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慶應義塾大学 文学部の小論文試験対策と勉強法

出題傾向・攻略のための勉強法・推奨テキスト

「文学部の小論文」
出題傾向・攻略のための勉強法・推奨テキスト

ここでは、慶應義塾大学の文学部を目指す方に対して、小論文の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

2021年度より実施される大幅な「大学入試制度改革」に伴う本大学の方針として、学部一般入学試験では、全学部において『大学入学共通テスト(「センター試験」の後継)は利用せず、従来のとおり各学部のアドミッションポリシーに則った入学者選抜を実施する』と発表されています(2018年11月19日)。したがって、本稿もこれまでに準じて「入試傾向と対策」を説明していきます。ただし、方針の微調整がなされるやも知れぬので、今後の動向を注視しましょう。尚、以下の入試傾向は、2018年度までの入学試験に準拠しています。

慶應義塾大学文学部 小論文試験の出題傾向とは

出題範囲(分野)

文学部の試験科目としての小論文は、「資料を与えて、理解と表現の能力を総合的に問う」と入学案内に明記されています。
本学部は、哲学系(哲学・倫理学・美学美術史学)、史学系(日本史学・東洋史学・西洋史学・民族学考古学)、文学系(国文学・中国文学・英米文学・独文学・仏文学)、図書館・情報学系(図書館・情報学)、人間関係学系(社会学・心理学・教育学・人間科学)といった多様な分野を網羅しています。
 文学部といっても、慶應の学部系統は文学や芸術に限定されていないので注意を要します。それら多種多様な分野に関する資料(=課題文としての論説文(評論文))が提示され、理解(=読解力を問う要約問題)と表現(=受験生自身の見解を問う論述問題)の能力が、総合的に評価されることになります。

出題量と時間配分

課題文の文章量は6000字強程度で、他の上位校の現代文と比較して標準的です。
試験時間は90分です。課題文を8分強で読了し、要約問題を20分程度で仕上げ、論述問題の構成メモは30分以上をかけてしっかりと作成し、残りの30分弱で、誤字・脱字などに細心の注意を払い、丁寧に論述していきましょう。

出題形式

課題文(稀に複数の文章で構成される年度もあります)が示され、それに関しての設問2題が定着しています。
例年、設問Ⅰは、課題文の内容理解を問う要約問題(純粋な要約ではなく論点・視点が提示される年度もあります)で指定字数は300~360字以内、設問Ⅱは、課題文に就いての受験生自身の見解を問う論述問題(設問条件あり)で指定字数は320~400字以内となっています。
尚、2012年度以降、指定字数は一定ですが、以前は変更が繰り返されていたので、注意する必要があります。

 

慶應義塾大学文学部 小論文試験を攻略するための勉強法

知識

小論文だから知識は無用、とは無論なりません。硬質な課題文を理解し咀嚼する為には、難解な語句や頻出テーマに関する「キーワード」を読み解く知識が、当然必要になります。
また、論述での誤字・脱字は確実に減点要素であり、逆に的確な表現力は加点要素に結びつきます。従って、漢字ひとつたりとも疎かにはできず、高度な語彙力を養成する必要があります。その為には、先ずは己が実力を把握することが重要です。
センター試験の漢字問題(要は同音・同訓異字判別)がひとつの目安となります。最低10年分以上の過去問をこなしてみましょう。その結果次第で、具体的な学習を進めていきます。尚、以下のサイトは漢字問題だけがまとめられているので便利です。
http://www.kanjijiten.net/center/index.html

読解

小論文といっても課題文が示され、それに就いての設問として要約・論述をするので、その点では現代文の問題と捉えなくてはいけません。課題としての論説文(評論文)の内容を、いかに正確に読み取るかが最優先となります。
そこで重要なのが、最重要解法であるNの法則の習得です。本文を序論・本論・結論に分け、論旨が述べられている序論部・結論部の対応関係、及び、本論部での段落相互関係に着目して読解する、という手法です。これを完璧に理解、定着させ、応用できるようになるまで問題練習を重ねることが重要です。無論、他の解法も同様です。

要約

設問Ⅰは単なる論旨要約だけではなく、限定的な論点・視点が提示される場合があります。そうしたときは、そこに焦点を絞って論旨をまとめる必要があります。
先ずは、参考書などを活用して、あらゆる論点・視点を即座に把握できるようになるまで、現代文の解法に習熟しましょう。その上で、多くの問題集に記されている問題文の要旨等を使って記述練習を重ねましょう。その際、文法・文脈などの文章の基本や、内容が正確に伝わっているかどうか等に就いて添削指導を受けることが望ましいです。

