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2012年度入試を分析する(2012.4)

2012年度入試の全体動向(樋口氏)

2012年度入試は、東日本大震災があり、景気も悪いなかで、受験生の総数は昨年より5%ぐらいは減少するのではないかと予測していました。しかし実際は、受験者数は45,200人となり、昨年の45,600人と比較して0.9%減と、“ほぼ横ばい”でした。受験率も14.8%(昨年14.87%)で、昨年とほぼ同様で推移しています。
2012年度は、大学合格実績が例年以上に応募倍率に影響しています。巣鴨、栄東、開智などに象徴されるように、大学合格実績が上昇した学校の応募者が増加しています。一方で、大学付属校が軒並み志願者が減少しました。女子の伝統校も苦戦しています。理由は、授業料の高さです。不況ですし、保護者はなるべく学費の安い学校を望んでいます。全体的に、私学の持っている文化やトータルの人間教育に保護者の目が行きにくい、目の前の利益を望む傾向があるように思います。
入試で目立つのは午後入試の増加です。2月1~3日の3日間で、延べ合計1,082回の入試が行われています。内訳は午前が707回、午後が375回で、全体の34.7%が午後入試です。同時に、東京・神奈川では2月1日・2日の定員が増えています。まさに、「2日までが勝負」という短期決戦状況です。一方、入試教科の2教科(国語・算数)など軽量化入試が復活してきました。結構生徒を集めています。大学入試センター試験を視野に4教科をやってきた生徒を求める方向にありましたが、ここに来て状況に変化が出てきています。2教科入試は6年になってから受験を考える生徒に道を開く効果があります。
2013年度は大妻多摩が2教科で受験できる午後入試の実施を発表しています。受験生のすそ野を広げるという意味でも、午後入試や2教科入試を実施してはどうでしょうか。また、公立中高一貫校への根強い人気が続いています。これに呼応して、私立での公立中高一貫校対応型入試(適性検査型、総合型、PISA型)入試が近年増え、公立中高一貫校併願の受験生を集めています。公立一貫校が合格発表する前に公立中高一貫校対応型入試も生徒獲得の1つの道だと思います。

難易度からみた受験動向と分析(池田氏)

入試の直前の難易度からA〜Eの5グループに分けて、受験動向を分析しました。グループ分けは首都圏模試の偏差値でみた場合、Aが60台後半、Bが60前後、Cが50台、Dが43~44ぐらい、それ以下をEとお考えいただければと思います。昨年と比較して、千葉県は各グループとも受験者数はマイナスです。都内生の“お試し受験”が埼玉県に流れているとみられます。逆に、埼玉県は1都3県の中で唯一志願者数が増えています。ただし、増えているのはA・Bグループの難関上位校で、中堅校から下位はマイナスです。
東京23区、同多摩地区、神奈川の3地域では、昨年はD・Eグループのマイナス傾向が顕著で、A・B・Cグループに受験生が集まる傾向でしたが、今年のA・Bグループは一段落です。注目されるのは、Eグループの男子が23区と多摩地区でプラスになっている点です。昨年までは、受験生が減少する中で難関校・上位校志向が強く、マイナス分は入りやすい学校が引き受けていた感がありましたが、今年は男子で状況が異なってきています。中学受験段階では女子よりも男子の方が幼い場合が多く、そうした生徒を手厚く育てていくという方向性が出てきたとも言えます。一方、女子は挑戦志向が強く、入りやすい学校については敬遠傾向が出ています。
次は志願者数規模から見た分析です。一都三県に茨城県南部を加えた数字で、3回入試をしていたら3回の志願者数を合計しています。300校ほどの私学がある首都圏で、1,000名以上の志願者があった学校が104校、400~999名が101校、399名以下が93校でした。1,000名以上の規模の学校は過去3年、ほとんど志願者数が減っていません。400~999名規模の学校は志願者数は減っています。が、それ以上に減少が大きいのが399名以下の規模の学校です。大規模な学校に受験生が集まり、“小粒でピリリと辛い”という学校が存在しにくくなっています。
経済学では、「上位2割の企業が市場の8割を占める」という経験則がありますが、中学受験ではどうでしょうか。上位2割は300校のうちの60校です。2009年は上位2割の学校の占有率は46%でしたが、2012年度は49.6%に上がっています。8割とはいきませんが、中学受験でも寡占化は進んでいます。
全体的に厳しい状況下でも志願者が増えている学校があります。3年連続でかなり増えた学校は、栄東、東京都市大付属、豊島岡女子学園、中央大学横浜山手、宝仙学園理数インターなどです。2年連続あるいは隔年増加でほとんど志願者を減らしていない学校は、都市大等々力、城北、渋谷教育学園渋谷、大妻中野などです。増加や横ばいの背景には、大学合格実績への保護者の信頼があります。
このほかに、今年増加が目立った学校には、神奈川学園、明治学院、東京電機大学、文教大付属、カリタス、桐朋女子などがあります。これらは、午後入試や後半日程の試験日をつくるなど、入試制度の変更が増加の引き金になっています。入試の軽量化については、教科数を減らしたから志願者が増えたという学校はあまりないように思いました。
逆に、志願者は減るだろうが、敢えて入試改革を行うケースもあります。晃華学園は入試初日を2月1日に移しました。一昨年、初日を2日から1日に移した日大三は第3回を廃止して全面4科のみとしています。志願者は減るが、「こうした生徒がほしい」という強いメッセージが出ている学校といえます。

3月10日 安田教育研究所「中学入試セミナー2011」より

㈱首都圏模試センター 代表取締役 樋口義人氏

㈱エデュケーショナルネットワーク データ課長 池田 亨氏

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