明治大学付属八王子中学校 入試対策
2025年度「明治大学付属八王子中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇[問題構成]
大問3~5つがそれぞれ歴史分野・地理分野・政治経済分野に割り当てられる形式が通例となっている。歴史・地理分野が10~15問、政治経済分野が7~8問ほどで、計30問前後の出題数である。
選択肢と適語記入が多く、これまで記述問題は出されていなかったが、2019年度以降は短文の説明記述が1~2問出されている。
〇[歴史分野]
リード文や資料を見て下線部について答えていく形が多い。
中国・朝鮮との外交(2025年度)や西日本方面への旅行(2024年)といった話題で、古代から現代までの幅広い歴史について訊かれている。政治・戦争・外交・文化など、内容もさまざまである。
毎年、時代順の並べ替えが数問出されている。1つの時代の中での出来事の順番をしっかり整理して覚えておこう。
全体としては基本事項の問題が多く、ここ数年は史料なども使われていないようである。まずはテキストを丁寧に学習して、さらに資料集で補強できれば安心である。
〇[地理分野]
あるテーマに沿ってやや詳しく訊かれる問題が多い。
日本の漁業(2025年)や日本の観光(2024年)といった話題で、関連する場所について問う問題が出されている。
範囲が狭い分、知っていれば高得点を狙えるが苦手な分野が出された場合大きく失点する恐れがある。難易度としては標準レベルなので、苦手な項目をなくしてどこから出題されても困らないようにしておこう。テキストを全体的に偏りなく学習すること。
2017年度のように、世界地理だけ集中して訊かれた年度もある。主な国や最近話題になった国などには注意しておこう。
また、地図上での位置や形を訊かれる問題が出されているので、地図・白地図なども活用して頭にイメージが浮かぶようにしておきたい。
〇[政治経済分野]
ある話題をもとに、憲法・政治のしくみ・国際関係などについて訊かれている。
ここ数年では国民の権利と日本の政治・SDGs(持続可能な開発目標)といった題材で社会問題や経済についての問題が出されている。統計資料が使われた年度もある。
直近の数年で起きた出来事など、時事問題も含まれている。それほど細かい知識を問われるわけではないが、特にここ1~2年の国内・国外の重大ニュースについては、よく調べて詳しくなっておこう。
[選択肢問題]
選択肢問題が大きな比重を占めている。紛らわしくはないが、やはり一語一句に集中して目を通さないと見落とす恐れがある。「誤っているものを選ぶ」「正しいものを選ぶ」の両方の問題が入り混じっており、組み合わせて1つの正解となる問題もある。選択肢だから簡単、などと油断してはいけない。最後まで注意を切らさず、集中すること。
[記述問題]
例年は記述問題の出題は無かったが、2019年度以降では1~2行程度の説明記述問題が1~2問出されている。来年度以降も同様の出題があると考え、準備しておこう。
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2025年度「明治大学付属八王子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は28問。歴史10問・地理11問・政治経済7問、そのうち2問が記述問題となっている。2025年度は現代社会分野の問題数がやや少なかった。
リード文もあるが、下線部だけ読んでも答えることは可能である。読み取りに時間がかかる統計やグラフも出題されており記述問題もあるので、時間配分に注意しよう。
【大問1】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
中国・朝鮮との外交という話題で、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 正倉院
問2 1910年
問3 ア. 「漢委奴国王」と刻まれており、奴国へ贈られたものである。
イ. 仁徳天皇陵と考えられている。
エ. ヤマト政権成立の頃(4世紀ころ)のことは記されていない。
問4 ア. 朝鮮半島の百済から伝えられた。
イ. 飛鳥文化でなく、白鳳文化である。
ウ. 天台宗・真言宗が広まったのは平安時代初期で、大仏建立に協力したのは行基である。
問5 ア. 北条時頼ではなく、8代将軍北条時宗である。
ウ. 石塁が築かれたのは最初の元寇(文永の役)と2回目(弘安の役)の間である。
