7年間で3番目の高倍率　都内私立高　中間倍率

東京都生活文化局は2月1日、都内私立高校の一般入試応募者状況（中間）を発表した。
都内の高校募集を行う183校の、1月27日正午現在の応募者の合計は51,600 人で、昨年同時期より約1,200人減っている。応募(中間)倍率は2.55 倍で、昨年に比べ0.02 ポイント低下したが、最近7年間では3番目に高い倍率となった (グラフ)。
校種別の倍率は、男子校2.52倍（昨年2.49倍）、女子校1.07倍(同1.07倍)、男女校3.05倍(同3. 08倍)。学科別の倍率は、普通科2.63倍(昨年2.65倍)、専門学科1.70倍(同1.83倍)だった（高倍率の学校を下の表に示した）。

一昨年東大合格者を出した朋優学院国公立コースは、昨年の43.88倍からさらに上昇して48.25倍と人気沸騰。東洋の特進選抜コースも36.07倍と、併願ニーズを広く集めている。

都立中高一貫校の倍率　7校で前年より低下

2月3日、都立中高一貫校で一般枠募集の適性検査が行われた。
受検者数は男女計9,458名と、昨年の9,934 名より500名以上減っている。平均倍率は、男子が6.32倍、女子が7.21倍と、昨年の男子6.56倍、女子7.71倍より男女とも低下した。計画さ れていた都立中高一貫校10校が開校して3回目の今年、倍率は3年間でもっとも低くなった。
昨年→今年で倍率(男女計)を比べると、アップしたのは白鷗…7.37倍→7.53倍、富士…5.17倍→6.14倍、三鷹…6.08倍→6.64倍の3校だけ。小石川他7校は低下している。

都立中高一貫校の辞退者数(合格者数と手続者数の差)は合計92名(男子36名、女子56名)で、一昨年の98名に次ぐ数となった。昨年より、男子が6名減、女子が10名増、男女計で4名増えている。
学校別では、小石川…16名(昨年14名)、武蔵…15名(同12名)、桜修館…11名(同7名)で、昨年11名と多かった立川は、今年は4名に止まった。
全体の手続率は、男子が95％、女子が92％で、続けて上昇している男子に対して、女子は今年、93％→92％とやや下げている。

「都立高校改革推進計画・第一次実施計画」を策定　推薦入試の変更確定

都教育委員会は、2月9日定例会を開き、「都立高校改革推進計画・第一次実施計画」(2012年～2015年)を策定した。
同計画の「骨子」については昨年11月に発表、12月24日まで意見募集を行い、その結果も反映したという。「社会的自立の基盤となる力の確立」など大き な5つの目標の下に、それぞれ2～5の具体的な施策を掲げる形は「骨子」とほぼ同じだが、施策の項目ごとに「検討」、「試行」、「実施」などの05年度ま での実施計画とその期限を明示している。
たとえば、第Ⅳ章 「生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進」の第4項「多様なタイプの学校の改善」のうち、「多様なタイプの学校の規模等の適正化」では、エ ンカレッジ、チャレンジ、昼夜間定時制は、応募倍率が高く不合格者が多い。これを改善するため、「地域バランスを考慮して、その適正な受入規模等について 検討します」とあり、既設校の募集人員の変更や、新たな学校の設置(となれば、現在の普通科等を改編することになるだろう)を匂わせている。
このうち実施計画では、2013年度まで「検討」を続け、14年度に「基本方針を策定」、15年度に「調整」を行うとあり、変更や新規開校（？）は、あったとしても16年度以降、つまり第2次計画に持ち越すことが分かる。
一方、入学者選抜の「推薦」については、2013年度からの「改善」が明示されており、推薦枠の縮小など、現中2生の入試から大規模な変更が行われることがはっきりした。

都立一般入試　最終応募1.53倍　一昨年と並ぶ

2月15日正午、都立一般入試の出願、再提出が締め切られた。全日制の最終応募者数は44,919名。平均応募倍率は1.53倍で、昨年を0.01ポイント上回り、学区撤廃以降で最高だった一昨年と並んだ。
募集人員増が集中した普通科(学年制)の倍率は1.56倍と、昨年より0.03ポイント低下した。一方、普通科単位制…1.74倍(昨年1.66倍)、商業科…1.21倍(同1.18倍)、工業科…1.49倍（同1.29倍）など、総合学科以外はほとんど上昇している。

専門学科等の数値は、左から最終応募者数、応募倍率、推定不合格者数(斜字体）

情報提供：安田教育研究所