逗子開成中学校 入試対策
2025年度「逗子開成中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
リード文を読み、下線部について答えていく総合問題である。2023年度まで総合問題1問だったが、2024年度は大問ごとに分野別になっている。総解答数は40~50問と多めである。
リード文は3000字ほど。年度によって500字・1000字などのリード文がさらに足されることもある。例えば、和食(2017年度)や金(2018年度)などを話題とした長文に、2018年度ではさらに憲法についての短い文章が加えられた。おおむね、下線部だけ読めば答えられる問題が多いが、本文や追加された短い文章を参考にして答える問題(2017年度・2019年度の記述問題)などもあるので、設問をよく確認すること。
大問が無い場合でも、設問はだいたい分野ごとにまとめて出されている。地理・歴史・政治経済が前部・中部・後部におよそ分かれている年度や、数問~十数問ごとに分野が入れ替わり出される年度もあった。設問は適語記入と選択肢が中心である。記述問題も3~4行ほどの文量で2問ほど出されるのが通例となっている。
地理分野では地形・地名・産業・気候など、幅広い項目から出題されている。地図・統計グラフ・雨温図などの資料が多く用いられている。資料集などで最新のデータに触れておくとともに、地図上での位置を訊かれる問題も出されているので地図・白地図なども手元に置いて、各地の様子を頭に入れておこう。
歴史分野は各時代の人物・出来事・文化など、各項目から出題されている。年代順の並べ替えの問題も毎年見られる。この分野ではあまり資料は用いられていない。選択肢問題では時代・人物・出来事などの各要素が正確に記憶できているかを問われるので、例えば江戸時代の改革や鎌倉時代の仏教など、内容を混同しやすい項目は時に注意して正確に覚えてしまおう。
政治経済分野は、憲法や政治の仕組みに加えて、直近の時事問題や国際関係などの現代社会分野も出題されており、問題数で言えば後者のほうが少し多い印象である。時事問題集・重大ニュース集などで、特に直近1~2年の出来事について詳しくなっておこう。
記述問題
ここ数年は記述問題が2題出されている。2025年度は計6問の記述問題が出された。字数指定は無いが、50字程度でまとめられる内容である。江戸の住人の約半数が武士だった理由(2025年度)や避難所の問題点とその解決策(2024年度)などの出題があった。資料・データを読み取って考えたり自分の知識で考察したりと、パターンもそれぞれである。2017年度では、本文を参考にまとめることによって解答できる、国語のような記述問題も出されている。どのパターンで出されても既定の字数を書いて部分点だけは逃さないように、過去問や類似問題でよく練習しておきたい。
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2025年度「逗子開成中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計1500字ほどのリード文が使われており、総解答数も43問と多い。適語記入も多いので書く量も多くなる。その分、時間が40分と長めではある。
ペース配分に注意して、本文を素早く読み終えて知識問題を手際よくこなせば、記述問題に余力を残せるだろう。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
ゴミ問題を話題として、人物や出来事について訊かれている。
問1
ア. 登呂遺跡は弥生時代の遺跡である。
イ. 気候が温かくなって海面が上昇し、日本が大陸から分離された。
ウ. 旧石器時代の説明である。
問2 モースによって発見された大森貝塚。
問3 奈良県・ウ
問4 源実朝暗殺(1219年)→円覚寺の建立(1282年)→鎌倉府の設置(1349年)→北条早雲の鎌倉入り(1495年)
問5
Ⅰ. 元禄文化(江戸時代前半・徳川綱吉の頃)
Ⅱ. 島原・天草一揆(1637~38年)・生類憐みの令(1685年)・小石川養生所(1722年)・田沼意次の政策(1758~86年ころ)
問6
イ. 女子にも男子の3分の2の口分田が与えられた。
エ. 都を警備するのは衛士(えじ)である。
オ. 国司は都から派遣された。
問7 江戸には将軍が住んでおり、その近くに旗本や御家人が居住した。また、参勤交代で地方の大名やその家族・家来などが多く江戸で暮らしていた。
問8 ゴミが投棄された場所は江戸へ物資を運ぶ船の航路になっており、ゴミが堆積すると江戸への物流が滞る恐れがあった。
問9
ア. 貿易に関する条約としてハリスと結んだのは日米修好通商条約である。
イ. 日朝修好条規は日本にとって不平等な条約であった。
エ. 千島列島は日本領とされた。
問10 津田梅子
問11 ノルマントン号事件(1886年)→治外法権の撤廃(1894年)→日英同盟(1902年)→シベリア出兵(1918~22年)
問12 芥川龍之介
問13
X. 米も配給制であった。
Y. すべて疎開したわけではなく、子どもの犠牲者もあった。
問14
ウ. 警察予備隊は朝鮮戦争をきっかけに、国内の治安を維持するために設置された。
オ. 日本の国際連合加盟は1956年である。
問15
Ⅰ. 池田勇人
Ⅱ. サンフランシスコ平和条約の調印は1951年である。
〔ワンポイント!――キーワードを使う記述問題が出されている。ワード自体が手掛かりにもなっているので考えやすい。過去問で慣れておこう。〕
<時間配分目安:16分>
【大問2】現代社会分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
ゴミ問題を題材とした問題。
問1
Ⅰ. 1945年8月6日
Ⅱ.
