医大・医学部受験プロ家庭教師 東京医科大学 化学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

東京医科大学 化学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)の特徴

最新の出題範囲として、大問5問の大まかな内訳は、理論・無機・有機分野混合型が1問、理論分野2問、無機分野1問、有機分野1問、というものである。他校と比べると、少し理論分野が多いようにも思えるが、それほど偏りが大きいとまではいえないだろう。やはり、全分野をしっかり準備しておく必要がある。詳しい内容については、後述する。

出題量と時間配分

最新の時間配分は、2科目で、120分である。ということは、化学のみに対しては、60分である。大問は5問構成であるので、1問当たり12分程度ということになる。そして、後述するように、各大問の下には、4~8問の小問がある。これらの小問に対して、上記の12分程度を割り振っていくことを考えれば、時間的に余裕はないといえよう。
もっとも、試験というものは、難易度やボリュームの異なる各大問の特長を、素早く把握し、比較的解きやすいと判断した問題から解いていき、解くたびに、残りの問題に対して、残りの時間を再配分しながら、解き進めていくものである。また、出題する方も、その辺りのことを十分に考慮の上で、難易度の異なる大問を、複数出題している。受験生としては、過去問演習を通して、比較的解きやすい大問を素早く見つける練習もすべきであろう。

出題形式の特徴

最新の出題形式として、大問は、5問構成である。
そして、第1問は小問5問構成、第2問は小問4問構成、第3問は小問8問構成、第4問は小問6問構成、第5問は小問6問構成である。また、問われ方としては、第1問は、小問5問全てが、6つの選択肢から成る正誤問題である。内容の分野は、理論・無機・有機分野が入り混じっている。この第1問の出題形式は、本校の特長である。
第2問は、数値を使った計算問題である。
第3問は、はじめに11個の反応を示し、その後の小問8問で、いろんな性質ごとに、11個の反応を分類させる問題である。このタイプの問題も、本校の特長だろう。
第4問は、有機分野の構造決定問題と計算問題が混ざった問題である。
第5問は、浸透圧の知識を問う問題と計算問題が混ざった問題である。
前述したように、第1問や第3問のような問題が、本校の特長と思われる。

解答形式の特徴

最新の解答形式は、記述式ではなく、マーク式である。
第1問は、正誤問題である。正しい選択肢を一つ選ぶ問題であるが、「全て間違っている」という選択肢もあり、受験生を迷わせる。難易度は高い問題である。
第2問は数値計算問題であり、正しい数値を選択する形式である。
第3問は、ある性質に該当する複数の反応を選択する形式である。
第4問では、マーク式であるから、有機化合物の構造式を実際に書くことはないが、正しい構造式を選択しなければならない。
第5問では、浸透圧について、正しい知識を問う形式や、計算問題の形式となっている。

攻略のポイント

まず、最新の出題内容から、検討する。
第1問は、小問5問全てが、正誤問題である。各小問内の選択肢は、理論・無機・有機の各分野が混ざった形式になっている。そして、各選択肢の文章は比較的長く、簡単には答えが出ない問題も多い。難易度は高いといえるだろう。全分野の幅広い知識の習得に努める必要があるだろう。

第2問は、シュウ酸二水和物の中和滴定に関する問題である。具体的には、シュウ酸の濃度、水酸化ナトリウム水溶液の濃度、希硫酸の濃度、中和熱、などが問われている。本問は、極めて標準的な問題である。絶対に落とせない問題だったといえる。

第3問は、気体の製法と性質に関する問題である。具体的には、11個の反応に対して、酸化還元反応、脱水反応、特定の気体を発生させる反応、捕集方法が下方置換である気体を発生させる反応、同じく水上置換である気体を発生させる反応、などを選択させる点が問われている。11個という多数の反応が対象であることから、時間がかかることになるので、それほど易しい問題とはいえない。ただし、個々の反応は、医学部受験生であれば、知っているものばかりであろう。落ち着いて解きたい問題である。

