原理原則に立ち返って題意にあわせて慎重に解く必要があるかと思います。

大問3では光の屈折に関して図示して幾何学的な計算をすればよく、確実に得点したいとことです。光の問題は数学的な処理が迅速にできるか否かが重要となります。

2011年度の大問別テーマは、大問1で衝突、支点の動く振り子など(力学)。大問2で電磁場中における荷電粒子の運動など(電磁気)。大問3で3室に仕切られた気体の状態変化など(熱力学)となっています。
全体的に標準的な問題となっていますので、取り組みやすかったと思われます。大問1では運動量保存、大問3では状態方程式、熱力学第一法則をしっかり立式することが重要になります。

以上、本校の物理は力学・電磁気を中心に標準的な問題に加えて思考力を要する問題、グラフや図などを作成する問題、時として煩雑な計算問題や論述問題などが出題されるのが特徴となっています。見慣れない状況設定の問題やなぜそのようになるのか、現象や語句を説明する論述問題など物理の本質を理解しているかを問う問題も散見されています。このような本質を問う問題を攻略するためには、普段から問題が解けた後に、その現象の持っている意味を深く考察する、複数の解法でアプローチするなどの姿勢が重要になるかと思います。

ただしまずは標準的な典型問題を幅広く繰り返すことで、基本から標準問題で失点しないという戦略が現実的になるかと思われます。また本校は完全論述形式となっていますが、解答欄には考え方や式はしっかり書いて、その途中計算は解答欄には省略して見やすくまとめることが大切になります。普段から意識して練習しておくことが不可欠となります。

最後に具体的な学習法としては「物理重要問題集(数研出版)」、「良問の風(河合出版)」をどれだけ繰り返し演習できたかが勝負となります。加えて余裕がありましたら「名問の森 物理(河合出版)」から力学、電磁気だけでも解くと強いでしょう。また参考書としては「物理のエッセンス(河合出版)」をお勧めします。これを受験のためというより、知的好奇心から読書的に読みこなすことができるような物理脳ができたら本校物理を結果的に攻略できるようになっているでしょう。

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