江戸川女子高等学校 入試対策
2025年度「江戸川女子高等学校の国語」
攻略のための学習方法
合格のための「読解力」とは何かを考えてみたい。
読解力とは、文字通り考えると「読み解く力」である。
『現代文の文章は、日本語で書かれているので、日本人であれば何が書かれているかは当然理解できるのだから、現代文攻略のために特段の事前準備は必要がない』
と考えている受験生も中にはいるのではないだろうか。確かに、数学や理科のように明確な客観的原理や原則に基づいて文章を定型的に分解できるものではないことは自明ではある。個人の考え方や価値観の違いも、複数の人間が同じ文章を読んだ場合に違った印象や感想を抱く背景にはその「価値観の違い」がある。
それでは、入試で扱われる文章(小説にしても論説文にしても)は、そのような意味で「読み手」の感覚でいかようにでも解釈が可能になるような文章なのだろうか。答えは「否」である。
なぜならば、読み手によって解釈が複数可能であるとするならば「入試問題」として求められる「客観性」を欠いた文章ということになり、それは入試問題としての特性を有していないことにもなる。
したがって、入試問題として出題される文章は、そのジャンルがどのようなものであったとしても、客観的かつ論理的に読解が可能であり、基本的にはだれが読んでも「同じ結論に至る」というのが原則である。
しかし、そのような「結論」に至るためには「文章の読み方」がある。それが「読解力」であり「読み解く力」である。
具体的には、①キーワードを探す、②作者の結論を見つける、③特に心情把握を問われる小説では「会話」と「情景描写」に注目する、ということである。
①キーワードを探す
「キーワード」とは文中でとても重要な単語・用語である。重要であるから作者は何度も繰り返して使用する。ときには同じ内容について表現を変えて使う場合もある。いずれにしても、熟語になっているような単語などで繰り返し使われているようなものは必ずチェックすることが重要である。
②作者の結論を見つける
特に論説文では「作者の結論」が何かを発見し、理解することがとても重要である。作者が結論を論じる場合、必ず「つまり」「したがって」というつなぎ言葉がついている。この言葉を手掛かりに、その後ろに書かれている内容をしっかりと理解することである。そうすることによって、作者が言いたいこと、主張したいことが何であるのかが見えてくるのである。
③「会話」と「情景描写」に注目する
特に小説においては「心情把握」が重要である。小説において、「太郎はその時とても悲しく思った」などの心情を表わす直接的な描写は行わない。人物の悲しさは登場人物との会話や情景を描写する中で間接的に描かれるものである。したがって、小説における心情把握が苦手であるという受験生は是非「会話」と「情景描写」に着目して文書を読んでもらいたい。
以上、簡単に入試国語の文章読解におけるポイントを確認したので、今後の勉強に少しでも役立つことができればと思う。
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2025年度「江戸川女子高等学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】論説文の読解総合問題<24分>。
漢字の書取り・読取り、内容把握問題、内容把握抜き出し問題、記述問題(60字)などの出題である。
【大問2】小説の読解総合問題<16分>。
内容把握、四字熟語、心情把握などの出題である。
【大問3】古文の読解問題<10分>。
文学史、内容理解、現代語訳などの出題である。
【大問1】芸術に関する論説文の読解総合問題
- 時間配分:24分
出典は『ミュージカルの歴史』(宮本直美著)
問1は、漢字の書取り・読取り問題である<2分>。
読取りは「附随(=ふずい)」、書取りは「困難」「経緯」「鑑賞」である。完答を目指そう。
問2は、指示語問題<2分>。
a「それぞれの時間」であるので、「台詞で進行する台本の時間」と「歌のナンバーがドラマを動かす時間」のことである。
b「ファンタジーの物語」のことである。
c 歌の世界のリアリティとして成立している」のは、「歌が台詞の代替」である。
問3は、語句問題<2分>。
「中断」とは「物事が途中で途絶えること」であるので「断絶」が適切である。
問4は、内容把握問題<2分>。
【ウ】の直後の段落に「台詞で成立する世界」と「歌によって成立する世界」とあり、これが「歌で芝居が進められること」に関係している。
問5は、内容把握選択問題<2分>。
「物語の真実性」とは「フィクションであっても一貫性をもって完結していること」である。
問6は、内容把握抜出し問題<3分>。
直後の具体例を示す段落に「異なる次元で展開しているドラマを音楽がつなぐ」とあり、そのことを一般的に表現しているのが「異なる次元の世界をつなぐ役割」である。
問7は、内容把握選択問題<3分>。
直後に「歌については…物語世界内」にあり、「その旋律…アンダースコアーと同様に非物語」に属するとある。
問8は、内容把握選択問題である<3分>。
ア スコット・マクミリンはミュージカルには「ブック・タイム」と「リリック・タイム」によって成り立つと考えているのである。
オ 「歌は物語内世界と物語外世界の要素を同時に併せ持っていると解釈」できるという「非常に特殊な位置」にあるのである。
問9は、内容把握記述問題<5分>。
本文に「それ(音楽)は台詞とは異なる情緒を補強」するものであり、「日常と同じような形態のリアリティ世界」なのである。
【出題意図】
評論読解の基礎的な読解力を問う問題である。特に、抽象的な概念を具体例と結びつけて理解する力、そして筆者の主張を正確に捉える力が問われている。
※上記出題意図に基づき以下の類似問題に挑戦しよう!
