甲陽学院中学校 入試対策
2025年度「甲陽学院中学校の算数」
攻略のための学習方法
算数・国語のテストを2日に渡って行い(理科は1日だけ)、その総合点で合否が決するという甲陽学院。ライバルとの灘中と同じテスト日程になっているものの、差別化するためか、甲陽の算数は第1日と第2日で問題形式・質量などにあまり変化はないようだ。したがって、1日目・2日目と異なる対策を考える必要はあまりなく、あくまで甲陽学院が求める学力をつけていけば合格は約束される。
出題されやすい分野としては、図形・速さの問題・規則性の問題などが挙げられる(速さの文章題では旅人算と速さの比をからませた問題が目立つ)。
甲陽学院中の問題の特色としては、1つの大問の中にきわめて解きやすい《易》レベルの設問から現場で解くのがかなり難しい《難》レベルの設問までが混在していることだ。
本年度の例を挙げれば【大問1】【大問2】【大問3】がそれにあたる。【大問1】はともかく、【大問3】の前半の設問は受験生が誰でも解けそうな基礎的なものである。しかし(2)以降、後半の設問に進むにつれて解き方に工夫を求められるし、時間を十分かけて正解までたどり着かなければならない。【大問2】の食塩水の問題もそれに近いところがあり、最初から面積図を使用するという《標準》レベルの問題ではあるが、設問があとに行けば行くほど面積図の作り方が難しくなっていく。また、本年度【大問5】(2)のように、解法するのが特に難しい「捨て問」レベルの問題も存在するので、合格ライン(7割程度)と相談して問題を見切る力をつけておく必要もあろう。過去の例でも2023年(第1日)の【大問6】(2)(3)などがそれに相当する。
先にも挙げたとおり、大問の特色としては、いずれの大問も、前半にある基本的な問いが次の設問を解くヒントとなっていることだ。
一例として2025年(第1日)【大問3】をみてみたい。
(1)はおそらく多くの受験生が手がけたことがある基本的な問いである。これが(2)になると求める数字の範囲が極端に広がる。しかし(1)を実際に書き出して解いてしまった生徒ほど(2)以降で苦労するような仕様になっている。おそらく(2)が解けた生徒は自信を持って(3)(4)に挑んでいけたものと思われる。規則性の問題(2024年度【大問4】、2023年度【大問2】など)では、前半の誰でも解きやすい設問を後半の難易度が上がった設問にも対応できるよう論理的に解決して進んでいってほしいものだ。
また「捨て問」と称される、高難易度の問題においては、普段の学習でもあまり無理をして時間をかけないことが大切である。それよりも、《標準》~《やや難》レベルの問題の解き方をきっちりと体得した方が合格するための戦術としてはすぐれている。もちろん、「捨て問」レベルの問題でも解けてしまう生徒には馬の耳に念仏かもしれない。大いに数学道を極めて欲しい。
先にも述べたように、甲陽学院の算数は、設問によってかなりのレベル差が生じている。トップクラスの学校としては珍しいのではないだろうか。
普段の学習においては、立体の切断や速さと比の問題、また時間を要する場合の数・約束記号・規則性の問題にも大いに取り組んでもらいたい。そしてその中で受験生としての自らの可能性と限界を知ることが大切になる。テストは結局得点を高く取ったものの勝ちである。過去問に取り組みながら、合格最低点を意識しながら、取れる設問は必ず取る、ということが最も大切なことなのでそれを忘れないように勉強に励みたい。
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2025年度「甲陽学院中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
テスト時間55分で大問は6題と、質・量ともにボリューミーな内容になっている。一問一問にかける時間は十分にあるので、あとは自身の算数の学力を伸ばして《標準》レベルの問題まではなんとか正解に結びつけたい。
問題数から考えて時間不足になることは考えにくいので、あせらずしっかりと問題文を読《やや難》~《難》の問題も複数見られ克服は容易ではないが、過去問などを多く触れることでそのレベルを体得することが大切である。
【大問1】計算問題・平面図形の面積
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
【大問2】食塩水の問題
- 難度:標準
- 時間配分:6分
食塩水の問題の解き方にはいくつの方法があるが、ここでは面積図を使って解いていくと(3)まで解けきれる(てんびんという名前で習ったものはその解き方でも良い)。
(1)①の結果から、5%の食塩水(A)から□gの食塩水を取りだして4%の食塩水(B)に混ぜたところ、4.8%の食塩水が出来たことがわかる(ここが肝心なところ)。そこでA(5%)とB(4%)を混ぜて4.8%になるよう面積図を作るとAとBの重さの比は(5-4.8)と(4.8-4)の逆比となる。最後のAの重さは500gにもどるのでそこからAから取りだした食塩水の重さが求まることになる。
(2)ここは面積図を使わなくても解くことが出来る(食塩水全体の重さがわかるため)が、(1)の解き方を踏襲すると、②の後に容器Cにできた食塩水の重さを△gとすると、Aの重さとCの重さの逆比からCの濃くなった食塩水の割合を求めることが出来る。あとは3.89%から引くだけである。
(3)今度は③の結果を利用して、BとCの食塩水の重さの比を使うとBからCに移した重さ((1)で求めた100g)とCの減った重さ(400-100)の逆比から薄くなったCの割合がわかる。あとは(2)と同じようにして求めれば良い。
どの条件をどの設問で使うかがわかりさえすれば解き方はそれほど難しいものではないのでここはぜひ正解して先に進めたい。
