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模試のデータから読む来春の都立入試  中高一貫校の募集減が台風の目

9月に行われた進研「都立Vもぎ」の集計がまとまった。志望件数は21,063件と、都内公立中3年生のうち、都立志望の生徒(在籍数の約7割)の40% 近い数に上っている。今回は、この資料から志望件数の多い注目校を選んで、件数と分布の模様を前年と比べ、来春の都立入試の傾向を探った(資料提供㈱進学 研究会)。

北園、戸山、国分寺 志望件数増やす

志望件数の前年比は、普通科旧学区(男子)が101%、同(女子)は96%と、女子では旧学区から普通科単位制の上位校や、総合学科に移る動きがみえる。
新宿、国分寺、国際の3校の合計は115%に、昨年減った総合学科は124%に回復している。さらに、科学技術科2校と産業技術高専の合計は119%と、昨年に続いて伸び、併設型中高一貫(白鷗、両国、武蔵)も121%に増やしている。
一方、昨年増えた商業、工業、農業は前年並みに止まり、普通科単位制のうち、美原、芦花、大泉桜、飛鳥、板橋有徳、忍岡、翔陽、上水の合計は97%と伸び悩でいる。ビジネスコミュニケーション科の2校も、合計で74%に減少している。

下のグラフでは、都立高校を合格基準で7つのレンジに分け、各レンジの志望件数を前年と比べた。折れ線は前年比(右目盛り)を示している。
分布は全体として前年同様だが、折れ線が谷を描く790~820と、670~720では件数の減少が大きく、そのため全体がやや右にシフトしたようにみえる。
例年9月の模試では、多くの受験生は志望校の欄に「憧れの学校」の名前を記入する。しかし今年は、やや現実的で慎重な選択が目立つようだ。

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来春から中高一貫の南多摩と三鷹が高校募集を止め、大泉と富士が2学級募集となる。これらの学校の志望者層の動きが台風の目となり、分布の形に反映しているようだ。
志望件数(男女計)を増やした学校の順では、①北園…129件増、②戸山…86件増、③国分寺…77件増、④小金井北…76件増、⑤本所…72件増、⑥日比谷…71件増のほか、城東、国際、晴海総合、目黒、広尾、深川、小岩、葛飾野、成瀬なども増やしている。
減らした順では、①大泉…184件減、②石神井…100件減、③青山…96件減、④富士…83件減のほか、南平、高島、小山台など。

日比谷が上位層を拡大

ここからはページごとに注目校を取り上げ、来春の傾向を探ってみる。
日比谷の男子は、前年→今年で282→325件と43件の増加。グラフではSS(偏差値)66~69が減っている。女子も192→220件と増え、逆に上位が厚くなった。難関大を狙えるSS69以上の累積件数(男女計)は、79→103件に増大。前年の高倍率(実質倍率、男子2.2倍、女子1.8倍)や、改築工事の影響はほとんどない。
近年の西の男子の実質倍率は、2.0→1.4→2.1倍と隔年で昇降。来年は下降の年。そのせいか1 8 0→1 5 9件と減少。日比谷同様、上位が減っている。女子は120→116件と例年並み。SS69以上の累積件数(同)も37→39件と変わらず。
国立は男子(142→143件)、女子(142→158件)と女子が増だが、分布では上位の男子が増え、女子は減っている。SS69以上は、49→49件で変わっていない。

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青山からの流出 質量とも大

戸山は、男子が265→369件と100件以上増やしたが、女子は238→218件と減らしている。SS69以上の累積件数(男女計)では39→34件に減少している。
青山は、男子223→178件、女子224→173件と合計96件を減らした。グラフでは、男子のSS62~66、女子ではSS64以上の流出が大きい。SS64以上の累積(同)は158→85件と半減近い。他校のSS64以上は戸山215→258件、新宿92→127件、駒場(次頁)66→73件、竹早(同)33→64件と、成績上位者の移動先は広く及んでいる。
新宿は、527→537件と続伸。SS64以上の累積では92→127件と4割を超える増加だが、SS69以上では5→8件と、まだまだ発展途上。
国際は、156→212件と56件の増加。SS64以上の累積では30→40件と、青山からの移動がある様子だが、グラフをみると、SS61以下の伸びが目立つ。