エ. 倭寇は朝鮮半島や中国の沿岸に出没した海賊で、西日本の武士とは関係が無い。
問6 ア. 島津氏が行ったのは琉球との貿易である。
問7 ア. 新潟が抜けている。また、下田は日米和親条約のときに開かれた。
ウ. 井伊直弼が調印したのは日米修好通商条約である。
エ. 井伊直弼は尊王攘夷派を処罰している(安政の大獄)。
問8 三国干渉(1895年)・立憲政友会結成(1900年)・樺太・千島交換条約(1875年)
問9 柳条湖事件・満州国建国(1931~32年)→国際連盟脱退(1933年)→二・二六事件(1936年)→盧溝橋事件(1937年)
問10 ウ
〔ワンポイント!――各時代から少しずつ出題されている。時代ごとに基本事項をしっかり頭に入れ、どこから出されても一定の得点を取れるよう、苦手な時代を作らないように努力しよう。〕
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
地図の読み取り日本の国土日本についての問題。を大きく4つに区切って、気候・産業などについて訊かれている。
問1 等高線(主曲線)の間隔が10mなので、縮尺25000分の1の地図である。本州・北海道・九州・四国の順で大きい。最も面積が小さい県は香川県なので、C。
問2 5㎝×25000=125000㎝=1250m=1.25㎞最東端は南鳥島。最南端は沖ノ鳥島である。
問3 エ. トンネルを通過中のはずであるから、見えない。北海道とカムチャッカ半島の間に連なるのは千島列島。
問4 東日本大震災の発生は3月11日。
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
世界地理・世界遺産について訊かれている。
問1 ガラパゴス諸島は南米エクアドルの約1000㎞西の太平洋上に位置する。
問2 森林で作られた栄養分が川を流れて海へ注ぎ、プランクトンが増えて魚が集まり、よい漁場になるのである。
問3 ナショナルトラスト
問4 ウ. 佐渡の金山は文化遺産で登録されている。
【大問4】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
日本の漁業について。
問1 はえ縄漁法は、大型の魚を一本ずつ少量に、傷つけずに取ることができる利点があり、主にマグロ漁で用いられている。
問2 イ
問3 東北地方の太平洋側の石巻や気仙沼などで特に被害が大きかった。
問4 エ. 特に海水温の変化は魚が通るルートに関わっており、漁獲量に大きな影響を与えると考えられる。
〔ワンポイント!――今年度は漁業に関連した問題が多く出された。苦手な範囲が出されてしまうと大量失点の恐れがある。まんべんなく、苦手な分野をなるべく作らないよう丁寧に学習しよう。〕
【大問5】現代社会分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
先進国首脳会議を題材として、環境問題や政治のしくみなどについて訊かれている。
問1 G7サミット
問2 人間環境宣言(1972年・国連人間環境会議)→アジェンダ21(1992年・国連環境開発会議)→京都議定書(1997年・COP3)
問3 Ⅰ. 市中の通貨量を減らすとデフレになり経済は停滞する。
Ⅱ. 税率を引き上げれば可処分所得が減り、不景気になる。
問4 フランスのマクロン大統領
問5 (1) 人口や地域の経済規模により税収に大きな差が出る。ふるさと納税はこのような税収の格差を小さくすることを目標として設けられた制度である。
(2) イ. PKO協力が公布されたときの総理大臣は宮沢喜一である。
(3) ウ. 2017年の選挙で475人から465人に削減された。
〔ワンポイント!――やはり前年度の出来事は問題にされやすい。資料集・重大ニュース集などを活用し、最新の情報に触れておこう。〕
攻略のポイント
基本事項の問題が多いので、テキストをしっかり覚えるのが第一である。選択肢問題がポイントになる点を意識して、文の細かい部分まで注意深く読むクセをつけよう。地理分野はあるテーマについて詳しく訊く問題があるので、その分野で穴が開いていると大量失点の恐れがある。テキスト全体にムラが無いよう取り組んで、苦手な項目をつくらないようにしたい。政治経済分野は直近の新しい話題も取り上げられているので、重大ニュース集などで最新の情報に触れておこう。
毎年、今年度から記述問題が出されているので、今後も出題があるという前提で対策を立てよう。
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