法政大学第二中学校 入試対策
2025年度「法政大学第二中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は4問~11問と年度により異なる。大問ごとに、あるいはいくつかの大問をまとめて各分野に分かれている。総解答数は50問前後。地理・歴史・政治経済と、ほぼ同じ問題数になっている。
あるテーマに沿った短文・長文の資料やリード文を読み、答えていく形が多い。1つの資料に付き複数の答えを求められるパターンもよく見られる。
記号選択が多く、適語記入が数問と2行程度の記述問題が1問出されるのが通例である。問題数の多さには注意が必要である。
地理分野
世界遺産・地形図の読み取り(2025年度)や緯度・経度と日本の農林水産業(2021年度)など、一つのテーマに沿ってやや詳しく訊くパターンが多い。テーマそのものについても、また関連する地形・地名や産業などについても問題が出されている。
地図を用いた問題が多いので、各地の地名・地形と位置をしっかり覚えておくこと。2019年度以降では地形図の読み取りが頻出となっている。また、ここ数年は雨温図がよく使われているので、日本の6つの気候区を確実に見分けられるようにしておいたほうが良いだろう。過去には地図などの資料が全く使われなかった年度もあった。過去問もよく見て違いを確認しておきたい。
歴史分野
あるテーマに沿って詳しく訊く問題や、幅広い範囲からある項目について答えさせる問題などのパターンがある。いろいろな時代の法令(2025年度)や平安~大正時代の歴史(2021年度)などのテーマが取り上げられた。また、ここ数年は古代の歴史書が史料としてよく使われている。
古代から現代まで広い時代から出題がある。時代順の並べ替えの問題も毎年出されている。各時代、各項目に大きな抜けが無いよう、丁寧に学習しておこう。
政治経済分野
日本国憲法と政治の仕組みを中心に問題が出されている。そこに、時事問題や国際関係の話題も織り交ぜられている。記述問題はこの分野で出されることが多く、衆議院の優越がある理由(2020年度)や核兵器禁止条約の内容と日本の立場(2021年度)などのテーマで1~3行ほどの記述問題が出題されている。
憲法や政治について基本事項をしっかり覚えたうえで、時事問題集などで最新の国内外の出来事・情勢に詳しくなっておこう。
注意点
全体的には基本事項の問題が多いのだが、一部にやや細かい知識を問われる問題がある。憲法の婚姻についての条文や各地の祭り(ともに2017年度)など、詳しく覚えていない人も多かったのではないだろうか。答えられれば差がつくところであるが、問題数の多さを考えるとわからない問題に時間を取られるのは得策ではない。自信のない問題は素通りしてとにかく最後まで一通り終わらせ、答えられたのに時間が足りなかったなどという事態は避けるようにしたい。
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2025年度「法政大学第二中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は56問で時間は40分。選択肢問題が多めである。記述問題は3行ほどの字数で1問出されている。
問題数は多めだが、地理分野以外での資料の使用は少なめであるのでテンポよく進められるだろう。ペース配分に注意して迷う問題は後回し、最後までひととおり解き進めよう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
世界遺産を題材に、各地の特色や産業などについて訊かれている。
問1
【1】う(姫路城)
【2】お(富岡製糸場)
【5】え(白川郷・五箇山)
問2 け・知床
問3
A. 北海道【4】が1位、兵庫県が2位なので玉ねぎ。
B. 佐賀県が1位、福岡県が3位で養殖のり
C. 鹿児島県・宮崎県が上位なので豚。
D. 広島県【3】と宮城県が上位なので養殖かき。
問4
【3】広島県は温暖少雨の瀬戸内気候に属するので、(い)。
【4】北海道は気温が低いので(あ)。
【5】日本海側の気候で冬に降雨(雪)量が多いので、(え)。
問5 経度差が180度あるのでちょうど日本より半日遅れている→8月7日23時。
問6
① 頂上に向かって等高線が膨らんでいる部分が谷である→あ・え。
② A
③ 等高線の間隔が広い部分が緩やかな勾配である→3。
④ 主曲線10m・計曲線50mの間隔なので縮尺は25000分の1である。6.3×25000=157500㎝=1575m
⑤ A. う B. お
⑥ い・う
〔ワンポイント!――地図の読み取りが頻出である。等高線・地図記号や地形の読み取りなど、白地図や資料集でよく練習しておこう。〕
<時間配分目安:14分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
奈良時代の法律についての問題。
問1 下線①は聖武天皇のことである。
あ. 平安京に遷都したのは桓武天皇である。
う. 桓武天皇の時代である。
問2 墾田永年私財法
【大問3】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
荘園について訊かれている。
問1
い. 鎌倉時代に幕府の命令で荘園が開発されることはなかった。
お. 荘園を管理する国司が執務する役所を国衙(こくが)といい、図には見られない。
問2 あ. 村の自治や村独自のおきてが認められるようになったのは室町時代である。
問3 不輸の権
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
太閤検地についての問題。
問1 検地
問2 豊臣秀吉
【大問5】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
江戸時代の法令についての問題。
問1 五人組
問2 え
【大問6】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
地租改正を題材とした問題。
問1 地券
問2 現金
問3 地価の3%を現金で納めることになり、「豊作」でも「増税」しないが、「凶作」でも「減税」しないというように、米の作柄に関わらず一定の税金を納めることとなった。
【大問7】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:1分
農地改革について訊かれている。
問1 自作地は農地の半分ほどしかなく、小作農は地主に小作料を払って農業を行ったので、生活は苦しかった。
〔ワンポイント!――記述問題は歴史分野か政治経済分野で出される場合が多い。過去の出来事の背景や、社会事象の意味などを普段からよく考え、説明できるように訓練しておこう。〕
<【大問2】~【大問7】合わせて 時間配分目安:14分>
【大問8】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
生存権についての問題。
問1 5月3日
問2 え
問3 生活保護
問4 「健康で文化的な最低限度の生活」を送る権利を生存権といい、憲法で保障されている。
問5
(1) 文民
(2) あ. 憲法は国民の権利を守るために、政府や裁判官などの公務員が順守すべき法規であり、国民が尊重する義務は規定されていない。
問6
あ. 弾劾裁判は国会で行われる。
う. 国民審査は衆議院議員選挙の際に行われる。
え. 最高裁大法廷は15人、小法廷は5人で構成される。
問7 ILO(国際労働機関)
問8 う. 輸入コストが増加するのは円安のときである。
問9 インバウンド
【大問9】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
川崎市の子どものための施設を話題とした問題。
問1 (1) こどもの権利(条約) (2) こども権利(法)
問2 う. 人口50万人以上が基準である。
問3 あ
問4 (1) え (2) い
問5 え. 「自分で意見表明することができる」は目指すべき理想であり、施設の利用条件ではない。
〔ワンポイント!――憲法・政治のしくみ・基本的人権などの基本事項を抑えたうえで、国際関係など、直近の大きな出来事などにも注意を払っておこう。〕
<【大問8】・【大問9】合わせて 時間配分目安:12分>
攻略のポイント
問題数が多く、基本事項の問題も多い。とにかく最後まで手を付けて答えられる問題は確実に答える。
過去問をよく見て、頻出傾向にある単元・範囲は特に丁寧に覚えておこう。
記述問題は短文の説明記述が多いので、記述対策問題集での練習も役に立つ。
無理に難問集などに手を出す必要はないが、一部のやや細かい知識を問われる問題は答えられれば差がつく部分なので、基本事項をひととおり覚えたら、さらに詳しい教材で補足しておくのも良いだろう。
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