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千葉大学医学部の傾向と対策

化学(2012年)の傾向と対策

学部別に解答する大問が異なりますが(そのため下記の大問番号が順番通りになっていません)、医学部の大問数は2012年度4題、2011年度5題、2010年度4題となっています。有機分野から融合も含め2,3題出題されており、タンパク質、アミノ酸、糖などの天然高分子化合物からの出題も多くなっており、難易度が高い問題も含まれています。ただし全体的な流れとして、ここ数年難問は見られず標準的な問題が多くなっていますので、全分野の標準的な問題を数多く演習することが重要となります。また計算問題は計算過程も記す形式でかつ計算が煩雑である点、論述問題も毎年出題される点、注意が必要となります。

センター試験900点、二次試験1000点の配点となっており、二次試験の理科2教科で120分300点の配点となっています。ここ数年、化学の大問数は4,5題となっており、合格最低点が1900点中、2012年度が1373点となっています。年度によって差はありますが、合格するためには2次試験の化学で7~8割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

2012年度の大問別テーマは、大問1で15族元素(窒素とリン)の単体とその反応、硝酸の製造と性質、ハーバー・ボッシュ法、オストワルト法、中和反応などの問題(理論、無機)。大問3でセルロースの結晶構造、トリアセチルロース、生成熱などの問題(理論、有機)。大問4でアルケンとアルカン、付加反応、置換反応、異性体などの問題(有機、理論)。大問6でグルタチオンの構造、アミノ酸とタンパク質の反応と性質、油脂などの問題(有機)となっています。

大問4題中で3題有機化学分野も出題されています。大問3のセルロースの結晶問題が見慣れないタイプの問題で、難しく感じた受験生も多かったかと思います。リード文を落ち着いて読んで、問3の分子量まで解答できれば充分合格できたと思われます。

論述問題は大問1で不動態について説明する30字問題と大問6でグリコーゲンの水溶液にヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を加えると赤褐色に呈色し、その後加熱したところ無色に変化した理由を説明する60字問題の2題が出題されています。後半問題はグリコーゲンという名称、赤褐色、無色もその前の小問で問われています。不動態の論述は基本的でしたが、グリコーゲンに関しては多少差がついたかと思われます。

2011年度は、大問1で実在気体の理想気体からのずれなどの問題(理論)。大問2で水分子の分子内・分子間の結合様式、物質の結晶構造および水と氷の密度の違いなどの問題(理論)。大問3で酸化還元反応および酸化剤、還元剤の性質、金属のイオン化傾向などの問題(理論)。大問5で異性体の構造決定問題(有機)。大問6でタンパク質の一次構造や高次構造にみられる特徴的な結合、アミノ酸由来物質を用いた実験考察問題(有機)となっています。

60分で大問5題出題されており、時間内にすべて解ききることは難しかったかと思われます。出来そうな問題を見極め、素早く処理できたかが鍵となったでしょう。大問1は難問で5つの小問全てが証明、理由、説明の論述問題となっています、この実在気体の理想気体からのずれというテーマは重要で本校の受験生なら何となく理解はしていたかとは思いますが、限られた時間内に5問全てを論述するこの問題は手強かったかと思います。

2010年度は、大問1で銀の単体と化合物の性質、反応、溶解度積などの問題(理論)。大問3で水素-酸素燃料電池、電気分解、電気エネルギーなどの問題(理論)。大問5でアセチレンの反応、アルキンの構造決定問題(有機)。大問7で油脂の性質と反応などの問題(有機)となっています。全体的に標準問題が大半でしたので取り組みやすかったと思われます。

以上、化学Ⅱも含め有機化学の出題割合が高く、有機分野の問題で難易度の高い問題が出題されるのが本校の大きな特徴となっています。また計算問題は計算過程を記述する点、論述問題も毎年出題される点も十分対策する必要があります。
まずは全ての分野の標準分野を仕上げ、有機化学分野を中心に一歩踏み込んだ学習が大切になります。また構造決定の問題において、リード文のヒントが十分でなく多少解きにくい問題も散見されていますので、注意が必要となります。まずは想定される構造、物質を仮置きしながら推測していく作業が必要となりますので、過去問演習を通して、本番であわてないように十分練習することが重要となります。

最後に具体的な学習法としては『化学重要問題集』(数研出版)などをなるべく早い段階で完璧に仕上げたいところです。次に有機化学の発展学習として『有機化学の最重点 照井式解法カード』(学研)を特に化学Ⅱの範囲を中心に何度も読みこなしたいところです。医学部を志望、つまり医者になりたいのであれば、生命と物質の補足分野なども今後の人生になくてはならない基礎知識になりますので腰をすえて読みこなしたいところです。そして定期的に『大学入試の得点源 化学有機』(文英堂)を使い、知識の確認作業を行うことで知識の定着を図る学習方法をおお勧めします。

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