医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

日本医科大学の傾向と対策

物理(2012年)の傾向と対策

  典型的な標準的な問題が大半ですが、多少計算力を要する問題が例年出題されます。特徴として力学、電磁気、熱力学、波動の4分野から幅広く出題されています。2012年度も2原子分子理想気体や人の目をモデルとしたレンズの問題などがありました。基本的なレンズの問題に帰着して考察できるか否かが合否の分かれ目となったでしょう。また例年、入試本番の緊張感と限られた時間を考慮しますと、事前に類題を解いたか否かで差がつきやすいタイプの問題が多くなっています。よって幅広く標準的な問題にどれだけあたれるかが合格へのポイントとなるでしょう。

  理科2教科で120分の試験時間で例年大問4題の出題となっており、力学、電磁気を中心に熱力学と波動からも出題されています。原子分野は2005年度以降出題されていません。年度によって差はありますが合格するためには7~8割以上が必要と言えるでしょう。

  2012年度の大問別テーマは、大問1で円運動しながら静止している問題(力学)。大問2でコンデンサー、抵抗の電気回路(電磁気)。大問3で気体分子運動論(熱力学)。大問4でレンズ(波動)となりました。

  例年通り大問4題で記述式、一部数値計算式となっています。大問1,2、3(1)までは典型的な標準問題となっていますので、ここは確実に解きたいところです。ただし大問1は計算量が多少多いので、素早い処理能力が求められています。大問3(2)の2原子分子理想気体の問題は差がついたかと思われますが、やはり私大医学部のトップレベルの本校を目指すのなら単原子だけにとどまらず、2原子分まで考察できる力は養っておきたいところです。また大問4のレンズの応用問題は一見難しく感じますが、丁寧に問題文を読み、基本公式をあてはめていけば解けるようになっていますので、慌てず対応したいところです。

  大問4のような一見難しい問題をいかに基本問題に帰着できるかが、とても大切になります。問題文から解くうえに必要な情報(ヒント)を上手に読み取り、「なんだあ、結局あの基本公式で解けるなあ~」という感覚を身につけることが本校に限らず上位校の物理を攻略する上で重要な能力となります。

  2011年度は、大問1でばね定数、弾性衝突、重心の速度と相対的な単振動(力学)。大問2で理想気体の状態変化と熱効率(熱力学)。大問3で磁場を横切る導体棒に生じる誘導起電力(電磁気)。大問4で斜め方向のドップラー効果(波動)となっています。
典型的な標準問題が中心で前年度より易化していますので、いかにケアレスミスを防ぐかが鍵となるでしょう。

  2010年度は、大問1で水平面上に重ねられた2枚の板(力学)。大問2で光線の経路と通過時間(波動)。大問3で点電荷による電場と電位(電磁気)。大問4で磁場を横切る導体棒の終端速度(電磁気)となっています。
  大問2が屈折の法則を光の通過時間に注目して考察する問題で余弦定理や近似の考えなども含まれており、数学的処理能力が問われています。他の3つの大問は標準的な問題となっていますので、まずはこちらを確実に解き、時間があまった範囲で大問2に取り組むのが現実的な戦略となったでしょう。

  以上、本校の物理は標準問題が幅広く出題されるのが特徴となっています。あまり見慣れない題材が取り上げられることもありますので、力学、電磁気、熱力学、波動の4分野においては万遍なく対応しておくことが不可欠となります。例えば過去に組み合わせレンズ、フェルマーの原理、ガウスの法則、重心速度、断熱変化のポアソンの式、回転導体棒の誘導起電力などが出題されています。

  また1時間で大問4題を解かなければならないので、単純計算1問15分なので数値計算など時間のかかりそうな問題は後回しにするなど、実践的な戦略に関して過去問演習を通して養っておきましょう。ただし普段の学習ではこの点も含めて十分学習することが必要となります。それは計算力向上には数値計算は不可欠となるからです。

  最後に具体的な学習法としては「物理重要問題集(数研出版)」と「良問の風 物理Ⅰ・Ⅱ(河合出版)」などをどれだけ繰り返せるかが勝負となります。繰り返すことで公式の意味、本質を理解し、典型的な問題を素早く解ける力がまず絶対不可欠となります。本校のように幅広く典型的な問題が出題される学校を目指すなら、複数の問題集をモノにしたいところです。ただしその場合も1冊を1回だけでは消化不良を起こしますので最低2回、できれば3回は演習を積んだ上での2冊目、3冊目となります。ただ現役生などはそこまで時間がない場合も多いかと思いますので、受験直前期に問題、解答、解説を幅広く読むだけでも効果があるかと思います。

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