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転換期を迎える都内私立高校の募集に関して

都生活文化局は10月7日、来春の都内私立高校の入試要項をまとめ、公表した。
それによると、来年度生徒募集を行う全日制高校は、前年度より3校減って188校となる。募集を中止するのは、男子校の海城、女子校の富士見、東京純心女 子の3校。男女募集を始めるのは、男子校の目黒学院、女子校の貞静学園と東星学園の3校。校種別合計は、男子校が2校減って29校、女子校も4校減って 54校、男女校は3校増えて105校となった。
募集人員の合計は37,655名で前年度より469名少ない。校種別には、男子校が437名の減少、女子校も431名の減少、男女校は399名の増加となる。

募集の減少と内進生

来春の都内全日制私立高校の募集人員は、前年より5百名近く、5年前と比べると5千名以上減っている。
背景には併設中学から進学する生徒(内進生)の増加がある。05年と今春の全入学者数を、高校からの入学者(高入生)の数と内進生の数に分けて比べると、 高入生は36,551名→35,289名で1千名強の減少。内進生は22,192名→25,324名で3千名以上の増加。トータルでは約2千名増加している。
内進生の割合は年々大きくなり、10年には高校の全入学者の4割を超えている。その分高校募集は縮小を続けているのが現状である。

私立中学入学者の減少・中3生の漸増

だが、増加していた私立中学入学者数は、07年をピークに08年から減少し始めている。つまり、その3年後の来年度から、高校では内進生の減少が始まることになる。
他方で、今春は、都内生の都内私立高校入学者が昨年に比べて1000名以上増えた(23,140名→24,211名)。これは25年遡っても見られない現 象で、それほど今春の増加は著しかったわけだが、その原因として「中3生の増加」と「都立高校の高倍率(実質倍率1.41倍は42年ぶり)」があげられる。
中3生は長く続いた減少期が終わり、増加に転じている。5年後には8万名近い数に達する。また、今春の都立一般入試の不合格者数は12,457名で、前年 より千名以上増えている。それが都内私立高入生の増加に結びついているのだろう。中3生の漸増で都内私立高入生は、今後も着実に増えていく。
そのため、志望する私立高校が、一貫校の場合はどの程度内進生が上がってくるか、またはどの都立と併願されることが多いか等も鑑みて志望校選びをおこなう必要がでてくるだろう。
来春は中3生が一時的に減少するため、都内は49校で51学級を募集減する。私立の変更点とともに、都立の募集減の様子をまとめた。

変更点少なく穏やか

 ≪試験日の変更≫…変更する学校は全部で50校。うち推薦が27校、一般は28校。推薦入試では、都立の推薦出願日に重なって、試験日を移動させていた学校が、22日に戻すケースと、複数日の設定を同一日に単日化するケースが多い。一般入試では、試験日を増やす学校が7校(立正、小野学園女子、関東国際、戸板女子、宝仙学園、城北、国立音大附属)と目立つ。

≪募集人員の変更≫…募集を中止する海城、富士見、東京純心女子のほかに42校が募集人員を変更している。このうち募集数を減らした学校は16校(東京女学館・2012年より高校募集停止、日本学園、戸板女子、新渡戸文化、宝仙学園豊南・進学、京北、京北学園白山、淑徳SC、文京学院大学女子・特進、安田学園・総進・ビジネス情報、修徳、工学院大付属、東京電機大、東星学園・淑徳巣鴨ほか)。逆に増やした学校が8校(立正、芝浦工大、帝京、かえつ有明・総進、多摩大附、桜美林、聖徳学園、早稲田実業)あった。そのほかの18校では、科やコースの募集数や、推薦・一般の募集数に増減があるものの、学校の募集人員の合計は変わっていない(自由ヶ丘学園、十文字、桜丘、順天、東海大菅生ほか)。

≪科やコースの改編≫…変更があるのは全部で20校。このうち10校がコースやクラスを新設する。保善、新渡戸文化、駒込、聖パウロ学園、白梅学園、文華女子の6校では進学のための特別コースを新設または復活する。
≪入試科目等≫…変更があったのは14校。このうち推薦に適性検査を導入する学校が3校(二松学舎大附属、自由が丘学園、聖パウロ学園)ある。一般では、選択2科と3科必修とする学校が6校あった。

一部に学力重視の傾向がみえるが、全体には変更点が非常に少ない、穏やかな募集となっている。

海城の受験層はどこへ?

