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来年度都立高校入試の要綱と変更点 推薦入試を抜本改訂

集団討論 小論文作文 全校で導入

都教育委員会は13日、来年度の都立高校の入学者選抜要綱を発表した。要綱では、入試の仕組みや日程などに大きな変更はみられないが、推薦に基づく選抜(推薦入試)では、原則として全校で「集団討論」を導入するなど、選考方法の抜本的な改訂を行っている。
以下、推薦入試を中心に来春の都立入試の変更点をまとめた。

推薦入試の検査日は2日間

推薦入試では「集団討論」のほかに、「小論文又は作文」も全校で実施することになった(実技検査など学校が設定した検査を行う場合を除く)。さらに、個人面接も行い「集団討論・面接」と両者を合わせて評価するなど、選考にかかる時間がこれまでより長くなるため、日程は2日間となった。ただし、1日で終わる学校もあるようだ。現時点では、学校ごとの日程は発表されていない。

≪日程≫

検査日は、曜日にかかわらず固定されている。来春も、推薦、一次・分割前期、二次・分割後期ともに前年と同じ日程。願書受付など、詳しい日程は下の表の通り。一般入試で、出願2日目から取下げまでの間が1日短くなった他に、変更点はない。
海外帰国生徒対象の入試は、願書受付から取下げ再提出までは、一般一次と同じ。検査日は2月15日(金)、合格発表は19日(火)、入学手続締切は20日(水)。
定時制2次募集は、出願受付が3月21日、検査日が26日、発表は27日。
産業技術高専は、推薦入試の願書受付が1月24日。検査日は1月27日、合格発表は2月1日。一般入試は、願書受付が2月7、8日、検査日は15日、合格発表は21日。

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推薦枠の縮小で高倍率も

推薦入試の実施方針は6月に示された。方針⇒実際を比べてみると…。
①推薦枠の上限を、普通科…20%、専門学科…30%(商業…20%)、新しいタイプの学校…30%とする。⇒全校実施。上限未満の学校が7校ある。
②総合成績に占める調査書点の割合の上限を50%とする。⇒全校で設定。50%未満の学校が25校。
③小論文又は作文、実技検査、その他学校が設定する検査のなかからいずれか一つ以上をすべての学校で実施。⇒全校実施。うち小論文…32校、作文…126校、実技…24校。
④個人面接に加え、集団討論を原則としてすべての学校で実施する。⇒エンカレッジスクール5校を除く全校で実施。

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≪推薦枠≫枠の縮小にかかわらず、応募者が前年と同じだったら、来春の倍率はどう変わるか、例として計算を試みた(上の表)。
最も高倍率になるのは、普通科単位制の新宿。前年の4.83倍が、来年は9.66倍(仮想)になる。新宿の上限は30%だが、あえて10%に絞っている。大幅アップは今回の制約によるものではない。
普通科旧学区の本所も15%と上限未満に絞っている。前年まで25%だったこと、もともと倍率が高かったことで上昇が目立っている(倍率は男女合計で計算)。50%→30%に絞る総合学科や普通科単位制のほかに、25%→20%となる普通科旧学区の学校(雪谷など21校)も倍率が急に上昇する恐れがある。
募集人員の発表は10月中旬。推薦定員の実数もそれまでは分からないが、昨年より1200名(12%)程度減る見通しだ。推薦応募者が前年と同じ規模なら、推薦入試の平均倍率は、前年の2.88倍から3.2倍程度まで上昇することになる。
≪調査書点≫調査書点の割合を50%未満に設定する学校は、総合芸術や足立新田など実技等を行う学校に多いが、進学重点校で唯一西が40%に設定している。西は作文のウエイトが33%と、江北、青山などと並んで、都立では最も高くなっている。
≪集団討論・面接≫割合の高い学校の順に並べると、下表のようになる。上位には作文実施校が、下位には小論文実施校が並ぶ。

