医大・医学部受験プロ家庭教師 聖マリアンナ医科大学 数学の入試対策と勉強法
医大・医学部受験専門プロ家庭教師が語る

聖マリアンナ医科大学 数学
入試対策と勉強法

特徴と時間配分

出題範囲(分野)

数学Ⅲの微分積分をテーマとした問題や整数問題、数列、ベクトルは、毎年よく出題されています。整数問題を中心とした証明問題も目立ちます。しかしながら、その他の分野からも幅広く出題されていますので、ヤマをはった学習は避けた方が良いでしょう。

出題量と時間配分

問題の難易度は、標準レベルのものが中心といえます。一部ではやや計算が複雑な問題も出題されているので、試験時間はゆとりがあるとは言えません。まずは素早さよりも正確さを重視したいところです。

出題形式

大問が4題出題される形が続いています。
大問1は小問集合です。ここは易~標準的な問題が中心なので、ほぼ完答したいところです。
大問2以降の大問は、いくつかの小問に分かれています。初めの設問は比較的解きやすいですが、解き進めていくにつれて、難易度・処理量が上がっていく場合が多いです。大問の序盤でのミスは大量失点につながるので、慌てずに解くことが大切です。

解答形式

空欄補充式の問題と記述式の問題の両方が出題されます。
空欄補充式の問題では、解答のみを書き込むので、なるべく楽に求めたいところです。しかし、正攻法以外の解き方は考えにくい場合が多いです。
記述式問題は、空欄補充式問題よりも難易度が高い傾向にあり、証明やグラフの図示なども出題されます。

攻略のポイント

基本の学習
まずは、基本的な定義・定理・公式などをしっかりと理解しておくことです。時間がかかるかもしれませんが、特に定理や公式の証明まで地道なことをしっかりやっておく必要があります。

典型的な問題演習
参考書・問題集の例題にあるいわゆる典型問題は解答を見ずに解けるようにしておきましょう。解き方がわからなければ解答を参考にするのはよいですが、解答を理解して終わりといった連続では、自分の力で問題は解けるようになりません。解答を理解したら、一度本を閉じ自分の力で最後まで答えを出すところまで学習することが重要です。

計算力・処理能力の強化
本校に限らず、医学部全般に共通していることではありますが、計算力・処理能力が非常に重要です。計算だけを取り出して練習するよりも、問題演習で複雑な計算が出てきても最後まで粘り強く取り組むことが必要です。また、計算をやみくもにやっていくのではなく、常に「どのようにしたらより素早く計算できるか」を意識して研究を重ねることが必要です。一人の力では、なかなか気がつかないことは多いので、学校の先生や通っている塾予備校の信頼できる先生に途中経過を逐次チェックしてもらうことが非常に有効です。より、効率の良い、高度な計算テクニックをできるだけ取り入れましょう。

また、問題演習をしていると、つまらない計算ミスなどをしてしまうことがあります。その際、ミスを軽視せず、真摯に向き合うことが大切です。自らの手で正解を求められるまで格闘することが、計算力や処理能力の向上につながります。地道な努力を怠ってはなりません。

過去問演習
過去問なので、もう同じ問題は出題されません。確かにそうなのですが、出題の傾向をつかんでおくことは非常に重要です。過去問を10年分解く必要はありませんが、3~4年分を取り組み、この大学がどのようなレベルの問題を求めているのかを理解しておくことは大切です。また、記述式なので、答えを出すだけでなく解き方のプロセスを表現する練習をしておく必要があります。この点に関しても、普段習っている指導者に、答案を添削してもらうことが非常に有効です。

推奨テキスト

(1)『青チャート』(数研出版)
いわゆる網羅系参考書です。問題量が非常に多いので、すべての問題を解く必要性はありません。重要例題などを中心に、問題を選んでいけばよいでしょう。ただし、頻出分野の数列・漸化式、ベクトルについては、あまり飛ばしすぎない方がよいでしょう。数Ⅲの微分・積分も頻出分野ですが、こちらは、ある程度は問題を選択していかないと、なかなか先に進まなくなることが考えられます。微分積分については、状況によって柔軟に対応すればよいでしょう。

(2)『チョイス新標準問題集』(河合出版)
基本事項がある程度身に着いた段階で取り組んでみるとよいでしょう。まずは、このレベルの問題をしっかり解けるようにすることが大切です。あまり時間をかけずに解けるようになるまで、練習しておくとよいでしょう。
なお、併願校によっては、この問題集は早期に終わらせておかなければならないので、取り組み方に注意する必要があります。

(3)『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)
「合格る」と書いて「うかる」と読みます。このテキストは、数学Ⅲの計算力強化にとても役に立ちます。解き方のコツが丁寧に説明されており、計算の上手・下手にまで触れている希少なテキストです。計算力強化を目的としたテキストなので、なるべく早い時期から取り組むことが大切です。

(4)『大学への数学 一対一対応の演習』(東京出版)
網羅系参考書の補充用問題集として取り組むのによいでしょう。なお、各分野を学び始めたばかりの段階では、この本に取り組むのは厳しいので注意が必要です。

(5)『シグマベスト 実力強化問題集』(文英堂)
足固めができてから取り組むとよい問題集です。問題数が多いので、分野を絞って取り組むか、重要な問題を中心に取り組むことになるでしょう。また、問題の難易度にやや差があるので、各自の学習状況に合わせて使うとよいでしょう。

テキストは相性があります。できれば書店で手にとって選びましょう。

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