第4問は、二重結合の開裂反応等に関する問題である。具体的には、生成物やその性質、ソーダ石灰に吸収された気体の質量、凝固点の温度、発生する気体名やその体積、生成する有機化合物の構造式、などが問われている。有機分野と理論分野の内容が、融合された大問である。また、出てくる有機化合物の種類の数が、通常の問題よりも、多いように思われる。そのため、時間的に厳しい問題といえるだろう。本問も、内容のレベルは、標準レベルといえる。マルコフニコフ則やザイツェフ則は、医学部受験生であれば、知っているだろう。ただし、繰り返すが、有機化合物の数が多いので、速い処理能力が試されるであろう。

第5問は、浸透・浸透圧に関する問題である。具体的には、複数の区画を有する実験において、白色沈殿を生じた混合物がある区画、気体を発生する混合物がある区画、青紫色の呈色をする混合物がある区画、デンプン水溶液の浸透圧、デンプンの平均分子量、デンプンをアミラーゼで分解しマルトースにするときに消費される水の物質量、などが問われている。浸透圧の分野は、比較的、出題頻度は低いといえるが、それでも出題されているのだから、全分野の偏りのない準備が必要といえるだろう。

全体としては、やはり、標準レベルの問題集を、繰り返し解き、完成させることが大事である。本校の場合、速い処理能力を試されているので、試験中に迷っている時間があればあるほど、厳しいものになる。正確な知識を持っていれば、速く対応できるようになる。そのためにも、まずは、標準レベルの問題集を完成させて、それから、難問問題集に挑戦しよう。

推奨テキスト

まず、良い問題集とは、少なくとも、次の2点を満たしているものである。すなわち、①解説が詳しいこと。解説がある程度詳しくなければ、自習ができない。これは、問題演習の効率を、著しく低下させる。次に、②ほぼ全ての分野の内容を網羅していること。網羅性の低い問題集は、完全に解き終えたとしても、穴が多く残っているものである。以上の2点に注意して問題集を選べばよいが、勿論、完璧な問題集というものは、存在しない。上記2点に注意しながら、後は、自分の好み・相性も大事にして、決めることになるだろう。

(1)『化学の新研究:三省堂』

やはり、この参考書は外せない。難関大学合格を目指す化学選択者にとって、これほど、役に立つ参考書はないといっていいだろう。この本を、最初から最後まで読み通す強者もいるが、通常は、気になったところを参照するという使い方でいいだろう。また、できれば、この参考書内に載っている問題にも目を通してほしい。該当部分を理解するうえで、とても良い問題が載っているからである。

(2)『化学の新演習:三省堂』

上記(1)の問題集版が、これである。難関を目指す人にとってみれば、良い問題集である。ただ、化学を苦手としている人にとっては、難しいと思う。そういう人が、いきなり本問題集に挑戦することは、お勧めしない。途中で投げ出す可能性が高いだろう。そういう人は、一旦、もう少し易し目の問題集から入り、その後で、本問題集に挑戦することが、効果的だろう。

(3)『化学の新標準演習:三省堂』

本問題集は、上記(2)を易しくしたような位置付けの問題集である。化学を苦手とする受験生にとっては、最初の問題集として、悪くない問題集といえるだろう。この問題集を、ある程度、終えてから、上記(2)の問題集に挑戦することも、良いと思われる。前述したように、本校の化学は、標準的なレベルの問題が中心である。ただし、試験時間に対して、問題やその中に出てくる有機化合物等の数が多いように思われる。したがって、いかに速く解くか、がポイントである。そのためには、標準的レベルの問題集を反復して、知識を正確にしておき、試験本番で迷う時間を少なくすることが重要である。

(4)『セミナー化学:第一学習社』

セミナー化学は、言わずと知れた、学校用問題集の代表格である。学校用問題集を軽視する人もいるようだが、一般論として、その風潮は良いとはいえないだろう。やはり、よく出来た問題集である。特に優れていると思える点は、基礎チェックレベルや、基本例題、基本問題、発展例題、そして、発展問題などという、レベル分けの細かさである。このレベル分けを大いに活用して勉強するのも、本問題集の活用ポイントである。もっとも、学校用問題集にはあまりいい思い出がない、という人もいるかもしれない。そんな人は、他の問題集を使った方が、効果があるだろう。

(5)『化学重要問題集:数研出版』

本問題集は、従来より、大変定評のある問題集である。網羅性を気にする人もいるが、その点が気にならないとすれば、導入用として、使えるだろう。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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