中学の新設、相次ぐ

2010年度の早稲田大学高等学院中学部、中央大学附属、成立学園、昌平に続いて、2011年度も3校が開校を予定している。

●　千葉明徳高校（千葉市）が中学校を開校する。募集規模は男女120名募集の予定。
●　二松学舎大学附属沼南高校（二松学舎大学附属柏に校名変更、千葉県柏市、共学校）が中学校を開校する予定。
●　開智学園（さいたま市）が埼玉県北川辺町に中学校を新設する。校名は開智未来で、中学の募集は男女108名の予定。

すごい勢いで開校が相次いでいた公立中高一貫校だが、首都圏では2012年以降に横浜市立南高校（当初は中等教育学校の予定であったが、反対が強く併設型に変更になった）、川崎市立川崎高校を母体とした学校が開校する予定だが、都県レベルでは各都県とも「長期再編計画」が一段落して検証期間に入っているので、次の計画が策定されるまでは新規の開校はないとみていいだろう。
ただ、隣接県では茨城県の総和高校（古河市）が現在の高校の募集を停止し、2013年度から中等教育学校になる予定である。また、県北では、2012年度に日立第一高校に併設型の付属中学校が開校する。県立高校では併設型は初めて、中等教育学校は並木（つくば市）に次いで2校目となる。総和高校のある古河市は埼玉県など県外の高校への進学者が多く、県内に引き留めるため、地元から一貫校の設置を求める声が上がっていた。2011年度には開智未来も開校するので、栃木・群馬を含め、この地域の中学・高校入試事情に変化が生まれそうだ。

高校の募集停止＆新設

このところ、高校募集を停止する学校が相次いでいるが、2011年度も既報の東京純心女子、富士見のほか、神奈川学園が高校募集を停止することになった。これで、神奈川の中高一貫の女子校は、高校募集しない学校が14校にも達し、高校募集する学校は桐蔭学園女子部、桐光学園女子部を加えてもいまや11校になった（後述するが、横浜国際女学院翠陵が共学化するため2010年度には半々だったものが一気に少数派に）。
高校単独の女子校もわずか3校（高木学園女子、白鵬女子、法政大学女子）しかないので、神奈川でわが子に女子教育を受けさせたいと考えたら、中学から進ませなければならないという現実が生まれている。こうした背景が、沈静化した今年の中学受験状況の中で、神奈川の女子校が前年を上回る出願者数になった理由の１つではないだろうか。
少子化が進んでいるので、このところ高校の新設はなかったが、2011年度は1校ある。中学の新設のところでも出てきた開智未来が中学と同時に高校も開校する。募集は男女132名の予定。

共学化

中学から学年進行で共学になっていた東京の東星学園が高校募集を共学で行うほか、東京の貞静学園、神奈川の横浜国際女学院翠陵が中学・高校とも女子校から共学校になる。これにともない、横浜国際女学院翠陵は校名を横浜翠陵に変更する。また、まだ先だが、中央大学横浜山手（女子校）が、移転と同時に共学校になることが決まっている。

県立千葉中の入試日程が大きく変わる

二次検査の期日が1月16日（土）から１月23日（日）へ、発表が1月25日（月）から1月31日（月）へと1週間ほど遅くなる。つまり、二次検査は千葉の私立入試の解禁日1月20日以降に行われることになる。また発表が1月31日ということは、これまでの日程からすると入学確約書提出は2月2日になるので、東京の私立の2月1日の発表まで確約書提出が待てることに。こうした大きな変化があるので私立中入試にも影響が出そうだ。

	2010年度	2011年度
入学願書提出期間	11月24日～11月27日	11月22日～11月26日
一次検査（適性検査）の期日	12月12日（土）	12月11日（土）
一次検査結果の発表	12月24日（木）	12月22日（水）
報告書等の提出期間	1月6日～1月8日	1月11日～1月13日
二次検査（適性検査等）の期日	1月16日（土）	1月23日（日）
二次検査結果の発表	1月25日（月）	1月31日（月）

中学入試　4教科化

毎年、入試を4科だけにする学校が増えているが、2011年度入試では恵泉女学園第1回（２月1日）、捜真女学校Ａ（２月２日）が4科になり、これで全日程が4科になる。

「コース制」の新規導入

「コース制」の採用が近年の中学入試の特徴であるが、2011年度入試でも東京家政学院が特別進学クラス30名（１クラス）、総合進学クラス100名（25名×４クラス）を導入。

試験時間・配点の変更

フェリス女学院 国語・算数…各50分・各100点（2010年は各45分各100点）、理科・社会…各30分・各60点（2010年は各40分各100点）

情報提供：安田教育研究所