大阪医科薬科大学 物理
入試対策と勉強法
特徴と時間配分
出題範囲(分野)
最新の出題範囲は、大問4問のうち、力学分野から1問、電磁気分野から1問、波動分野から1問、小問集合4問(このうち3問選択)という構成になっています。原子物理からの出題は最近年では出題されていませんが、これから出題されうるので、しっかりと対策を練っておきましょう。
出題量と時間配分
最新の時間配分は、2科目で120分となっています。したがって、物理のみに対しては、約60分ということになります。60分に対しての設問の量がやや多めなので、易しい問題や標準的な問題から素早く正確に処理していかなければなりません。
出題形式
大問4題構成となっており、易~標準的な問題が中心ですが、やや難しい問題も見られます。前述の通り、まずは、易~標準的な問題を正確にかつ素早く処理し、少々難易度の高い問題をどれくらい得点できるかが勝負となるでしょう。
解答形式
答えを書く記述式となっています。選択肢から選ばせる問題もあります。本学の特徴ですが大問4は小問4題から3問選択という形式となっています。これはどの問題も易しい問題なのでどれを選択するか悩むことはなさそうです。
攻略のポイント
まずは基礎を固めることである
そのためには、まずは定義や公式を理解した上で、しっかりと覚えることです。これがなかなか難しいでしょう。理解するというのは、「自分の言葉で説明する」、「図で表す」、「他の公式同士のつながりを考える」など、様々な方法で公式を「考える」ということです。公式を覚えて、問題をただただ解きまくるといった学習ではなかなか物理の点数を上げることは難しいでしょう。一見、面倒だと思う作業を地道にしておくことが、物理攻略の重要な出発点となります。
次に問題演習
物理で登場する公式や概念はそれほど膨大ではありません。それらを、完全に理解したら、次は、問題演習に入りましょう。問題をこなすことで、基礎が理解できているかが確認できるからです。基礎の新たな面の発見につながることもあります。そういった意味で、問題演習も重要な作業となります。問題演習はただただ多くの問題を解くのではなく、1冊の問題に絞り、1つの問題を解いたら、他の方法で解いてみる、問題の現れる現象を深く調べてみるなど、多角的に検討します。その作業が、新たな問題を解くためのカギになってきます。問題を見たときにどのようなプロセスで解いていくか、いわゆる、問題解決能力を身につけないと、いつまでたっても新たな問題が解けるようにならなりません。何度も強調しますが、ともかく1冊の問題集に絞ることです。それを徹底的にやりこむことが物理の得点力を伸ばすのに非常に重要となります。
計算力がないと時間制限内に自分で正解にたどり着けない
立式だけを行い、やり方がわかったら細かな計算を最後までやらないといった受験生を多く見かけます。必ず最後まで答えを出しましょう。そうしないと、あっという間に計算力が落ち、試験になったとき、一向に点数がとれなくなります。どのように工夫すれば、より効率よく計算できるかを自分なりに研究することも大切です。しかし、自分ではなかなか効率よい計算にたどりつかないこともあるでしょう。そのときは、いつも教わっている先生に、自分の解き方を客観的に見てもらい、アドバイスをもらうのが一番の方法です。
過去問演習
ある程度標準的な問題が解けるようになってきたら次は過去問演習に進みましょう。確かに、過去問は出題されないのですが、この大学がどのようなレベルを要求しているのかを知ることは有効な対策となるからです。計算量や、求められる知識など大学によって変わってきます。特に第一志望の過去問は、念入りに研究することです。本学ではここまで、学習をしっかりと進めていれば、合格点は確実にとれるでしょう。
推奨テキスト
まず、良い問題集とは、少なくとも、次の2点を満たしているものです。
すなわち、①解説が詳しいこと。
解説がある程度詳しくなければ、自習ができません。これは、問題演習の効率を、著しく低下させるでしょう。
次に、②ほぼ全ての分野の内容を網羅していること。
網羅性の低い問題集は、完全に解き終えたとしても、穴が多く残っているものです。以上の2点に注意して問題集を選べばよいですが、勿論、完璧な問題集というものは、存在しません。上記2点に注意しながら、後は、自分の好み・相性も大事にして、決めることになるでしょう。
(1)『漆原晃の物理基礎・物理(力学・熱力学編、電磁気編、波動・原子編)が面白いほどわかる本』(KADOKAWA・中経出版)
問題を解くためには、まず、基礎的な内容を、頭にしっかりと入れておく必要があります。このシリーズは、できる限り、簡単な表現で、物理の内容を説明してくれています。このシリーズは、全部で3冊からなり、やや多いようにも思えますが、それだけ丁寧に説明してくれているとも理解できます。まずは、本シリーズのような、いわゆる「理解本」を使って、穴を作らないように、物理全体の内容を、頭に入れるところから、始めてみるのも、一つの方法です。
(2)『セミナー物理』(第一学習社)
セミナー物理は、言わずと知れた、学校用問題集の代表格です。学校用問題集を軽視する人もいるようですが、一般論として、その風潮は正しいとはいえないでしょう。やはり、よく出来た問題集です。特に優れていると思える点は、基礎チェックレベルや、基本例題、基本問題、発展例題、そして、発展問題などという、レベル分けの細かさです。このレベル分けを大いに活用して勉強するのも、本問題集の活用ポイントです。もっとも、学校用問題集にはあまりいい思い出がない、という人もいるかもしれません。そんな人のために、下記に少し紹介します。
(3)『良問の風』(河合出版)
本問題集は、標準的なレベルの問題集です。解説はある程度詳しいので、自習できると思われます。網羅性は、問題数とも大いに関連しますが、最初の問題集としては、適切な問題数と思われます。本校の場合は、特に、連動型問題の出題が多いです。本問題集で勉強するときも、この連動型問題については、特に注意して、完全に理解するようにしましょう。
(4)『名問の森(力学・熱・波動1編、波動2・電磁気・原子編)』(河合出版)
本問題集は、上記『良問の風』の上位版として知られる問題集です。本シリーズは、2冊からなっています。どの問題も有名な問題ばかりです。したがって、知らない問題があれば、それだけで、差を付けられるといっても過言ではありません。医学部受験生であれば、当然知っておくべき内容である、というくらいのつもりで、取り組んでいい問題です。
テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。
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