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重要情報を各校HPで公表

要綱には「推薦選抜の実施方針」が掲載されている。そのなかに「『集団討論・面接』、『小論文又は作文』などの検査の観点(どんな内容が出題されるか、どう答えたら良い評価がもらえるか)は、10月1日以降の最初の学校説明会までに、各校のホームページで公表する」とあり、具体的な検査の内容が、今後、各学校から発信されることが分かる。
また「各検査の得点の分布を、学力検査等得点表の送付時期(2月28日~3月11日)に合わせて、各校のホームページで公表する」とあり、「集団討論・面接」などの得点が偏らないよう各校に促している。
推薦入試の詳細は、現時点では明確にはつかめない。いずれにしても、推薦入試の形は根本から変わるようだ。
下表では、進学指導重点校などの推薦枠、検査方法、総合成績に占める割合などをまとめた。次ページ以降では、一般入試を含む変更点を地域別にまとめた。

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≪旧1、2学区≫
推薦入試では、推薦枠を50%→30%に縮小するのが美原、大田桜台、つばさ総合、芦花、世田谷総合。40%→30%が蒲田、25%→20%が雪谷と広尾。新宿は20%→10%と枠未満に縮小。新宿はまた、作文を小論文に変えている。深沢は「文化・スポーツ等特別推薦」の募集を停止。
一般入試では、芝商業が入試科目を3科プラス作文から5科に戻す。三田と目黒では、「男女別定員の緩和」を廃止。
学力検査のない入試を行うチャレンジスクールでは、分割後期の合格者に不登校経験者以外の生徒が増え、運営が難しくなるケースがあったことから、来春から分割募集を止めることになった(六本木、世田谷泉)。

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≪旧3、4学区≫
併設型中高一貫校の大泉と富士は、来春から2クラス募集になる。
推薦入試では、推薦枠を50%→30%に縮小するのが杉並総合、板橋有徳、大泉桜、王子総合。40%→30%がコース制の田柄、練馬工業、飛鳥。25%→20%が石神井、鷺宮、練馬、文京、高島。西は調査書点の割合を40%と上限未満に。大泉桜は小論文を作文に変えている。王子総合は「文化・スポーツ等特別推薦」の募集を開始する。
一般入試では、大泉が特別選考を止める。大山は分割募集を始め、チャレンジスクールの稔ヶ丘と桐ヶ丘では分割募集を止める。高島と板橋では「男女別定員の緩和」を廃止する。

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≪旧5、6学区≫
推薦入試では、推薦枠を50%から上限未満の20%に縮小するのが併設型中高一貫の白鷗。50%→30%は忍岡、コース制の深川、科学技術、橘、葛飾総合。40%→30%が晴海総合。25%→20%が足立西、青井、江戸川、葛飾野、篠崎、日本橋。本所も25%→15%と上限未満に設定。
一般入試では、南葛飾が学力対内申を6:4から5:5に変更。墨田川は学力検査の得点のうち国数英に掛けていた1.5倍の傾斜配点を止める。チャレンジスクールの大江戸は分割募集を停止。「男女別定員の緩和」は、竹台が止め、葛飾野が導入する。
新合格基準では、晴海総合が前年の660から620に大幅にダウンしている。

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≪旧7、8学区≫
中等教育学校の完成年度を迎えて、南多摩は来春から高校募集を停止する。町田地区を含めて、上位の募集学級増が注目される。
推薦入試では、推薦枠を50%から30%に縮小するのが、コース制の松が谷、片倉、五日市と、普通科単位制の上水、町田総合、青梅総合、産業科の八王子桑志。40%→30%が翔陽とエンカレッジスクールの秋留台。25%→20%が松が谷、八王子北、東大和南、武蔵村山、羽村。小川は「文化・スポーツ等特別推薦」の募集を開始する。
一般入試には目立った変更点はない。昼夜間定時制の八王子拓真は、一般枠では分割募集を行うが、チャレンジクラスでは行わない。

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≪旧9、10学区≫
三鷹は中等教育学校になるため、来春から高校募集を停止する。
推薦入試では、推薦枠50%→30%がコース制小平と多摩科学技術、東久留米総合、若葉総合。40%→30%が東村山、35%→30%が田無工業、25%→20%が小平西と永山。久留米西と東村山西は「文化・スポーツ等特別推薦」の募集を開始。
一般入試では、若葉総合が学力対内申を7:3から6:4に変更する。「男女別定員の緩和」は、久留米西と狛江が導入、武蔵野北と小平西が止める。

全都を通じて、一般入試の変更点は少ない。 推薦入試はこれまでの調査書中心の入試から、多様な能力を持つ生徒が入学できるよう、選考方法を大きく変えている。今後、各校から発信される情報に注意を払いたい。

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情報提供:安田教育研究所

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