医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

東京慈恵会医科大学医学部の傾向と対策

化学(2014年)の傾向と対策

2011,12年度は思考力を要する計算問題が減少しました。同時に全体の難易度も数年前と比べると多少取り組みやすくなっています。しかし13年度は難化し問題量も非常に多かったのですが、14年度は易しくなりました。理科2教科で120分の試験時間で例年大問4題の出題となっており、年度によって差はありますが7~8割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

2014年度は、大問1でポリ塩化ビニルに関する総合問題として、ポリ塩化ビニルの単量体、合成法、プラスチックの可塑剤、副反応生成物の構造決定、大問2でベイゾイン縮合を題材にした総合問題として、ベイゾイン縮合の生成物、尿素の構造、銀鏡反応に関する論述、蒸留装置の誤りについての論述が出題されています。

本校の有機分野では有機化合物に関する知識だけが問われるのではなく、推理力や思考力も要求されていますので、知らなくてもあわてないように心掛けておくことも大切になります。なるべく知識を増やした上で、この推理するタイプの問題にも十分慣れておくことが重要となります。また実験操作についても深く考察しておく必要があります。

大問3でケイ素に関する総合問題として、ケイ素の製法と熱化学方程式、シリカゲルの製法、ケイ酸の組成式が出題されています。大問4で硫黄に関する総合問題として、天然ゴムと加硫、硫酸の製法、鉛畜電池、硫化水素の電離平衡と硫化物の溶解度積についての論述が出題されています。

本校の理論と無機分野は約半分の出題ウェイトを占めているのですが、無機化学に関する知識は可能な限り増やしておくことが必要になります。

  2013年度は、大問1でキセノンの反応に関する問題。大問2で肺胞での酸素分圧に関する問題。大問3で高分子化合物、大問4でタンパク質についての記述問題を中心とした有機化合物の問題となっています。
この年は目新しい題材など難易度も高く、分量も多い出題となりました。

2012年度は、大問1で二酸化炭素に関する総合問題。大問2でアルミニウムに関する総合問題。大問3でハロゲンに関する総合問題とデスフルランなどの吸入麻酔薬の問題。大問4で脚気とビタミンB1、サルファ剤の問題となっています。

2011年度は、大問1で金属イオンを題材にした酸化還元、マンガン電池、溶解度積、CODなどの融合問題。大問2でダイヤモンドの結晶構造やコロイドの性質に関する問題。大問3で芳香族ジエステルの構造決定に関する問題。大問4で合成高分子化合物に関する問題となっています。

2010年度は、大問1でイオン交換膜法などを題材にした電気分解の問題。大問2で銀イオンの溶解度積と化合物の性質に関する問題。大問3で脂肪族炭化水素の立体構造をエネルギーの側面から捉える問題。大問4でカルボニル化合物の反応に関する問題となっています。

以上、本校の傾向は理論と有機を中心に全体的に新しい題材を用いた問題、それに伴う長いリード文も特徴となっています。年度によって煩雑な計算問題、記述問題もあり、相当な準備が必要となります。

最後に具体的な学習法としては「化学重要問題集(数研出版)」と「化学Ⅰ・Ⅱの新演習(三省堂)」などをどれだけ繰り返せるかが勝負となります。繰り返すことで知識を確実なものとし、典型的な問題を瞬時に解ける力がまず絶対不可欠となります。現役生も夏までには全範囲を終わらせたいところです。また参考書としては「化学Ⅰ・Ⅱの新研究(三省堂)」をお勧めします。

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