類似問題
次の文章を読んで、後の設問に答えなさい。
「常識」という言葉は、しばしば疑いもなく使われるが、その内容は時代や文化、社会集団によって大きく異なる。たとえば、かつては「地球は平らである」ということが多くの人にとっての常識だった。しかし、科学の発展によってその常識は覆され、現在では「地球は丸い」ということが誰にとっても疑いようのない事実となっている。
このように、常識は絶対的なものではなく、常に変化しうる相対的なものである。私たちは、自分が持っている常識を疑い、新しい知識や異なる視点を受け入れることで、より広い世界を理解することができるようになる。異なる文化を持つ人々との交流は、まさにその常識を揺さぶり、自らの視野を広げる貴重な機会となるのである。
設問
1.本文中の「常識」は、どのようなものとして説明されていますか。本文の内容をふまえて、50字以内で説明しなさい。
2.本文中の「地球は平らである」という常識が「地球は丸い」という事実に変わったのはなぜですか。本文中にある言葉を使って説明しなさい。
3.本文の筆者が最も伝えたいことは何ですか。本文の内容に合うように、次の( )を埋めなさい。
私たちは、( )ことで、より広い世界を理解することができる。
解答と解説
1.解答:時代や文化、社会集団によって内容が変化する、絶対的なものではなく常に変化しうる相対的なもの。
o解説:第一段落の「その内容は時代や文化、社会集団によって大きく異なる」「常識は絶対的なものではなく、常に変化しうる相対的なものである」という部分を要約します。筆者の主張の根幹をなす部分なので、正確に捉えましょう。
2.解答:科学の発展によって常識が覆されたから。
o解説:第一段落の「しかし、科学の発展によってその常識は覆され」という部分をそのまま抜き出すことで答えが導き出せます。抽象的な概念(常識)を説明するために使われている具体例(地球は平らである)と、その理由(科学の発展)を正確に読み取ることがポイントです。
3.解答:自分が持っている常識を疑い、新しい知識や異なる視点を受け入れる
o解説:第二段落の「私たちは、自分が持っている常識を疑い、新しい知識や異なる視点を受け入れることで、より広い世界を理解することができるようになる」という部分を抜き出します。筆者の主張(言いたいこと)が明確に述べられている部分を捉えることが重要です。
【大問2】 小説の読解総合問題
- 時間配分:16分
出典は『砂の城』(遠藤周作著)。
問1は、品詞に関する問題<2分>。
a「とおり」は形式名詞である。エの「こと」と同類である。
b「ニコニコ」は状況を表す「副詞」であり、「ゆっくりと」と同類である。
c「ない」は「補助形容詞」であり、「寒くない」の「ない」と同類である。
d「ぬ」は「助動詞」であり、「入りたい」の「たい」と同類である。
問2は、四字熟語問題<2分>。
物事に集中して他の事象が眼中にない状態を表す四字熟語の「無我夢中」である。
問3は、内容把握問題<2分>。
泰子は雨宮先生に対して「親愛感を持っていた」のであり、「尊敬もしていた」のである。
問4は、内容把握問題<2分>。
「西」と「泰子」は「親しい友人」といえるのであり、「学生時代の親しい友人」なのである。
問5は、内容把握問題<2分>。
「泰子」は「出番がきた時、上手で震えて」いたのである。
問6は、心情把握選択問題である<2分>。
泰子は、「西と交際して、これから自分たち二人はどうなるのだろう」と思っているのであり、将来のことを考えてもの思いにふけっている状況を推測すること。
問7は、内容把握選択問題である<2分>。
「西」 自分の考えを素直に表現できる性格である。
「トシ」 他人(幼なじみ)の助言があっても自分の考えを貫く「意志の強い人物」である。
問8は、内容把握選択問題である<2分>。
不適切な選択肢を選ぶ問題である。
ウ 「臨場感をもって」表現されてはいないので不適切である。
オ 「不安定な社会情勢」については描写されていない。
【出題意図】
1.登場人物の心情理解: 登場人物の行動、セリフ、表情などから、その時々の感情や考えを正確に読み取る力。
2.状況把握: 物語の時間的・空間的な流れを追い、出来事や人物の関係性の変化を理解する力。
3.語彙力と文法知識: 文中の言葉の持つ意味や、文法的なつながりを正しく把握する力。
これらの能力は、国語の読解において非常に重要であり、物語文の読解力を総合的に測るのに適した問題と言える。
※上記出題意図に基づき以下の類似問題に挑戦しよう!
