明治大学付属八王子中学校 入試対策
2025年度「明治大学付属八王子中学校の算数」
攻略のための学習方法
明大付属八王子中学、満点は算数・国語が100点、理科・社会が50点で、算数と国語の比重が高くなっている。本年度A方式第1回の合格者平均点は65.4点。昨年と比べると、10点ほど下がっている。出題傾向は学校名変更前および昨年度と比べてほとんど変化していない。
難度の高い問題も含まれているが、多くが基本~標準レベルの問題であり、計算問題と小問の比重が高くなっている。試験時間は50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
整数、小数、分数の計算が4題程度出題される。工夫が必要なものも含まれ、□を求める問題も例年出題される。計算問題への対策としては、毎日10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて欲しい。また、工夫を必要とするような計算問題の練習も行ってもらいたい。
文章題
今年度は小問で過不足算・仕事算・平均算・年齢算・速さと比について出題された。ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ、和と差の文章題、濃さや売買損益などの割合と比の文章題が出題されている。際立った難問は出題されないので、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。中でも速さ、濃さの出題頻度は高い。速さに関する問題は旅人算、流水算、通過算、ダイヤグラムなどから複数題出題される年もある。旅人算とグラフに関しての出題頻度が高く、今後も出題される可能性が高い。
濃さに関する問題では、面積図やてんびん図を用いて解く問題も含めて練習すること。
数に関する問題
今年度は小問で数の性質に関して、大問では場合の数について出題された。場合の数は昨年に続いて大問での出題であった。ここ何年かを見ると、場合の数、約数の個数、数列、割り算のあまりに関する問題、暦、四捨五入に関する問題などが出題されている。この領域においても極端な難問は見られないので、基本~ややレベルの高い問題まで幅広く問題演習を行って欲しい。
平面図形
本年度は小問で3題出題された。また、大問の立体図形の問題においても、平面図形的な内容が盛り込まれていた。過去の出題を見ても、面積や角度を求める問題は毎年出題されており、様々な工夫を必要とする問題も頻繁に出題されている。また、相似や高さの等しい三角形など比を利用する問題の出題頻度も高い。図形の移動について出題された年もあった。ここでも際立った難問は見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を意識して問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は小問で回転体の求積問題が、大問で三角柱の切断に関して出題され、難度の高い問題が含まれていた。大問で立体図形が出題されるのは3年連続となった。立体図形は苦手だという人も多いと思うが、本校では出題頻度の高い分野であるので、頑張って学習して欲しい。回転体の求積・水の深さと体積・切断体など、近年出題されている内容を中心に演習を十分に行うこと。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して欲しい。
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2025年度「明治大学付属八王子中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が4題、小問11題、大問が2題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。すべての小問数は19で多くはない。あせることなく落ち着いて取り組んで欲しい。計算問題と小問占める割合が高く、ここでの得点が合否を分ける大きなポイントになる。
【大問1】計算問題
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)整数・分数・小数の四則計算
(2)分数・小数の四則計算
(3)工夫を必要とする小数の計算
(4)□を求める問題
(3)での工夫を必要とする問題は例年出題されている。日頃から、計算に対する工夫を意識して欲しい。また0.25、0.125などの頻繁に出る小数の分数変換は覚えること。
【大問2】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
(1)昨年に続いて、小問1問目は容積の単位計算。1L=10dL=1000㎤。
与式=3dL+70dL+100dL=173dL
(2)数の性質
12の倍数+3で3桁の整数の個数を求めればよい。12×9+3が最小、12×83+3が最大なので、83-9+1より、75個。
(3)過不足算
3人ずつ座ると2人あまり、4人ずつ座ると32人不足となる。(32+2)÷(4-3)より、ベンチの数は34台となる。
