学習院中等科 入試対策
2025年度「学習院中等科の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問2つに小説の読解と論説文の読解、そこに漢字の書き取りが含まれるという形が定型となっている。接続詞や四字熟語など、ことばの知識も数問織り交ぜられている。文量は9000~10000字程度。総解答数は30~35問ほど。設問は選択肢・書き抜き・穴埋め・記述など。記述問題は計6問ほど出されている。
長文読解
素材文は受験生の年齢を考慮した理解しやすい内容のものが多い。漢字に読みが示されている場合もあり、難易度を適切に設定している印象である。それだけに、大事な質問は記述問題になっている場合が多い。
小説なら人物の心情や物語のあらすじ・テーマ、論説文なら要点や要旨などが記述問題で訊かれる。「この物語はどんな物語か。」「筆者の主張は何か」ということを40~80字程度でまとめる問題が毎年出されている。正解を自分のことばで書く必要があるので、確かな読解力が必要である。それぞれの文章の読解の基本をしっかり身に付けよう。
・物語・小説
登場人物の整理――名前・人数・それぞれの性格・互いの関係などを確認する。登場人物の人数を訊く問題が出されることもある。祖父母や孫など人物が多くなると関係がわかりにくくなる場合もある。同じ気持でも性格が違えば行動も異なる。注意しよう。
場面分け――場面の変わり目に注意。時間・場所・人物の入出などで場面の変化をチェックする。それぞれがどんな場面なのかを考えておくと、あとで全体を見渡してテーマを考えるときに役立つ。場面の変わり目自体を訊く問題も見られる。
心情把握――人物の言動・表情・情景などから気持ちを考える。その際にはこれまでの人生経験や読書経験が役に立つ。人生経験はともかく、読書経験は自分の努力しだいで増やすことができる。多くの小説を読み、様々な登場人物に触れておくことが何よりの実力アップの手段となる。
テーマの把握――誰のどんなことを描いた話なのか。本校では「○○が××する物語」という形であらすじを訊かれることが多い。全体を短く的確にまとめる必要がある。
・説明文・論説文
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落には内容を短くまとめて小見出しをつけておくと、段落のつながりや要旨を考える際に役立つ。
要点と細部の区別――段落で最も大事な1文には傍線などで目印をつけてしまう。それ以外の細部には要点の捕捉や言い換えなどが含まれる場合が多い。書き抜きや記述問題で訊かれることが多いだろう。
要約と要旨――要旨をつなげて要約を作る。そのなかで筆者のもっとも言いたいことが要旨・結論である。本校では記述問題でまさに要旨が訊かれるので、説明的文章を読むときには要旨を70~80字程度でまとめる練習をしておこう。
大事なことは記述問題で訊かれるという本校の特徴を踏まえて、心情や要旨を言葉で書いてまとめる練習を重ねることが重要である。
漢字・ことばの知識
漢字の書き取りが15~16問出題されている。特別な難問ではないので、標準~中級の漢字教材をしっかり仕上げておけば得点できる。ことばの知識も数問出されている。持っている教材をひととおりこなしておこう。
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2025年度「学習院中等科の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は小説が約6500字・論説的随筆文が約3500字の計10000字ほどで総解答数は25問。問題数は多くないので読むスピードが遅すぎなければ時間は足りるだろう。記述問題が長短合わせて計6問あるので、15分ほどはかかると見ておきたい。
漢字以外のことばの知識などは数問ほどと少ない。読解の正確さとスピードを意識して訓練しよう。
【大問一】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
① 旗 ② 歌唱 ③ 眼鏡 ④ 勢(い) ⑤ 燃料 ⑥ 拝(む) ⑦ 針 ⑧ 専門家 ⑨ 養蚕 ⑩ 沿海
<時間配分目安:3分>
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:26分
- ★必答問題
洋菓子店を営む主人公の、心のこもった丁寧な仕事ぶりが描かれる。
問一 主人公は洋菓子店を営んでいる。
問二 毎回、「なるべく」一定の品質の商品を提供しようと思ってはいるが、天気・湿度・材料の状態などが日ごとに異なり、全く同じものは作れないのである。
問三 「埃が積もっていては台無しなので」「今日の営業が終われば崩し、明日また積み直す」のである。
問四 しらみ潰し――物事を端から入念に処理すること。
問五 お母さんが作ったパウンドケーキは型から出すと潰れてしまったのに、主人公が作ったものはしっとりふんわりしていたので、「うそ(みたい)」と驚いた。
問六 (例) おいしくできたパウンドケーキを女の子にも食べてもらいたいという気持ち。
問七 後で考え直しているが、女の子の発言を聞いて主人公がまず感じたのは「それはお客さん側の感覚でしかない」という「違和感」だったので、ここを理由とする。
問八 (例) 男が「お客さんの喜ぶ顔を思い浮かべながら、丁寧に誕生日ケーキを作成する(三十二字)」物語。
〔ワンポイント!――話の中心は主人公の洋菓子職人としての心のこもった仕事ぶりである。特に最後の場面の誕生日ケーキのエピソードには主人公の人間性がよく表れているので、問八はここを中心にまとめれば良いだろう。〕
<時間配分目安:26分>
【大問三】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
- ★必答問題
人の気持ちは言葉にしないと相手に伝わらないので、断られたり否定されたりするのを恐れず、しっかり主張した方がよい。
問一 以心伝心――言葉や文字を使わずに心が通じ合うこと。
問二 (例)「これを言ったら嫌われる」・「言って否定されるのが怖い」といった心理があるから。
問三 ここで言う「表裏一体」とは、どこかで我慢すると、それが別の場所で攻撃となって表出してしまうということであるから、選択肢ウは当てはまらない。
問四 この「あやうさ」ははっきりNOと言えないストレスが元になっているので、「しっかりと主張し、いやなものは『いや』と断った方がいいのです」が対応策ということになる。
問五 「言いやすい人に言いやすいことを(易)」→「言いやすい人に言いにくいことを(やや難)」→「言いにくい人に言いやすいことを(難)」という三段階があって、書かれていないがこの後に「言いにくい人に言いにくいことを(最難)」という最終段階があるわけである。
問六 「痛い場所がつかめれば、手当ての仕方もわかって、治療もできる」、痛みの原因がわかれば「そこからいかに早く立ち直れるか、方法」が考えられるのである。
問七 人に話すことでカタルシス(浄化)効果が生まれ、言葉にすることで抽象的だったものが具体的に整理されて、気持ちが落ち着いてくると述べられているので、以上のような内容を字数にまとめればよい。
〔ワンポイント!――論説文の記述問題なので、「文中の言葉を用いて」という設問になっている。字数が少なめなので、簡潔に文中の使える部分をまとめればいいだろう。〕
<時間配分目安:21分>
攻略のポイント
小説のあらすじやテーマ・論説文の要点や要旨などの重要点が記述問題で訊かれている。普段から自分の読んだ文章について、重要点を短くまとめる練習をしておこう。1行ほどの短文記述もあるので、そちらも対策して慣れておくこと。その他の選択肢問題や書き抜き問題は答えやすい問題が多い。読解力が適切にあれば得点できるだろう。
漢字の書き取りも10~15問ほど出される。全問正解で点を積み上げたうえで、読解問題でさらなる得点を目指そう。
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