類似問題
次の文章を読んで、後の設問に答えなさい。
その日、彼は図書館で借りた本を返し、新しい本を二冊手に入れた。一冊は推理小説、もう一冊は旅行記だった。いつものように、彼は図書館を出て公園に向かった。ベンチに腰を下ろし、推理小説を開いた。
最初の数ページは、物語に引き込まれ、時間を忘れて読み進めた。しかし、ふと顔を上げたとき、目の前を通り過ぎる人々の姿が妙に鮮やかに目に映った。行き交う親子連れ、犬の散歩をする老人、そして、楽しそうに談笑する学生たち。
彼は再び本に目を落としたが、文字が頭に入ってこなかった。推理小説の主人公がどんなに困難な事件に立ち向かおうとも、彼の心は上の空だった。代わりに、彼は公園にいる人々を眺め、彼らが何を話しているのか、どこへ向かうのかを想像し始めた。本の表紙をそっと閉じ、彼は空を見上げた。高く澄んだ青空には、白い雲がゆっくりと流れていた。
設問
1.筆者が「彼」が最初に本を読んでいるときの様子について、本文に合致するものを次の中から選びなさい。
ア. 公園の景色に気を取られ、なかなか物語に集中できなかった。
イ. 物語の展開に夢中になり、時間が経つのを忘れていた。
ウ. 推理小説の結末を早く知りたいという気持ちが強かった。
エ. 読んでいる本の内容に満足できず、他の本に替えたくなった。
2.本文の最後に「彼」が空を見上げたとき、どのような気持ちだったと推測されますか。本文の内容をふまえて、最も近いものを選びなさい。
ア. 小説の世界に感動し、その余韻に浸っていた。
イ. 小説を読むのをやめて、もっと人々と交流したいと感じていた。
ウ. ひとりで過ごすことに寂しさを感じ、孤独を深めていた。
エ. 読書よりも、目の前にある日常の風景に心が惹かれていた。
解答と解説
1.解答:イ
o解説:最初の段落に「最初の数ページは、物語に引き込まれ、時間を忘れて読み進めた」とある。これは、物語に夢中になっていたことを示しているものであり、したがって、「イ」が正解である。他の選択肢は、いずれも本文の記述と矛盾している。
2.解答:エ
o解説:彼は最初は推理小説に夢中になっていたが、途中で「目の前を通り過ぎる人々の姿」が気になり始め、最終的には本を閉じて「空を見上げ」ている。これは、読書という内的な世界から、公園という外的な世界、つまり「日常の風景」へと関心が移っていったことを表しているものであり、したがって、「エ」が最も適切である。
【大問3】古文の読解問題
- 時間配分:10分
出典は『更級日記』。
問1は、文学史問題<1分>。
『土佐日記』の作者を問う問題である。平安時代に著された日記である。
問2は、内容把握問題<1分>。
「わが生ひ出でし国」は「上総の国(現在の千葉県)」であり、千葉県から見た「富士の山(富士山)」は西の方向である。
問3は、現代語訳問題<1分>。
Y「うるはしく」とは「きちんとした」という意味である。
Z「あく」とは「欠員がでる」という意味である。
問4は、内容把握問題<1分>。
本文には「山のいただきの少し平らぎたるより、煙は立ちのぼる。夕暮れは火の燃えたつも見ゆ」とある。
問5は、内容把握問題<2分>。
「清見が関」については、「関屋どもあまたありて」とある。「大井川」については、「白き水は早く流れたり」とある。
問6は、内容把握問題<2分>。
本文には「かへる年の司召に、この文に書かれたりし、一つたがはず」、「来年の司召などは、今年この山に、そこばくの神々あつまりて、なしたまふなりけり」とある。
問7は、内容把握問題である<2分>。
「かへる年の司召」の書かれていたものである。
攻略のポイント
論説文、小説、古文と全ての分野から出題されている。論説文は内容把握が少々難しいかもしれない。文脈を丁寧に読み進め内容の把握をしっかり行うことが重要である。特に、筆者の主張は何かを常に意識しながら本文をしっかり読み込むことである。
また、小説は本問に限らず、一般的に人物の心情把握がメインである。「心情把握」のためには①会話文の内容、②情景描写(特に比喩表現)が重要である。
古文は、難解な文章ではないので内容把握は確実に行えるであろう。古語の現代語訳もしっかり押さえておくこと。