ここでは、東京理科大学の工学部を目指す方に対して、英語の試験の出題傾向や試験合格のための勉強法、さらに、おすすめのテキストをご紹介いたします。なにから始めればいいのかわからない、効率的に勉強したい受験生は、ぜひ参考にしてください。

東京理科大学工学部　英語試験の出題傾向とは

出題範囲（分野）

読解総合問題の比重が半分を占めますが、その中の設問を見ると、語彙や語法・文法について問うものが多いです。さらに、その他の独立した大問でも、文法(語句整序を含む)・語法や語彙等の知識問題を中心に出題されており、全体として基本～標準的な知識を問う問題が非常に多いのが特徴です。

出題量と時間配分

60分で100点満点で大問6題構成です。2021年度は読解総合問題が2題で、全体の配点の50点分でした。残りの大問は標準レベルの単純な知識問題ですが、問題数が多いため、即座に正解を判断出来るように準備・演習しておく必要があります。読解総合問題に30分以上はかけて正確に解きましょう。

出題形式

読解問題2題(大問1と2)と文法問題1題(大問4)は、設問を含め全て英問英答の形式での出題となっています。もう1題の文法問題(大問3)と語句整序問題(大問5)も英問英答ですが、完成する英文には日本語訳が書かれています。内容は、読解総合、文法・語法、熟語等の知識、語句整序、単語問題が出題されています。

解答形式

2021年度を含めて最近は全て記号(マーク式)問題ですが、かつては一部記述問題が出されたこともありました(下線部の和訳や説明を求めるもの)。読解では、文章内容に関するものの他は、語彙に関する出題が多いです。語句整序も記号での解答でミスをしやすいため、落ち着いて取り組みましょう。

東京理科大学工学部　英語試験を攻略するための勉強法

本学部の入試問題を一見すると、読解総合問題の比重が比較的大きいように見えますが、内容的には語法・語彙等の知識が問われている設問が多いです。大問としても、例年3～4題が知識問題となっていることを考えると、まずは基本的な知識を正確にインプットすることが攻略のために不可欠です。

語彙

語彙については、難解なものはほとんど出題されていないため、一般的な単語帳を1冊仕上げておくことが大切です。1順目は1単語1義で覚えて良いですが、2順目以降は派生語等にも注意をして、単なる“暗記”ではなく、“理解”しながら進めましょう。出題パターンは、綴りや同意表現、空所補充等様々ですから、出来れば問題集等でアウトプットに慣れておきましょう。

文法・語法

文法・語法についても、標準的な問題ですから、学校等で使う一般的な問題集でインプットは十分です。ただし、語句整序を含めて様々な出題形式に対応出来るよう、演習を積んでおく必要があります。

読解問題

読解についても、やはり基本的な力を見るものであり、多くの設問は知識問題の延長線上にあると言っても過言ではありません。とはいえ、読解文中で出題されることから、文脈や内容を把握出来なければ正確な解答を導けないでしょう。したがって、私大の標準レベルの文章で、正確な内容把握を意識して十分に演習しておきましょう。易しい出題である分、正確に解答出来なければなりません。演習して分からないところは、辞書や文法書でその都度疑問を解消しておきましょう。

なお、本大学の他の理系学部では、設問を含む全てを英文で出題する傾向にあり、本学部でも同様の変更が起こり得るため、工学部の過去問以外にも、他学部の最近の過去問を参照しましょう。理学部や理工学部の読解文は難しいものも多いですが、出題される設問は、英語で出されてもすぐに意味を把握できるようにしておきましょう。

推奨テキスト

ここからは、勉強に役立つテキストについてご紹介します。テキストは相性がありますので、できるかぎり、書店で実際に手にとって確かめることをおすすめします。

（１）英単語ターゲット1900(旺文社)
本学部では難単語が出される可能性は低く、読解文中でも同様です。ただし、本学の英語の入試問題は、全体として英語部分が増え難化の傾向にあります。これを踏まえ、少なくとも本書の1500語程度は、しっかり覚えておきましょう。

（２）英文法レベル別問題集3 標準編 (東進ブックス)
（３）英文法レベル別問題集4 中級編 (東進ブックス)

文法については、まずは学校等で習う基本知識を徹底して理解・暗記しましょう。その上で、単元別に不安があれば本書の3、総合的には4を使って知識の定着を確認しておきましょう。少なくとも本書の問題の中に「分からない」ものがないようにしましょう。

（４）英文法ファイナル問題集 標準編(桐原書店)
工学部の入試問題では文法・語法を重視した基本的な出題であり、本書シリーズ標準編は工学部の出題と同じかやや難しいレベルの出題です。あくまで単元別の学習を終えた後、文法・語法の仕上げとして、本書の第1～9回の演習と復習を徹底してましょう。かつては会話問題が出たこともあるため、第10回も念のため演習しておきましょう。

（５）英語長文レベル別問題集3 標準編 (東進ブックス)
（６）英語長文レベル別問題集4 中級編 (東進ブックス)

工学部の読解文は比較的易しいため、失点すれば大きなビハインドとなります。したがって、易しめの英文を正確に理解する練習が不可欠です。本書では、文構造についても徹底して分析しているため、疑問点があれば解決出来るはずです。日頃から丁寧な読解を心掛けましょう。

（７）東京理科大学(理系他学部)過去問
本学他学部の英語の入試問題では、設問を含む全文が英語となりつつあります。「出題形式の特徴」で述べた通り、工学部の出題では一部日本文が含まれますが、今後の変更に備えて、他学部の最近の過去問を解いておきましょう。読解文は本学よりも難しいですが、少なくとも設問としてどのようなものが出されるかチェックしましょう。