ア―その後、インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮などが核兵器を保有している。
イ―水中ではなく、地下以外での核実験が禁止された。
エ―ロシアは現在でも大量の核兵器を保有している。
問2
Ⅰ. 公害対策基本法
Ⅱ. X―四日市ぜんそくは大気汚染が原因である。
問3 エ. 裁判員制度の説明として正しい。
問4 緊急集会は、内閣が決定したとき・衆参どちらかの議院の総議員の4分の1の要求があったときに召集される。
問5 イ
問6
Ⅰ. 国連人間環境会議
Ⅱ. 両方正しい。
問7 リデュースはそもそものゴミの量を減らすことである。買物袋の有料化により使用を控える人が増え、袋ゴミが減ることが期待される。
〔ワンポイント!――社会的な問題に関心を持つことが記述問題でも役立つ場合は多い。特に近年話題になった出来事は出題されやすいので、注意しておこう。〕
<時間配分目安:9分>
【大問3】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
ゴミ問題を話題として、各地の産業や貿易について訊かれている。
問1 太郎くん:ア 次郎くん:カ
問2 ウ
問3 Aはサウジアラビア・アラブ首長国連邦が上位なので原油、Bが石炭。過去に国内産が多かったCは石炭、Dが原油である。
問4 福井県に多く見られるCが原子力、日本海側の山脈沿いに多いBは水力、太平洋側の大都市近くに多いAが火力である。
問5 気温の低さからイは仙台市、冬の降水(雪)量の多さからウは新潟市、年間の降水量の少なさからエは大阪市、残るアが静岡市である。
問6
Ⅰ a. 農地改革 b. 食糧管理 c. 減反 d. 関税
Ⅱ 米の作付面積と収穫量が1位のアは東北地方で、2位のイが北陸地方である。
問7 人口減少率が高く、高齢化が進んでいるエは秋田県、第2次産業が特に多いウは豊田市がある愛知県、東京に近く人口減少率が低く第1次産業も少ないイが神奈川県で、残るアが沖縄県である。
問8 航空は貨物より旅客の方が多いと考えられるので、Yが旅客でXが貨物。貨物・旅客ともに多い①が自動車、貨物が多い②が船舶、③が鉄道となる。
問9
Ⅰ. 焼却や破砕をすることで、ごみの体積を減らすことができる。
Ⅱ.
① 食品を小分けにすることで必要な量だけ使用でき、食べ残しを減らすことができる。
② 小分けにすると容器がふえ、容器ごみも増えることになる。
〔ワンポイント!――物事の良い面と悪い面を同時に考えることで理解が深まる。よい点ばかりでなく、マイナスの面にも考えを巡らせ、思考力を高めよう。〕
<時間配分目安:15分>
攻略のポイント
これまで大問の無いテスト形式だったが、2024年度以降は3つの大問問題が設けられた。とりあえずはこの形式が続くものと予想して、過去問でよく慣れておこう。
記述問題は論述タイプ・説明タイプ・国語タイプとパターンがあるので、いろいろな記述問題をこなしてまとめ方を練習しておこう。もっとも、配点は他の問題と大きくは違わないので、難しいと思ったら他の問題に時間をまわすのも手である。
適語記入は原則漢字なので、難しい人名などもしっかり覚えておきたい。
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