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2011年度中学入試動向総括 (2011.4)

新時代に入った中学入試とこれからの私学

2011年度入試の全体動向(樋口氏)

2011年度入試の全体状況をお話しさせていただきます。受験者数は4万5,600人です。これは首都圏模試で試算した数字です。前年度が4万6,500人ですから、減少した数は意外に少なかったといえます。四谷大塚は横ばい、日能研は大きく減ったとみています。受験率は前年の15.32%から14.87%へとやや下がっています。
問題は合格率(総定員を受験生数で割った数字)です。2009年度は90.5%だったものが、2010年度は98.4%となり、2011年度はついに104.9%と、受験生の数よりも総定員のほうが多くなりました。しかし、偏差値表で見て中堅から上の学校はいつもどおりの厳しさでした。一方で、下位の学校は入りやすかったのではないかと思います。
また、「午後入試」が増え、午後入試の全応募者は前年比7.1%増(4万5,550人)になっています。延べ実施回数は409回(全入試回の24.4%)で、特に2月1日から3日には357回(3日間の入試回の35.5%)も実施され、3回に1回が午後入試です。2月1日の同一校で午前・午後入試を実施している中学校は、東京都で76校(179校の42.5%)、神奈川県で15校(59校の25.4%)にも及んでいます。
この結果、2月1日、2日よりの入試になってしまい、それ以降の入試は例年よりボリュームダウンしてしまいました。今年は、1日、2日で実力相応の学校を堅実に受験して合格を得て、3日、4日にチャレンジした受験生(特に女子)は非常に成功しました、中堅上位校では3日以降に補充のための合格を出していったので、その影響で他の学校は苦戦されたのではないかと思います。
2012年度は、晃華学園が2日、3日、5日だった入試を1日、2日、3日に前倒しすることを発表しています。これに触発されて、他校でも入試日を前倒しし、前半が非常に窮屈な入試になると予想されます。

学校種別動向を分析する(安田氏)

首都圏で応募者が増えた学校で、最大のトピックは栄東です。応募者が前年度から倍増し、7,000名超という桁外れの数になりました。これは募集定員を120人から240人に倍増したことで、受験生が入りやすくなるのではないかと判断して殺到したためです。応募者数ベスト10を見ると、埼玉の学校が半数の5校を占めています。埼玉は首都圏の先陣を切って1月10日から入試が始まり、入試期間が長く、何度も受験できることが理由と思われます。
また、ベスト10は東京都市大学付属以外はすべて共学校です。東京では前年比で応募者を増やした学校は共学校が圧倒的に多く、首都圏全体では共学校が多くなっています。
応募者数のベスト20までを見ても、女子校で豊島岡女子学園、男子校で立教新座が入っているくらいで、やはり大半は共学校です。
各県の応募者数ベスト3を上げると、

東  京

男子校 

 東京都市大学附属、本郷、早稲田

女子校

 豊島岡女子学園、共立女子、八雲学園

共学校

 東京都市大学等々力、広尾学園、桜美林
 神 奈 川  日本大学、山手学院、浅野
 千  葉  市川、専修大学松戸、東邦大学付属東邦
 埼  玉  栄東、開智、獨協埼玉

となります。
このうち、東京・神奈川で午前入試だけの学校は本郷、早稲田、豊島岡女子学園、共立女子、浅野の5校だけで、応募者数が午後入試で左右されていることがよくわかります。

入試規模から見た分析(池田氏)

先生方にご協力をいただいた入試結果アンケートから受験者数の規模ごとの集計を出してみました。規模の区分は、最も上が受験者数が1,501名以上の学校、最も下は受験者数101~300名の学校です。全体的には受験者が減った学校が多いのですが、受験者数1,501名以上の学校では合計が6万4,788名で、昨年の6万1,403名から3,000名以上増えています。一方、他の規模の学校は、すべて少しずつ減っています。これは規模の大きな学校、メジャーな存在の学校に集中的に受験生が集まっていることを示しています。各家庭が「わが子に合った学校を」という選択は基本原則ですが、実際には「みんなが行くところを自分も受ける」という状況がみてとれます。
合格者数を見ても、受験者1,501人以上の学校は2万5,277名で、昨年よりも2,400人も増えています。こうした大規模な学校の併願校になっている学校は、少なからず影響を受けていると思います。
学校規模別のデータで受験者数の増加率も出してみました。受験者が昨年に比べて20%以上増えた学校が24校、10~19%増えた学校が26校です。一方、10~19%減った学校が48校ありました。増えた学校は規模ごとの差は目立ちませんが、減った学校をみると、規模が小さいほど減りが顕著という傾向があります。これには、受験生規模が大きな学校は受験者が減りにくいという面もあります。
受験生が20%以上増えた学校は、共学化、新校舎、午後入試新設など“目玉”がありました。中央大学附属、早稲田高等学院など2年目の浸透があった学校もあります。一方で、10~19%の学校には特に“目玉”はありませんでしたが、地道な活動が成果を上げてきた、好感度が上がったのではないかと考えられます。これらをご勘案いただいて、今後の募集活動に役立てていただければ幸いです。

これからの中学入試(樋口氏)

2012年入試は新学習指導要領「元年入試」

この4月から小学校の新指導要領が実施されます。2002年の指導要領改訂により、学習内容が削減され、公立学校への不安感が高まった結果、私立中学受験生が増えていきました。しかし、今後は指導要領が内容が増える形で改訂されます。
新指導要領になるとどうなるかを保護者は子どもを通じて実感しています。教科書、サブテキスト類はページが厚くなっています。小3・小4は死に物狂いで移行措置のカリキュラムをこなしています。今まで習ったこともない単元が移行措置で子どもたちに与えられています。公立の小学校の先生方は指導要領を消化しなければならず、子どもの理解度にかかわりなく、授業が進められます。

3月10日 安田教育研究所「中学入試セミナー2011」より

㈱首都圏模試センター 代表取締役 樋口義人

㈱エデュケーショナルネットワーク データ課長 池田  亨

㈱ユーデック 代表取締役 川東義武

安田教育研究所 代表 安田   理

 

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