東京南部では、目黒学院の共学化が注目される。特進コースのみ、男女55名と規模は小さいが、立地が良く、基準偏差値51~54は手ごろ。近隣には同程度のトキワ松(特進)、富士見丘(一般)、多摩大目黒、日本工大駒場、松陰などがあり、影響が出そうだ。
関東国際は一般入試の試験日を、これまでの2回から4回に。募集人員は、推薦を減らし一般を増やすが、全体は変わらない。理系と英語の2コースで、上位クラスを新設。
昨年共学化して、いきなり897名の受験者を集めた東京都市大等々力は、今年から進学コースの募集を止め、上位にシフト。特進コースの基準は、すでに55にアップしている。
海城の去年の受験者数は401名。この受験層がどこに移るか、予想は難しい。付属以外でリベラルな学校を探すと城北桐朋だが、攻玉社、本郷、ICUも圏内。
日本女子体育大二階堂は一般3回目の試験日を2月26日に繰り下げた。都立受験後で、発表前の微妙な時期だが、都立の倍率が高いだけに受験利用者がいそうだ。
この地域の都立は、南高校の跡地に新校舎を建て、仮校舎から移転する大田桜台が気になる存在。基準は40と低いが、特色ある英語教育が人気。210名募集の半数を推薦でとる。
募集を減らす都立は、次の14校。小山台、三田、雪谷、大崎、八潮、駒場、目黒、広尾、松原、桜町、千歳丘、豊多摩、杉並、練馬(各校1学級減)。このうち今春高倍率だった小山台(男子1.71倍、女子1.53倍)、三田(男子1.65倍、女子2.38倍)、駒場(男子1.56倍、女子1.67倍)などは倍率がさらに上昇する恐れがある。
学級減を行うのは、09年~08年に学級増を行った学校がほとんどだが、井草、石神井、武蔵丘は減らしていない。

上位クラスの設定盛ん

淑徳巣鴨は最上位「アルティメット」を増員、「総合特進」を「特進」に改称して減員、他のコースでは文科・理科を統合して募集する。豊南も「進学コースⅠ類」と「Ⅱ類」を「進学コース」にまとめる。
京北京北学園白山の2校は、来月4月、東洋大学と法人合併を行う。将来的には東 洋大学の付属高となることも視野に入れているが、来年は併設校という位置付け、同時に北区赤羽台の区立中学校跡地に仮校舎を整備して移転する。2015年 度には、小石川植物園に近い東洋大の校地に新校舎を建てて、再度移転する構想がある。
駒込は今春入学の10学級のうち、4学級が「アドバンス」として成立、このなかから32名の「スーパーアドバンスクラス」が生まれている。来年度はこのクラスを当初から募集、合格者には月額5千円の奨学金を支給する。
昨年まで90名を2月11日に一括募集していた城北は、来春は2月11日に60名を、よく12日に30名を分割して募集する。また、12日の試験は、英語(80分・140点)国語(50分・80点)数学(50分・80点)と英語重視型で行う。
中高一貫校では、内進生と高入生の学力の開きがしばしば問題になり、その差が大きいこともあってか、応募者の漸減が学校としては悩みの種。海城の募集停止 の理由もそこにあるのだろう。そうした意味で、英語に傾斜した選考方法は有効だろう。それにしても、今春の東大20名、国公立大医学部22名の実績は、受 験生には十分に魅力的だ。
この地域で学級減を行う都立は、竹早、豊島、向丘、板橋の4校。いずれも前年度に学級増を行った学校。このうち、竹早(男子1.19倍、女子1.76倍)、豊島(男子1.57倍、女子1.84倍)、向丘(男子1.22倍、女子1.62倍)の3校では、女子の高倍率が予想される。昨年、男女ともに高倍率だった文京高島は学級減を行わない。
また、飛鳥、板橋有徳、大泉桜など単位制や職業課程では、学級減はない。

