今回は３模試合計の志望者数を入試日程別に20位まで表にしてみた。2007年の７月模試の数字と対比しながら見ていこう。なお、2012年の表で校名に〇がついているのは前年同時期より志望者が増えている学校を示す。まず男子から。

2007年は15位までしかないので、15位までを見比べてみる。
＜全体①＞
1位・2位は４日程とも変わっていない。ただし、2月1日1位の開成以外は大幅に人数が減少している。中学受験者数自体の減少もあるが、上位校の場合は、2012年はサピックス生が3模試を受けていないことが大きいだろう。
＜1月中＞
2012年のランキングに新たに登場したのが、栄東(東大Ⅰ)と開智①。この2入試回がこの位置にいることは当然のように感じるが、わずか5年前には栄東Ａが漸く15位に顔を出していた程度だった。栄東の東大クラス選抜はあったが、開智の先端はまだなかった。代わって15位から下がったのが、城西川越①と東海大浦安Ａだが、両入試回とも20位までには入っている。飛躍的に順位を上げたのが栄東Ａ。
＜２月1日＞
2012年に新たに登場したのは、攻玉社①、中大横浜山手①、巣鴨①。中大横浜山手は2012年に共学化したばかり。代わって15位から下がったのが、桐朋、日本大学①、武蔵だが、３入試回とも20位までには入っている。順位は上げても志望者数自体は減少している学校が大半で、志望者数増は先の開成（実質的には横ばい）と東京都市大付①だけ。2007年当時は武蔵工大付だったが、①は既に午後入試であった。
＜２月２日＞
2012年に新たに登場したのは、中大横浜山手②と世田谷学園②だけ。代わって15位から下がったのが、桐光学園①と立教池袋①。立教池袋①は18位に入っているが、桐光学園①は圏外。というのも①は現在2月1日に移動している（2月2日も行っている）。志望者数が増えているのは巣鴨②のみで、ほかはみな減少している。
＜２月３日＞
この日は何と6位まで順位がまったく変わっていない。2012年に新たに登場したのは、中大横浜山手③、小石川中等、国学院久我山ＳＴ②（2007年時点ではＳＴはなかった）。代わって15位から下がったのが、学習院②、法政大学②、筑波大附。筑波大附は19位に入っているが、学習院②、法政大学②は圏外。志望者数が増加している学校は1校もない。20位までを見ると、公立中高一貫校が3校も入っている（すべて東京）。公立中高一貫校受検者も2007年時点より私立中を併願するケースが多くなり、3模試を受けるようになっているのではないだろうか。
＜全体②＞
それにしても中大横浜山手の勢いはすごい。共学化2年目にして3入試回ともが15位以内。しかも②・③は10位以内である。
1月中で2回以上の入試回が登場しているのは栄東と開智の2校。栄東は2入試回、開智は3入試回である。
2月3日までに入試が2回があり、その2回ともが15位以内という学校が多数ある。
早稲田、海城、城北、逗子開成、攻玉社、巣鴨、本郷、明大明治と8校もある。20位まで広げれば、高輪が3入試回、日本大学、成城が2入試回とも入っている。入試日が違っても決まった学校に志望が集中しているということだ。
では女子に行こう。

＜全体①＞
男子は1位・2位は４日程とも変わっていなかったが、女子では1位は2月1日、2月3日が、2位は2月1日、2月2日が変わっている。男子の2月3日のような6位まで不動のような日程は１つもない。
＜1月中＞
1位・2位とも変わっていない唯一の日程。2012年のランキングに新たに登場したのが、栄東Ａと開智①。男子では栄東が東大Ⅰだった点のみ異なっている。その東大Ⅰも18位に入っている。2007年にはこの両校は１入試回も入っていないのだから、わずか5年の間にものすごく変わったものである。代わって15位から下がったのが、星野学園①と千葉日大一①。ただし両校とも20位までには入っている。
16位以下に目を向けると、芝浦工大柏①、千葉県立千葉が入っている。千葉県立千葉は2007年には存在していない。志望者数を増やしているのは淑徳与野①のみ。
＜２月1日＞
2012年に新たに中大横浜山手①、品川女子学院①、大妻中野②アドバンス、洗足学園①の４入試回が登場している。大妻中野のアドバンスは2007年には存在しなかったコース。品川女子学院①、洗足学園①が2007年には入っていなかったことが不思議な感じがするが、洗足学園①は当時募集人員は40名であった。代わって15位から下がったのが、雙葉、渋谷教育渋谷①、実践女子学園①、鴎友学園①。このうち実践女子学園①、鴎友学園①は20位まで入っているが、雙葉、渋谷教育渋谷①は圏外になっている。
16位以下に目を向けると、頌栄女子学院①、山脇学園Ａ、富士見①が入っている。志望者数を増やしているのは共立女子Ａの1入試回のみ。
＜２月２日＞
2012年に新たに登場したのは、中大横浜山手②、実践女子学園②、跡見学園②、神奈川大附Ａの４入試回。このうち跡見学園②は2007年時点では2月3日入試であった。代わって15位から下がったのが、鴎友学園②、富士見②、湘南白百合、捜真女学校Ａ。捜真女学校Ａだけが圏外で、他の3校は20位までには入っている。
16位以下に目を向けると、恵泉女学園②、慶應湘南藤沢が入っている。志望者数を増やしている入試回は1回もない。
＜２月３日＞
男女を通じていちばん入れ替わりが大きく、3分の1の5校が入れ替わっている。2012年に新たに登場したのは、中大横浜山手③、横浜市立南高校附、小石川中等、鎌倉女学院②、日大第二②の5入試回。横浜市立南高校附は2007年時点では存在しなかったし、鎌倉女学院②は2月4日だった。
3日は、他の日程では見られない2007年に上位だった学校、跡見学園②、東京女学館②、東洋英和Ｂ、横浜共立学園Ｂ、大妻中野②が15位からいなくなっているという現象が起こっている。これは、跡見学園②は現在は2月2日になっていること、東洋英和Ｂ、横浜共立学園Ｂが2月3日が日曜に当たるためプロテスタント校が4日に移動するという、入試要項上の事情による。東京女学館②は20位に、大妻中野②は④として16位に入っている。
16位以下に目を向けると、桜修館中等、白鴎高校附が入っていて、横浜市立南高校附、小石川中等を含めると公立中高一貫校が4校にもなる。このほか昭和女子大附Ｃも登場。志望者数を増やしている入試回も品川女子学院②、豊島岡女子②、富士見③と３回ある。
＜全体②＞
男子と違い女子では入試日程そのものが動いているケースが結構ある。
2月1日から3日までに3入試回が15位以内に入っているのが、大妻、中大横浜山手。
2月3日までに入試が2回あり、その2回ともが15位以内というのが、共立女子、吉祥女子、品川女子学院、跡見学園、洗足学園、豊島岡女子、鎌倉女学院。20位まで広げれば、大妻中野、富士見が3入試回、山脇学園、鴎友学園、実践女子学園が2回と多数に上る。男子同様、入試日が違っても決まった学校に志望が集中しているということだ。
情報提供：　安田教育研究所