【大問3】約数の問題
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
数の性質を使って解く問題で、前半の設問は易しいものの行き当たりばっかりで解いていくと(2)以降苦労するので論理的に答えを見つけていく必要がある大問である。点数の差もこの問題からつき始めると考えられる。
(1)問題文にあるように「2025の約数のうち1けたのものは1,3,5,9の4つです」のように、1けたの約数の4つもつ整数を探していく。(1)は(1,2,3,6)と(1,2,4,8)の2つが考えられる。
(2)では奇数を求めるので約数に2の倍数をふくまない組み合わせを考えると(1,3,5,7)(1,3,5,9)(1,3,7,9)(1,5,7,9)が考えられるのでこの中から小さいものを2つ探すことになる。
(3)今度は偶数なので、2の倍数を必ずふくむ(1,2,○、○)のタイプを探す。今度は(1,2,3,6)(1,2,4,5)(1,2,4,7)(1,2,4,8)(1,2,5,7)と組み合わせが増える。例えば(1,2,3,6)の場合、最小の数は6だが2けたではないので、6×11、6×13…と調べていく。2や3をかけないのは、ひとけたの約数の数をふやさないためである。勝負の分岐点がこの(3)からだ。
(4)ここは(2)を利用して、(1,3,5,7)(1,3,5,9)(1,3,7,9)の場合を探す。例えば(1,3,5,7)の場合、最も小さくて105、次は525…となる。他のものも同じように調べてみよう。
【大問4】三角形の回転移動
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)の正九角形では、実際に三角形を辺にそって回転させていくと、正三角形が正九角形の3つの辺を転がる間に頂点がもとの状態に戻ることがわかる。正九角形では、これを3回くり返すと元に位置に戻ってくるので、あとは頂点がAがつくるおうぎ形の中心角を求めて計算していけば良い。
(2)正九十角形とはおどろきだが、(1)の正九角形と同じ事を30回(90÷3)くり返せば良いことがわかる。(1)と異なるのは頂点Aがえがくおうぎ形の中心角なので多角形の公式を使って上手に求めよう。
後半の大問にしては取り組みやすい内容だったのでぜひ正解しておきたいところ。
【大問5】立体図形の影
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
難関校の出題の要、「立体図形の影」は、立体図形の切断と同じく、毎年のように出される内容である。普段から対策は怠らずに行っていることと思うが、(2)についてはやはり難問なので「捨て問」として処理させてもらうことにする。
(1)では、与えられている図1を使うことで影のたての広がり(長さなど)はわかるものの横の長さがわからないので、自分自身で改めて立方体と柱を真横から見た図を作成する必要がある。その2つの作業を経て、立方体の影の形が(大きな正三角形+正方形-小さな正方形)であることがわかる。相似比なども複雑ではないのでここはいつもの力を出して正解してもらいたい。(2)は前述したとおり「捨て問」としてあつかうので解説は省くが、ここで時間を浪費して【大問4】同様合否を分けたと思われる【大問6】に目を向けた方が賢明である。
【大問6】速さと比
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
速さと比を旅人算に融合させた、この学校頻出の大問である。もちろんある程度の難易度はあるものの良問であることは間違いないので、不正解だった場合はしっかりと復習をして自分のものにしておこう。
(1)太郎君と花子さんは同時に歩き始めるので、二人がそれぞれAP,BQを歩くのにかかる時間の比は(720÷3):(800÷4)で6:5になる。また、太郎君がAP間、花子さんがBQ間を歩いている間に降りてくる高さの比は(48÷6):(60÷5)から2:3となり、この日の差1に当たるのが(60-48=)12mなので、ここをとっかかりにして太郎君(または花子さん)が降りてきた道のりを求め、それから二人の速さと出発してから5分後に2人がいた標高を求めれば良い。
(2)ここでは太郎君がQB間、花子さんがPA間で同じ標高になることを求めるという(1)と同じような解き方で進めば良いが、花子さんが途中で5分休むことによって問題の条件が複雑になっている。
(1)で求めた二人の速さから、太郎君が歩いた道のり、花子さんが歩いた道のりをそれぞれ求めることが出来る。このことから、花子さんがPA間を歩いた道のりの方が太郎君がQB間を歩いた道のりよりも□m長いことがわかる。同じ高さ歩くのにそれぞれかかる道のりは(720÷48):(800÷60)で、この比である9:8の差が□mにあたる。このことから設問の答えがそれぞれ求められる。
攻略のポイント
テスト時間は55分で100点満点。受験生平均点は60.5点、第2日目の算数も平均点は同じくらいなので目標を70点において問題にあたりたい。
テストの前半は意外に典型題が出題されており、ここで失点しないことが何よりも大切である。後半の難問題は得意分野の問題から挑んで5割~6割の点数を見込みたいところだ。
受験勉強の仕方としては、過去問に当たってその質量に慣れることはもちろんのこと、普段の学習においても《やや難》レベルの文章題に多く触れておくこと。ただし、あまりに難易度の高い問題はスルーしても構わないと思う。あくまでも、《標準》~《やや難》レベルの正答率を上げ事が受験勉強の中心となることを忘れないように。
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