(4)仕事算
全体の仕事を180とする。1日目から6日目までは1日に①人、それ以降は1日に②人働いたとすると、①×6+②×12=180より、①=6人となる。
(5)平面図形
角度を求める問題。3つの二等辺三角形を利用すること。
(6)平面図形
等積移動を利用すると、底辺10㎝高さ3㎝の三角形になる。
単位計算・文章題・平面図形からの小問集合。(1)は昨年に続き容積の単位計算。来年以降も容積の単位あるいは、面積等の単位計算が出題される可能性が高い。確実に定着させておきたい。(2)以降も特に難度の高い問題はない。本校の出題では、大問3までの計算・小問集合でいかに得点を稼ぐかが大きなポイントになる。過去に出題された単元を中心に、基本をしっかり身につけたい。
【大問3】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)平均算
女子の身長の平均は、2705.4÷18より、150.3㎝。面積図を描いて考えること。
(2)速さと比
B君は1050mを6分30秒で走っている。1400:1050=4:3なので、6分30秒×4/3より、8分40秒。
(3)年齢算
現在の私が①、父が➄、7年後の私が❶、父が➌とすると、2人の年齢の差は変わらないので、④=❷、②=❶となり、①=7であることがわかる
(4)平面図形
大・中・小、3つの正方形の面積を求めると、大が25㎠、中が13㎠なので、小は13×13/25=13/5×13/5となる。したがって、1辺は13/5=2.6㎝となる。
(5)立体図形
回転体の求積問題。まずは、回転してできた立体の図を描くこと。図を描くポイントとしては、与えられた図の回転軸を対象の軸として、線対称な図を描くことである。下部の円すい部分を、上部のへこんだ部分に移動させると、半径6㎝、高さ10㎝の円柱の体積を求めればよいことになる。
文章題、平面図形、立体図形などの小問集合。(4)(5)は工夫が必要な問題で、やや難度が高いが、(3)までの文章題は、テキストなどで見られる典型題であり、しっかり正答したい。大問2および大問3(3)までで間違えた問題があれば、テキストの例題等を使って復習を行うこと。
【大問4】場合の数
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)書かれたルールに従って、樹形図等を使い、数を書き出すこと。百の位が1の整数が5通り、百の位が2の整数が2通り、百の位が3の整数が3通り、百の位が4の整数が4通り、計14通り。
(2)ルールから、5は一の位にしか利用できない。(1)で十の位が奇数のもの4つについて、一の位を5に変えると、新たに4つの整数ができる。従って、14+4より、合計14通り。
場合の数の出題。まずは、問題文に書かれてあるルールの理解がポイント。その上で、(1)では丁寧な調べあげが必要。(2)では、あらたに調べ上げるという解法もあり得るが、できれば、新たに加わった5の使い方を考え、(1)との違いを考えたい。
【大問5】立体図形
- 難度:難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)問題文にかかれてある「3辺の比が3:4:5の直角三角形」を利用すると、底面は底辺8㎝、高さ3㎝の二等辺三角形になる。高さは6㎝・10㎝・10㎝の平均を用いると、8×3×1/2×(6+10+10)/3より、104㎤となる。
(2)底面の三角形、側面の台形2つと長方形1つ、切断面の三角形、以上5つの面の面積の合計を求めればよい。切断面の面積を求めることが難しい。3辺の比が3:4:5の直角三角形を利用すると、底辺が8㎝で高さが5㎝の二等辺三角形になる。
立体図形についての出題。3辺の比が3:4:5の二等辺三角形の利用が全体を通じて大きなポイントとなる。
3:4:5の直角三角形は中学生での学習内容であり、本問題においても問題文中に書かれてあるので、知らなくても大丈夫であるが、覚えておくと役に立つかも知れない。また、(1)においては「高さの平均」を使わない解法もあるが、使うことで、より簡潔で正確な解答が可能になる。考え方・解法の幅を広げることの大切さを知ってもらいたい。
攻略のポイント
前半は計算問題と小問の集合で、後半に大問が2題という昨年までと同様の問題構成になっている。小問集合の中にはややレベルの高い問題も含まれるが、ほぼ基本~標準的なレベルになっている。本校入試問題では、計算問題と小問の占める割合が大きく、ここでの出来が大きく明暗を分ける。計算問題と小問集合で8割近くの正答が欲しい。
大問2題は速さと立体図形で昨年と同じ単元からの出題であった。本校受験者は、塾のテキストや問題集の例題や基本レベルの問題演習をしっかり行い、苦手単元を作らないことが攻略のポイントになる。
①正確な計算力を身につけることと、②すべての単元の基本をしっかり身につけること、この2点を考えて学習を行ってもらいたい。
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