医大・医学部受験プロ家庭教師 日本大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

日本大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)の特徴

2009年までは全問記述式で、論述あり、描図あり、穴埋めありのオールラウンドのセットだったが、2010年以来、全問マークシート方式となって定着している。2015年は大問5題で順に、小問集、「力学」、「熱力学」、「波動」、「電磁気」だった。小問集には「原子」も出題されており、新旧課程の交差を感じさせる。各分野から幅広く出されているが、熱力学では「状態方程式」、「熱力学第1法則」の気体の状態変化、波動では「光波」に関する出題が目立つ。

出題量と時間配分

理科2科目で120分。5題の大問に3~6問前後の小問があり、合計20問前後。多くは2~4行の計算で答えにたどり着く基本から標準レベルのセットで、このレベルの問題演習でしっかり鍛えた受験生には、競合校ほど時間に切迫することはないだろう。ただ、本年の大問3や5のように、後半でやや難の小問に遭遇することがある。試験場では、逃げるが勝ちと冷静に後回しにして、時間の有効活用を図るほうが賢明だろう。

出題形式の特徴

小問形式と穴埋め形式が混在している。各大問の中で設定が変わるときには、そのつど図がついている。比較的細かく見やすい図だ。小問は選択肢から選ぶ場合と、センター試験の数学のように□の形や数で桁数がわかるタイプがある。センター数学の要領だ。

解答形式の特徴

上記のように、全問マークシート方式となった。文字式による計算と数値計算で選択肢を選ぶ形と、文字式の係数を□の形や数を見ながら埋める形だ。穴埋め形式では、センター数学と同様に「行間の内容を埋める」必要がある。つまり、順調に埋めていって何気なく次の行にいくと、実は5~6行の計算が潜んでいたという場合だ。冷静な対応につながるしっかりとした演習が求められている。

攻略のポイント

1、まずは教科書の内容の定着が基本かつ重要。
教科書にある公式は、単位・次元を含めてスラスラと出てくることが必要。学校によってはほとんど教科書を使用しないケースもあり、既卒生は手元に無い場合も考えられるが、すでに新課程に移行したのだから、必ず教科書は入手しよう。入試の出題の基本枠・原点の確認のために、さらに、図表や口絵、写真に至るまで目を通せば、力のある受験生も思わぬ発見や収穫があるだろう。
教科書の例題を見た瞬間、解法が浮かび、すらすらと解けるのがこの基準。しかし、不安があれば迷わず、教科書傍用の問題集として定番の「セミナー物理基礎・物理」などの基本例題とその類題をストレス無く解ける基準を固めよう。(ここで言う教科書とは「物理基礎」「物理」の両方である)

2、その次は入試物理の「標準」レベルの問題集を一冊マスターすること。
「セミナー物理基礎・物理(いわゆるセミナー物理)」、「物理重要問題集(いわゆる重問)」の発展問題がこのレベルに相当する。最低でも一冊を2周、できれば3周以上しよう。そうすれば、標準レベルくらいまでは対応する力がつけられる。同時に、1のレベルに上げた公式も、下記のようなものは何度も反復して自力で導出出来るようにしよう。例えば、単振動、万有引力とケプラーの法則、力積と運動量保存則・エネルギー保存則、ドップラー効果、特に、光波の干渉、状態方程式とポアソンの公式、熱運動とボルツマン定数などの近似計算があるものは何度も繰り返そう。公式の導出は標準以上のやや面倒な問題の攻略に大きな底力となるだろう。

3.次は何と言っても過去問演習が大切だ。標準レベルの問題集で繰り返し演習しよう。設定は奇をてらったものはなく、教科書、基本レベルの問題集から標準レベルの問題集に進んだ受験生なら、「どこかでやったような」感じがする問題が大半だ。教科書にある公式の導出も含めてマスターしていれば、各小問の計算量も流れの中で予想できるだろう。その「計算量の予測」は穴埋め形式の行間に面倒な計算が潜んでいる場合に冷静な判断につながる。常日頃から「この問題はどれくらいでゴールできるか」を意識しつつ、競合校を含めて過去問の時間演習をしよう。

推奨テキスト

教科書(各出版社)

教科書はなければ合格できないというものでもなく、これさえマスターすれば合格というものでもない。しかし、教科書が入試の出典の原点であることは強調し過ぎということはない。入試の基準としての教科書は、手の届くところにキープしたい。各種公式・法則の導出過程やさまざまなカラーの図式・写真などだけでも相当の価値があるだろう。

『セミナー物理基礎・物理』(第一学習社)または『リードα物理基礎・物理』(数研出版)または『実戦 物理重要問題集2016-物理基礎・物理』(数研出版)

『セミナー物理』は、定番の教科書傍用の問題集。教科書の例題とともにこの基本問題をマスターするのが一つの段階。とても良い問題集だが、市販されていないのが難点。ネットなどで「解答付き〇〇円」など法外な値段で売られているに飛びつくよりは、『リードα』でも十分だ。
『重問』も大定番の市販問題集。セミナーやリードの基本問題が大丈夫なら、こちらを始めてもよい。少しずつ入試問題も更新されていて、しっかりとした内容だ。

『物理のエッセンス(力学・波動および熱・電磁気・原子)』、『良問の風』(河合出版)
または『漆原の物理(物理基礎・物理)明快開放講座』(旺文社)

教科書と上記の二つの問題集を理解するために必要な「物理の思考回路」を磨くための参考書兼問題集が物理のエッセンス。文字通り、一言一句、エッセンスというべき内容が凝縮している。名著と言えるが、エッセンスだけに行間を埋めてくれるチューターがいた方が良いかもしれない。医学部の物理を攻略するために必要な、物理的なものの見方、思考回路を開いてくれるだろう。『エッセンス』と並行しながら、『良問の風』を解くとよいだろう。『漆原の物理』は原則的に本質に迫るというよりは、解法をわかりやすくパターン化してくれるタイプ。『エッセンス』と『漆原の物理』は受験物理への異なるアプローチだ。どちらが向いているか、実際に手に取って確かめよう。

『物理基礎問題精講』、『物理標準問題精講』(旺文社)
『Z会 物理 入試の核心 標準編100題』(増進会)

本学は難問に挑戦する必要はない。標準的な問題集で十分だ。ただ、だれしも過去問演習をやりながら、苦手な単元や問題にぶつかるだろう。そんな時は、類題を5題探してやると良い。その中でも典型的な良問がセレクトされ、ていねいで的確な解説があるのがこれらの本。これらは類題ピックアップのためであり、全問解くのは大変だ。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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