最後の新タイプ校

97年から始まった都立高校改革推進計画では、単位制高校やチャレンジスクールなど49校の新しいタイプの学校が計画された。その最後の1校が、来春、北区に開校する王子総合
体験型学習とキャリア教育に重点を置く。募集人員は240名、50%を推薦募集する。基準は内進オール3で偏差値42程度と低いが、今春は都立私立ともに堅実な出願が目立ったので、商業科を含むさまざまなレベルの学校に影響が出そうだ。
東京成徳大は「特進」では推薦を増員、「進学選抜」では一般を増員する。昨年東大合格者2名を出したが、今年は国公立大33名(うち現役31名)、マーチ以上が150名と大学合格実績を急伸させている。
男子はサッカー、女子はバレーボールとバドミントン部に所属して3年間活動する生徒のみの募集に絞ったかえつ有明は、40名に募集枠を拡大する。試験日は2月10日。試験科目は、国語、英語、数学と面接。
安田学園は推薦入試の実施日を1月22日の1日にまとめる。募集人員は、「総合進学」と「ビジネス情報」で推薦、一般ともに減員するが、「特進」、「進学選抜」、「システム情報」では変わらない。
関東第一共栄学園武蔵野も推薦入試日を22日に単日化する。

この地域で学級減を行う都立は、江北、足立、足立西、江戸川、深川(普通科)、東、本所、小岩、紅葉川、葛飾野の10校。
このうち、江戸川(男子1.29倍、女子1.50倍)、(男子1.32倍、女子1.56倍)、本所(男子1.45倍、女子1.88倍)、紅葉川(男子1.49倍、女子1.55倍)は今春の倍率がやや高いが、江北(男子1.01倍、女子0.99倍)、足立(男子1.06倍、女子1.02倍)、足立西(男子1.08倍、女子1.15倍)の3校は低かった学校。中3生の減少と募集減が釣り合って、倍率が出るかどうか。

サレジオ高専がA・O入試

今春の入試で、前年より受験者数(推薦+一般)を増加させた学校を調べると、①東京都市大等々力…807名増、②大成…510名増、③白梅学園…473名増、④東海大菅生229名増と、上位4校のうち3校が多摩地域の学校。
今年の入試では安全志向が高く、受験者の急増している八王子など、大規模併願校を避ける動きが見えた。そこを捉えてか桜美林は推薦・一般ともに募集人員を増員する。
定員割れの続いているサレジオ高専はA・O入試を導入する。11月末までに事前相談を行い、12月1日までに出願、4日に保護者同伴の面接を行って合否を決める。国立高専、都立高専との併願者も受験できる。
聖パウロ学園は特別進学コースを新規に開設する。文華女子も難関大学進学コースを設け、白梅学園では従来の特別選抜コースに、上位の難関国公立クラスを作り、3段階のクラス編成を行う。
多摩地域の都立の学級減は、中高一貫校と一般の高校に分かれる。2年前に立川国際中等教育学校を開校した北多摩は、今後、高校募集を行わない(4学級減)。同じく併設型の武蔵は5学級を2学級に(3学級減)。
一般の学校では、旧7、8学区の町田、日野台、南平、富士森、片倉(普通科)、昭和、東大和南、東大和、武蔵村山、羽村の10校。旧9、10学区では、小平、小平南、保谷、田無、東村山、神代、府中、府中東、永山の9校がそれぞれ1学級ずつ減らす。
今春の倍率が高かったのは、町田(男子1.67倍、女子1.53倍)、日野(男子1.40倍、女子1.55倍)、府中(男子1.46倍、女子1.80倍)、府中東(男子1.51倍、女子1.68倍)、永山(男子1.70倍、女子1.91倍)。
とくに、エンカレッジスクールに指定された東村山(男子1.80倍、女子2.15倍)は、学級減で高倍率が懸念される。

情報提供:安田教育研究所

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