医大・医学部受験プロ家庭教師 日本医科大学 物理の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

日本医科大学 物理
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)の特徴

2005年以来大問4題の構成が定着している。本学の物理の特徴は、力学、電磁気、波動、熱力学の各分野からまんべんなくバランスよく出題されることだ。たとえば電磁気なら、電磁誘導、電流計・電圧計、ホール効果・ローレンツ力、交流回路・コンデンサー、抵抗とコンデンサー、静電気、電磁力…といった流れだ。したがって、上記の交流やホール効果などのややマイナーな分野も出る。原子は2005年以来出題が無いが、新課程では要注意だ。難易度は八割程度が基本から標準レベルで、一部面倒な問題がある。半分くらいは典型的な設定で、残り半分くらいが物理的に慎重に読解するべき設定だ。しかし、まったく意味不明ということはない。細かい点だが、本年大問1のようにふつう垂直、水平になっているものが角度θを持っている設定が好みと見受ける。

出題量と時間配分

理科2科目で120分。物理は小問が20問前後。1問を3分前後で解かなければならない。ペア科目の化学がやや難であることを考慮すると、相当のスピードで物理の標準レベルまで処理できる生徒が有利となるだろう。なお、本学は数値計算の大問もあるので、小数計算のスピ-ドと正確さを鍛えておく必要がある。

出題形式の特徴

大問4題、小問数は各大問が4~6問、合計20問が基本的スタイルだ。「下記の文章の□に適した答えを記せ」の形で、誘導形式になっている。題意をイメージできるように基本的な図が記載されている。もちろん、与えられた図だけで解答できるわけではないので、各小問に適切な図解を加えながら解いていくことになる。

解答形式の特徴

すべて穴埋めの完成形式で、適切な文字式や数値を記述して埋めていく。数値計算の問題もあるが、有効数字は指定されているので、手早い処理が求められている。また、本年大問1に「左側に正の加速度運動をしているときには負の値として記せ」とあるように、マイナス記号を付けて答える場合もあるので、速度、加速度、仕事、電荷などには細心の注意が必要だ。

攻略のポイント

1、まずは教科書の内容の定着が基本かつ重要。
教科書にある公式は、単位・次元を含めてスラスラと出てくることが必要。学校によってはほとんど教科書を使用しないケースもあり、既卒生は手元に無い場合も考えられるが、すでに新課程に移行したのだから、必ず教科書は入手しよう。入試の出題の基本枠・原点の確認のために、さらに、図表や口絵、写真に至るまで目を通せば、力のある受験生も思わぬ発見や収穫があるだろう。
教科書の例題を見た瞬間、解法が浮かび、すらすらと解けるのがこの基準。本学の受験者は既にこのレベルは問題ない場合が多いだろう。しかし、不安があれば迷わず、教科書傍用の問題集として定番の「セミナー物理基礎・物理」などの基本例題とその類題をストレス無く解ける基準を固めよう。(ここで言う教科書とは「物理基礎」「物理」の両方である)

2、その次は入試物理の「標準」レベルの問題集を一冊マスターすること。
「セミナー物理基礎・物理(いわゆるセミナー物理)」、「物理重要問題集(いわゆる重問)」の発展問題がこのレベルに相当する。最低でも一冊を2周、できれば3周以上しよう。そうすれば、標準レベルくらいまでは対応する力がつけられる。同時に、1のレベルに上げた公式も、下記のようなものは何度も反復して自力で導出出来るようにしよう。例えば、単振動、万有引力とケプラーの法則、力積と運動量保存則・エネルギー保存則、ドップラー効果、特に、光波の干渉、状態方程式とポアソンの公式などの近似計算があるものは何度も繰り返そう。公式の導出は標準以上の問題の攻略に大きな底力となるだろう。

3.次は何と言っても過去問演習。
「まんべんなくバランスよく」と言っても、本年の大問4のヤングの干渉実験は2013年にも出されており、衝突と運動量保存則、モーメント、コンデンサーとキルヒホッフの法則、気体の法則と熱力学第1法則などは、手を変え品を変え、設定に変化させながら繰り返し出題されている。したがって、本学が物理に求めるものは、「教科書の内容をまんべんなくバランスよく習得し、標準レベルまでの問題に数値計算を含めて、手早く正確に処理できること。「頻出分野は多少の変化球にも対応できるように」と考えられる。過去問演習によって、一部の面倒な問題をスキップしても時間内に合格想定ラインを確保できる感覚を磨くことが、本学合格のカギとなるだろう。

推奨テキスト

教科書(各出版社)

教科書はなければ合格できないというものでもなく、これさえマスターすれば合格というものでもない。しかし、教科書が入試の出典の原点であることは強調し過ぎということはない。入試の基準としての教科書は、手の届くところにキープしたい。各種公式・法則の導出過程やさまざまなカラーの図式・写真などだけでも相当の価値があるだろう。

『セミナー物理基礎・物理』(第一学習社)または

『リードα物理基礎・物理』(数研出版)または

『実戦 物理重要問題集2016-物理基礎・物理』(数研出版)

『セミナー物理』は、定番の教科書傍用の問題集。教科書の例題とともにこの基本問題をマスターするのが一つの段階。とても良い問題集だが、市販されていないのが難点。ネットなどで「解答付き〇〇円」など法外な値段で売られているに飛びつくよりは、『リードα』でも十分だ。
『重問』も大定番の市販問題集。セミナーやリードの基本問題が大丈夫なら、こちらを始めてもよい。少しずつ入試問題も更新されていて、しっかりとした内容だ。できれば両方やりたいが、時間がなければどちらかでよい。

『物理のエッセンス(力学・波動および熱・電磁気・原子)』『良問の風』、『名問の森』(河合出版)

教科書と上記の二つの問題集を理解するために必要な「物理の思考回路」を磨くための参考書兼問題集が物理のエッセンス。文字通り、一言一句、エッセンスというべき内容が凝縮している。名著と言えるが、エッセンスだけに行間を埋めてくれるチューターがいた方が良いかもしれない。日医の物理を攻略するために必要な、物理的なものの見方、思考回路を開いてくれるだろう。エッセンスと並行しながら、良問の風を解くとよいだろう。自信がつけば、より発展的な名問の森に進もう。ただし、名問の森は本学の頻出分野や傾向を把握してからがよい。過去問演習を優先してほしい。

『Z会 物理 入試の核心 難関大編50題』(増進会)、『物理標準問題精講』(旺文社)

だれしも過去問演習をやりながら、苦手な単元や問題にぶつかるだろう。そんな時は、類題を5題探してやると良い。その中でも典型的な良問がセレクトされ、ていねいで原則的な解説があるのがこの本。類題の宝庫としては、同じシリーズの標準編100題を併用するのもオススメ。全部やるのは無理としても、類題演習のためにもあると良いだろう。ただし、各問題に難易度が参考に示されているので、最高難度のものは手を付けなくてもよい。『物理標準問題精講』も同様に活用できる。

 

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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