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千葉県私立高校入試 入試直前に公立志向が上昇

1. 実際の公立志向は上がっていた

今春高校受験を迎えた県内公立中の卒業予定者数は、1月11日時点の校長会調査によると、県立千葉・市立稲毛の内部進学者を除いて昨年より1,518名増加の51,687名で、隣接県協定の対象となる埼玉・茨城県からの希望者を含めた県内全日制公立高校進学希望者は昨年より1,268名増えて40,480名となっていた。全日制公立の志望率は前年度とほぼ同じ77.2%である。

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グラフは全日制公立高校の志望率の推移で、07年度まで下がっていた志望率は09年まで一旦上がるものの、昨年度は大きく下がっている。公立入試改革で避けるムードが出たことと、私立高校に対する就学支援金制度の浸透が主な理由だ。今年は公立志向が昨年並みで上昇しておらず、公立中卒業予定者数の増加以外は情勢に大きな変化はない、と判断できる結果だった。

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*不合格には受検後取り消しを含む

表は全日制各校の入試結果の集計である。実際の出願では、前期の志願者が昨年より1,495名増加と、志望調査時点での公立中3生数の増加にかなり近い値となっていて、志望調査による全日制公立希望者の増加1,268名を上回った。また、前期不合格者18,017名と後期志願者数17,483名との対比も97.1%で昨年の95.8%よりも上昇しており、志望調査時点では公立志向が昨年並みと判断できる結果だったにもかかわらず、実際の出願では公立志向が上がったのでは、と感じさせる結果だった。
校長会調査は1月11日の実施であるから、すでに公立中学校と私立高校の入試相談は終了しており、入試相談に乗らない私立高校一般受験生が目標の私立高校に合格した後、公立高校にさらに挑戦していったケースが増えたようだ。

2. 県内私立高校志向は低下傾向

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表は〈株〉エデュケーショナルネットワークのアンケートによる県内私立高校出願総数の推移である。一部未公表校があること、二次募集結果が反映されていないケースもあることから最終結果ではない。出願総数は昨年比で1.9%増加した。公立中卒業予定者数が3%増加であるため、生徒数増加に対応した増加にはなっておらず、この点からも「入試直前に公立志向が上がり、私立志向が下がったのでは」と考えさせる状況だ。出願件数中、前期の割合はまた上昇して89.8%となった。後期は難関・上位校を除いて二次募集的な色合いがますます強くなっている。また、女子校の割合は今年も下がり、4%となっている。

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グラフは校長会調査による公立中3生の生徒数伸び率と、出願の総数を前年対比の伸び率で表したものである。今年度は生徒数の伸び率ほど出願が伸びていないが、グラフのように今年に限らず、2010年度以外は生徒数の伸び率よりも出願の伸び率は下回っている、あるいは生徒数が減少している年は生徒数の減少率よりも(08年度や昨年度は小幅だが)出願の減少率は大きくなっている。10年度に生徒数の伸び率を上回る出願の伸び率だったのは、この年から都内私立高校の都内生向けB推薦が中止されたからで、いち早い併願私立合格を求める都内の受験生が東京寄りの県内私立高校に流れてきた影響だ。このことから、県内公立中3生の私立高校志向は、07年以降は基本的に上がっていない。むしろ下降傾向が続いていると考えられる。昨年の就学支援金浸透による私立志向も、公立では指導に不安があるが、金銭的な面で公立を選ばざるを得ない、といった立場の受験生が、私立をしっかり選べるようになった、という意味で効果はあったものの、積極的に私立高校の良質の教育を選択しよう、という動機付けにはあまりつながらなかったようだ。

3. 志願者が増えた学校(学校名は略称あり)

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表は各校ごとの志願者数合計を前年対比伸び率の高い順に10校並べたものである。前項で女子校の出願はまた減ったと書いたが、国府台女子は別格だ。特にコース等の改編があったわけではないが、選抜コースが定着してきて、普通コースへのスライド合格を覚悟で挑戦する受験生が増えている。新校舎も追い風だ。千葉英和は特進・普通の2コースを特進選抜・特進文理・総進文理の3コースに改編した。隔年現象も要因だが、進学色強化を歓迎する受験生が多く、今回の改編が支持された面は大きい。千葉国際もビジョナリー特進、ビジョナリー進学の2コース体制から、今年はその中間にビジョナリー選抜を新設している。同校の場合、地域事情もあって、コースの改編が受験生に支持されたというよりも、広報関係などが改善されてイメージアップが図られた面のほうが志願者増加に寄与していると思われる。
千葉日大第一、千葉経済大附、東邦大東邦、市川、柏日体もコースの改編などはないが、昨年は志願者の減少が目立った学校で、隔年現象と考えてよさそうだ。秀明八千代も特にコースの改編はない。同校は昨年が一昨年と大差ない志願者数だったため、今年は人気が上向いているのだろう。
この他、芝浦工大柏、西武台千葉、志学館などで志願者の増加が目立った。ただ、各校とも第一志望の受験生が増えた、と思われるケースはあまり多くはない。特進コースなどの設置だけでなく、教育の中身で私学を選んでもらえるような工夫がもっと私立高校に求められているのだろう。

情報提供:安田教育研究所

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