論述

設問Ⅱの論述は、小論文としては短いです。その中で自らの考えを的確に論じる為には、構成メモの作成が欠かせません。頭の中のイメージを実際に記して視覚化し、客観的に捉えるという作業です。最重要となる論旨、そして、それを説明する為の様々な論点・視点を思いつくままに並べ、それらを整理し、チャート化していきます。その上で、頭括型の論述としてまとめるべく、それぞれの要素を整理し、序論・本論・結論のバランス(原則的には1:2:1)を整えます。こうした構成メモを作成することを繰り返し練習していきましょう。兎にも角にも構成メモが成否を分けると心得ましょう。
あとは実際の論述練習ですが、無論、添削指導を受けることは必須です。

 

推奨テキスト

ここからは、勉強に役立つテキストについてご紹介します。しかし、テキストは相性がありますので、できるかぎり、書店で実際に手にとって確かめることをおすすめします。
ここではテキストを知識編、読解力編、論述編、小論文編に分けてご紹介します。

知識

(1)『漢字 一問一答【完全版】』(東進ブックス)
(2)『現代文最重要語句 暗記いらずのらくらく練習帳』
(学研)
(3)『頻出現代文重要語700(三訂版』
(桐原書店)
(4)『現代文キーワード読解(改訂版』
(Z会出版)。
前項のセンター試験(漢字問題)チェックで、5割未満の場合は(1)から、6割は(2)、7割は(3)、8割は(4)から始めるのが目安です。反復練習して完全習得させます。特に(4)では、キーワード編のみならず頻出テーマ編も熟読し、完全に理解しましょう。 

読解力

(1)『システム現代文  バイブル編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。解法って何? といった諸君にお薦めの入門書です。根本を徹底的に解説しており、マスターすれば解法は一通り理解できます。

(2)『現代文読解力の開発講座(新装版)』(駿台文庫)
中級レベルです。文章を客観的に捉える術が丁寧に説明されており、GMARCHから慶應へのステップアップ段階の1冊です。

(3)『現代文と格闘する(三訂版)』(河合出版)
上級レベルです。文章を読み繋ぐことを主眼として、その為のシンプルな視点を提案しています。文学部の課題文を確実に読解する1冊です。

※尚、(2)(3)には要約問題があるので、必ずこなしておきましょう(設問Ⅰの対策になります)。

論述

(1)『システム現代文 論述・記述編(改訂新版)』(水王舎)
初級レベルです。記述問題から要約・解説問題までを明快に解説し、論述習熟の為に何を学習すればいいかが分かる1冊です。

(2)得点奪取 現代文 記述・論述対策(三訂版)』(河合出版)
中級レベルです。実例答案をもとに、答案作成のコツを具体的に提示しています。自己採点ができて、論述問題に自信がつく1冊です。

(3)『[記述篇]現代文のトレーニング(改訂版)』(Z会出版)
上級レベルです。頻出テーマに沿った問題構成で、完成度も自ら把握できます。論述問題の総仕上げへ向かっては不可欠の1冊です。

(4)『上級現代文Ⅱ』(桐原書店)
最上級レベルです。これまでに演習してきた論述問題の考え方、解き方が定着しているかどうかをチェックできます。文学部の要約問題攻略へ最終段階の1冊です。

小論文

(1)『吉岡のなるほど小論文講義10(改訂版)』(桐原書店)
初級レベルです。小論文とは何か?どのように文章を組み立てたらよいのか?という基礎・基本を体系的に解説しています。入門から基礎力養成の1冊です。

(2)『合格できる小論文』(河合出版)
中級レベルです。系統別実践演習問題を収録、自己評価グラフで到達度確認もできます。文学部の論述問題への完成度を高める1冊です。

(3)『小論文を学ぶ――知の構築のために』(山川出版社)
上級レベルです。読みと書きの技術論・小論文に必要な知の構築・実践演習を通じての知の習得の3部構成で、8割以上の得点ゲットをターゲットに据える1冊です。

(4)『小論文 テーマ別課題文集 21世紀を生きる〈改訂版〉』(駿台文庫)
最終レベルです。主要頻出テーマごとの論点整理・キーワード解説が充実です。万全を期すための1冊です。

(5)『慶応大学文学部(過去問)』
実践レベルです。数多く解き、文学部合格への最終的な仕上げとしていきましょう。

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