医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

筑波大学医学群の傾向と対策

化学(2012年)の傾向と対策

  例年理論を中心とした総合問題2題と有機化学の問題が1題出題されています。幅広い分野から基礎から標準的な問題が出題され、論述問題も毎年出題されています。例年有機化合物は化学Ⅰからの出題となっていますが、2012年度は化学Ⅱの範囲から出題され、その分多少前年度より難しくなったと思います。例年、難問はほとんどありませんが、合否は高得点での争いとなりますので、ケアレスミスや計算ミスをなくすこと、苦手な分野を作らないことが重要となります。

  センター試験900点、二次試験1100点の配点となっており、二次試験の理科2教科で120分300点の配点となっています。ここ数年、化学の大問数は3題となっており、合格最低点が2000点中、2011年度が1647点、2010年度が1637点となっています。年度によって差はありますが、合格するためには2次試験の化学で9割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

  2012年度の大問別テーマは、大問1で水の酸化の半反応式、マンガン乾電池の正極、負極の半反応式、シュウ酸の過マンガン酸カリウムによる滴定、p−キシレンの過マンガン酸カリウムによる酸化などの問題。大問2で過酸化水素分解の反応速度、アレニウスの式(速度定数と活性化エネルギー、絶対温度どの関係式)などの問題。大問3でグルコースの誘導体がもつヒドロキシ基の数、安息香酸のアミドとメチル基置換体の構造式、グルコース誘導体のメチル化と加水分解、フェーリング液の還元などの問題となっています。

  大問1は基本から標準問題が大半となっていますが、最後のp−キシレンの過マンガン酸カリウムによる酸化の計算問題が多少難しかったと思います。しかし十分完答も目指せる問題となっています。

  大問2は分解速度と過酸化水素濃度の関係を反応の速度定数を用いて数式で表し、かつそのように表現できる理由を50字以内で論述する問題がありました。本校は毎年論述問題が出題されますので、十分対策をすることが重要となります。また後半、あまり馴染みのないアレニウスの式が題材となりましたが、落ち着いて数学的に考察すれば対応できたでしょう。

  大問3は本校には珍しく化学Ⅱからの出題となり糖のメチル化による構造分析に関する出題となりました。ここで深く学習できた受験生と化学Ⅱへのアプローチが甘かった受験生と大きな差がついたと思われます。

  2011年度は、大問1で単体とイオンの反応と性質、イオン化傾向、硫化鉄の溶解平衡、電気分解、銅の反応、平衡定数などの問題。大問2で原子の構造、分子量の求め方などの問題。大問3でいろいろなヒドロキシ酸の構造推定などの問題となっています。

  前年度と同様の傾向となっており、過去問演習をしっかりした受験生は落ち着いて取り組めたでしょう。

  2010年度は、大問1で分子間力、水素結合、結合エネルギー、硝酸の酸化力、二酸化硫黄の反応、リン酸などの問題。大問2で溶解度、水の電離平衡、酢酸の電離平衡、緩衝溶液などの問題。大問3で脂肪族化合物の性質と反応、エステルの合成実験と生成実験などの問題となっています。

  問題の難易度は前年より多少易化していますが、論述問題が多く、この処理能力で差がついたかと思われます。

  以上、理論、有機化学を中心に標準的な典型問題が幅広く問われるのが本校の大きな特徴となっています。論述問題対策を十分行うことがとても重要になります。また有機化学も化学Ⅰの出題がほとんどでしたが、2012年度のように化学Ⅱから出題されることもありますので、万遍なく一通り学習しておくことが望まれます。このように一般入試は全体として基本問題が多いのですが、医学部推薦入試の場合は、化学の問題は非常に難易度も高いので、推薦も考える場合はその点注意しましょう。

  最後に具体的な学習法としては「セミナー化学(第一学習社)」、「化学重要問題集(数研出版)」を繰り返しどれだけ演習できたかが勝負となります。論述問題は別途ノートに質問と模範解答をまとめるなどの対策も効果的になるでしょう。そして最終的には過去問演習を通して時間配分などに十分慣れて、本番にのぞみましょう。また普段からケアレスミス、計算ミスには注意しながら演習することが不可欠となります。本校に合格するためには、高得点での争いになるということをしっかり肝に銘じながら日頃の問題演習に取り組むことが大切になります。

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