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件数が減っても上位が増える

駒場は、男子が305→276件の29件減、女子は217→263件の46件増。グラフでは、男子は62~66が増え、女子は61~64が大幅に伸びている。ただし、男女ともに最上位が減っている。SS61以上の累積では、女子が74→126件と急増している。
小山台は、男子が224→199件、女子は191→152件と、男女計で64件も減少した。昨年の高倍率(実質倍率、男子1.7倍、女子2.0倍)が原因とみられる。グラフでは、男子の上位が増え下位が減っている。SS61以上の累積では、男子が65→94件に増えたが、女子は82→71件に減っている。
竹早は、男子が184→205件の21件増だが、女子は226→182件と大きく減らした。しかし、SS64以上の累積で、男子は10→22件、女子は23→42件と増やしている。女子の42件は、青山の41件、駒場の40件を上回っている。

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富士、大泉からの移動

三田は、男子が203→214件、女子が254→251件と動きが少ない。グラフでは、男女ともに上位に厚みができた。SS61以上の累積件数は、男子が14→38件、女子は41→71件と増やし、女子は小山台と並んでいる。
豊多摩は、男子が144→167件、女子127→130件と男子の増加が目に付く。グラフでは上位が伸びている。SS58以上の累積件数は、男子が4→29件、女子は22→39件と男女ともに大幅な増加。募集減する富士からの流入があるようだ。
さらに大きな増加が見られるのが、北園。男子183→234件、女子185→263件、前年比(男女計)129件増は、都立トップ。SS61以上の累積件数は、男子が10→41件、女子は15→54件と急伸している。大泉からの移動が多いと考えられるが、前年の女子の実質倍率は、1.8倍まで上昇しているため激戦となりそうだ。

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国分寺の増加は中間層

小松川は、男子が174→167件、女子は142→123件と動きが少ない。SS61以上の件数は、男子が33→33件、女子は41→58件と女子の増加が目立つ。
城東は、男子220→259件、女子149→175件、男女計65件増。SS58以上の累積件数は、男子が37→46件、女子は19→54件と、とくに女子が伸びている。
墨田川は、190→210件と増えている。SS61以上の累積件数は、4→10件、SS58以上では18→36件とそれぞれ大きく伸ばしている。
ここからは多摩地域。南多摩と三鷹が募集停止となるほか、早大学院、中大附属が募集減を行うため、この地域の受験生の動きは一層、複雑になりそうだ。
国分寺は、258→335件と大幅増。グラフで分かるように、SS58~61が増えている。大泉などからの移動と考えられる。SS64以上は43→53件に増えた。

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南多摩、三鷹の志望者層はどこへ?

八王子東は、男子91→85件、女子78→83件と動きは少ない。SS69以上は男女計で4→11件、SS64以上では、58→74件に増加している。
立川は、男子156→140件、女子104→135件と女子が増加。男女計でSS69以上は14→11件と減っている。SS64以上は69→72件に増加。
武蔵野北は、男子が165→164件、女子は176→127件と減少、高倍率が影響している。SS61以上は、男子が26→48件、女子は44→38件で女子が減っている。
このほか、南多摩、三鷹からの移動が予想される学校は、次ぺージに掲載した。
増えたのは、町田男子9 4 →11 4件、日野台男子9 0 → 9 7件、小金井北男子96→126件、同女子92→138件、調布北男子91→113件だった。
来春の都立入試では、中高一貫校4校の志望者層がどう動くか、注目される。

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情報提供:安田教育研究所

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