医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

東京医科歯科大学医学部の傾向と対策

物理(2012年)の傾向と対策

過去にはかなりの思考力や計算力を要求する出題もありましたが、ここ数年は標準的な典型問題がほとんどとなっています。生物選択者より物理選択者が有利と言われる所以となっています。ただし、大問1題あたりの設問数は多く、細かい計算問題やグラフを作成する問題なども出題されますので、素早く正確に処理する能力をみがく必要があるかと思います。

センター試験180点、二次試験360点の配点となっており、二次試験の理科2教科で120分120点の配点となっています。ここ数年、物理の大問数は2題となっています。1題は力学で残り1題は他の分野からの出題となっています。2011年度まで電磁気が力学との融合も含め4年連続出題されましたが、2012年度は波動の出題となっています。合格最低点が540点中、2012年度が368.4点、2011年度が369.0点となっています。年度によって差はありますが、合格するためには2次試験の物理で8~9割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

2012年度の大問別テーマは、大問1で滑車を用いた束縛運動(力学)。大問2で薄膜による光の干渉(波動)となっています。2011年度と比べて分量的には変化はありませんが、難易度は易化したように思われます。そのため高得点が狙える問題となっています。

大問1は標準的な典型問題となっています。この中でテーマ(条件)が何回か変わっていますので、使う文字などに細心の注意を払って、前のテーマと混合することなく完答を目指したいとことです。

大問2は後半のガラス板の傾け方があまり見かけないタイプの問題となっていますが、じっくり考えれば正解に辿りついたでしょう。問1で反射光がどのようになるか図示する問題、問8で真上からみた縞模様の概略を図示する問題、問9で角度を徐々に大きくしたときに縞模様の間隔がどのようになるかを理由とともに記述問題、などがありました。

解答欄には指示された場合を除き、答えだけではなく考え方や計算過程も記さないとならないので、その点を普段から意識して問題演習にあたるといいでしょう。

2011年度は、大問1で電場・磁場中での荷電粒子の運動を題材に運動方程式、等加速度運動、等速円運動などを問う問題(力学、電磁気)。大問2で気体の状態方程式、気体分子運動論(熱力学)に関する問題となっています。

軌跡やグラフの作図問題が3題、論述問題が2題出題されています。

2010年度は、大問1で力のつり合い、円運動、力学的エネルギー保存則、慣性力(見かけの重力)などの問題(力学)。大問2で電流の微視的考察、抵抗率と温度の関係(電磁気)に関する問題となっています。

大問2が3年連続して電磁気からの問題でしたが、小問数が多く、スピード力が問われた問題となりました。またグラフ作成問題が2題、論述問題が1題出題されています。

以上、本校の物理は標準問題を中心に、導出過程を記述する計算問題において細かい計算も要求する問題もいくつかあり、またグラフ作成や論述問題も出題されているのが大きな特徴となっています。全体的にはここ数年取り組みやすくなっていますので、物理選択者の多くの受験生がもうひとつ化学を選択しているかと思いますが、2時間の試験時間で多少化学に時間を多くさけることが出来るかどうかも重要になってくるでしょう。

対策として標準的な典型問題を繰り返し演習し、公式、定理を十分理解すること、計算処理能力を高めること、導出過程を簡潔に書けるようにすることが重要となります。

また力学と電磁気が出題の大半をしめておりますので、まずはこの2分野を徹底的に自分のモノにすることが大切になります。またグラフ作成問題や論述問題は慣れが必要となりますので、このタイプの問題ばかりを自分でノートにまとめると、試験直前に非常に役立つでしょう。

最後に具体的な学習法としては「セミナー物理(第一学習社)」、「物理重要問題集(数研出版)」、「良問の風 物理Ⅰ・Ⅱ(河合出版)」などをどれだけ繰り返せるかが勝負となります。まずは力学分野だけ、次に電磁気分野だけ3冊をまわすなど分野ごとに演習することも本校の場合、特に効果的になるでしょう。また参考書としては「物理のエッセンス(河合出版)」をお勧めします。この中の「Q&A」や「ちょっと一言」を読むと論述問題などで役に立つ可能性が大きいかと思いますので、理解できるまで何度も読んでみましょう。

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