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杏林大学医学部の傾向と対策

化学(2012)の傾向と対策

  2011年度から試験時間が1科目当たり10分短くなり50分となったこともあり2012年度も分量もやや減少し、難易度も大幅に易化しました。2008年度以降は形式もマーク式となり、それまで散見された難問も大分少なくなってきた背景もありますので、過去問演習をする際は2008年度以降の分で十分と言えるでしょう。理科2教科で100分の試験時間で例年大問4題の出題となっており、年度によって差はありますが8~9割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

  2012年度の大問別テーマは、大問1で化学基礎知識の集合問題となっており、文章の空欄にあてはまる用語、例えば金属元素、典型元素、錯イオン、配位子、共有結合などを選択するなどの問題。大問2で酢酸の電離平衡に関する問題。大問3で酸化還元に関する問題。大問4でベンゼンを起点とした反応経路を題材にした有機化学の問題となっています。

  本年度は基本的な問題ばかりとなっていますので、満点も十分狙えた問題となっています。ただ文章正誤問題が10コの選択肢から正しいものを全て選ぶ形式が2題出題されており、この問題が多少難しく感じたかもしれません。

  大問1では問3の遷移元素のイオンに結合する分子やイオンすべてに共通する性質を選択する問題で得点差がついたかと思われます。
  大問2では電離平衡の基本的な考えを考察する問題なので、合格のためには落とせない問題となっています。
  大問3では過マンガン酸カリウムが酸性のときはマンガンイオンになりますが、中性・塩基性のときは酸化マンガンになる点を理解していたかが分岐点となったでしょう。
  大問4の文章正誤問題が正解率の低い問題になったと思われますが、決して難問ではないので合格のためには解きたいところです。

  本校は例年合格者9割前後を浪人生が占めているので、現役生の合格者を増やすため、浪人生と現役生と差が付きやすい理科の配点を低くし(200点→150点)、試験時間も短縮し、難易度も下げるなどここ数年変化が激しくなっています。したがって、現役生も果敢にチャレンジしていきたいところです。

  2011年度は、大問1でハロゲンの性質と反応などの問題。大問2で芳香族化合物の分離、有機化合物の反応、逆適定などの問題。大問3で電解質の水溶液の浸透圧などの問題。大問4酢酸エチルの加水分解の反応速度に関する問題となっています。
  標準的な典型問題がほとんどとなっており、マーク式であることも含め比較的取り組みやすかったと思われます。2008年度以降マーク式となり、同時に問題も標準的な問題が多くなっています。

  2010年度は、大問1で芳香族化合物の反応、エステルの加水分解などの問題。大問2で塩素の発生法と塩素を含む化合物の性質など無機化合物の問題。大問3で緩衝液とpHなどの問題。大問4で気体の状態方程式と気体の溶解度に関する問題となっています。
大問1で有機化合物の正誤問題が出題されています。またエステルの構造決定が出題されていますが、有機化合物の構造決定は本校の頻出問題なので十分演習を繰り返しましょう。

  以上、本校の傾向はここ数年、非常に取り組みやすく変化してきている点に大きな特徴があります。したがって標準的な典型問題を繰り返し演習しスピード力を身につけること、文章正誤問題などマーク式の問題形式に慣れること、脂肪族を中心に有機化合物の構造決定問題対策を十分積むことが重要となります。また有機化合物の名称も複数ある物質に関しては両方の名称で覚えておくことも大切となります。マーク式の選択肢でマイナーな名称で載る場合もあるので、その点注意が必要となります。

  最終的には2008年度以降のマーク式の過去問演習を通して本校の難易度を肌で感じつつ時間配分に慣れることが非常に大切になります。加えて余裕があれば他の医学部のマーク式問題にも取り組んでおくと更に強みになるでしょう。

  最後に具体的な学習法としては「セミナー化学(第一学習社)」、「化学重要問題集(数研出版)」などをどれだけ繰り返せるかが勝負となります。繰り返すことで知識を確実なものとし、典型的な問題を瞬時に解ける力がまず絶対不可欠となります。またセンター試験を受けない受験生もセンター試験の過去問演習をすることも効果的となるでしょう。

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