医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

横浜市立大学医学部の傾向と対策

化学(2012年)の傾向と対策

ここ数年は理論から1題、理論・無機融合から1題、有機化学から1題という出題が続いています。標準からやや難易度の高い、煩雑な計算問題が多いのが特徴となっています。加えて論述問題も字数制限のないものから200字、100字などのあらゆるタイプで出題されており、時間は多い試験ですが余裕は感じられない試験となっています。また教科書には記載されていない事項の出題も散見される点と理論分野において化学Ⅱからの応用問題が頻出となっていますので、応用力をどれだけ身につけて本番を迎えることができるかが勝負となるでしょう。早い段階に標準的な典型問題を処理できる力をつけ、秋以降は応用、発展問題に意欲的に取り組みたいところです。

センター試験900点、二次試験1300点の配点となっており、二次試験の理科2教科で180分400点の配点となっています。試験時間が長いことも本校の大きな特徴となっていますので、普段から持続的な集中力をいわゆる勉強体力をしっかり作っておくことが絶対不可欠となります。2次試験初日に他の数学(120分)、英語(90分)あわせて6時間半の長丁場となります。ここ数年、化学の大問数は3題となっており、合格最低点が2200点中、2012年度が1562点、2011年度が1536点となっています。年度によって差はありますが、合格するためには2次試験の化学で6~8割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

2012年度の大問別テーマは、大問1で反応速度、化学平衡などに関する問題(理論)。大問2で銅と鉄に関する総合問題、結晶格子などに関する問題(無機・理論)。大問3でアニリン、スルファニルアミドを中心とした反応経路などに関する問題(有機)となっています。

大問1では水素とヨウ素の平衡状態に関して、(1)で平衡定数などを問う計算問題4題が出題されています。この時に計算過程も示すことが本校の特徴となっています。4題とも計算が簡単ではないので、頭からあせってしまうかもしれませんが、落ち着いて計算ミスなく完答したいところです。(2)でルシャトリエの原理を使って答える論述問題。(3)で分子式を答え(4)で再び計算問題2題が出題されています。そして(5)でグラフ作成問題と続きます。時間がかかってしまうタイプの問題ばかりで、得点差がついたと思われる大問となっています。

大問2では、黄銅鉱に含まれていた鉄がどのように分離されるのかを論述する問題からはじまり、化学反応式、物質名、溶解状態の鉄とより純度の高い鉄の名称と用途を答える問題、計算問題、トタンでは内部にある金属の腐食の進行が遅くなる理由を論述する問題など幅広く出題されています。知識が必要な問題も多く、かつ計算問題も煩雑なので化学の実力が問われている問題となっています。

大問3では、リード文を読んで構造決定し、構造式を記す問題となっています。(2)で生成物と未反応の化合物を分離する方法を分離系統図などを用いて説明する出題があり、この問題も普段、一歩踏み込んだ学習をしていないと難しかったと思われます。

2011年度は、大問1で実在気体と理想気体、ファンデルワールスの状態方程式などに関する問題(理論)。大問2で金属イオンの分離、硫化物の沈殿と溶解平衡、イオン交換樹脂による金属イオンの交換、酸化還元などに関する問題(無機・理論)。大問3で芳香族アミドの構造決定、アラミドの構造と性質などに関する問題(有機)となっています。

以上、煩雑な計算問題、深い知識を要求する問題、論述問題など理論、無機、有機全てにおいてレベルの高い問題が揃っているのが本校の大きな特徴となっています。理論分野は化学Ⅱの気体、反応速度、化学平衡を頻出分野となっていますので、難易度の高い問題まで繰り返し演習することが大切となります。その際に計算も素早く正確に行うことを常に意識しながら進めてください。また無機分野も幅広く深く問われていますので、貪欲に知識を吸収することが重要となります。無機分野は知っていれば解ける、知らないとどうしようもないタイプの問題が多くなりますので、しっかり対策しましょう。一通り吸収した上で試験直前は集中的に見直すとより効果的でしょう。有機分野も構造決定を中心にリード文からのヒントの読み取り方を十分練習しましょう。

最後に具体的な学習法としては「化学重要問題集(数研出版)」、「化学Ⅰ・Ⅱの新演習(三省堂)」の2冊全てをどれだけ繰り返し演習できたかが勝負となります。さらに「入試問題集 化学Ⅰ・Ⅱ(数研出版)」などで直近の各大学の入試問題にあたることで新しいタイプの問題にも触れておければ更に良いでしょう。とにかく理科2教科で3時間の試験となりますので、普段から長時間、骨太な計算問題とじっくり向き合って化学体力を身につけておくことが重要になります。また他の選択科目との解く順番などを自分なりに決めておくこともお勧めします。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。