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國學院高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「國學院高等学校の国語」
攻略のための学習方法

長文読解

説明的文章1問・文学的文章1問の計2問が毎年出題されている。それぞれ3000~3500字ほどで計6000~7000字程度の長文読解になる。同程度の文量の問題で必要なスピードを体感しておくこと。

新しくマークシート方式が採用されている。選択式になったからと言って答えるのが簡単になったわけではない。正確な読解ができなければ選択肢の微妙な違いにも気づけない。設問内容はオーソードックスだが、選択肢の文が長い点には慣れておく必要がある。長いけれども、本文を注意深く読んでいれば判別はつくので、言葉を正確に吟味し、慌てず正確に判断する練習を積んでおこう。難易度としてもそれほどの難問ではなく、選択肢も選択を迷わせるような意地悪なものではない。特殊な対策は要らないので、堅実に読解の実力を付ければ良い。

・説明的文章

まずは形式段落と意味段落の整理。意味段落の内容をまとめてタイトルをつけてしまうとわかりやすい。接続詞や指示語の指すところなどを確かめながら、段落のつながりを確認。各段落の最初と最後に特に注意しながら細部と要点の区分け。それらをまとめて結論・要旨へとたどり着く。読み進めながら印や下線で重要点を目立つようにしておくと時間の節約になる。

・文学的文章

登場人物・時間・場所などで場面の転換をマーク。人物・筆者の発言・行動・表情などから気持ちや考えを読み取る。それらをストーリーや話題と照らし合わせ、主題や筆者の意見を考える。重要点に下線を引いたり、関係する点を結んでおいたりすると設問にあたったときに考えやすい。

知識問題も読解と合わせて出されているが、難しい文法などは訊かれていない。語句の意味がよく出されているので、普段から本を多く読んで語彙を増やしておくと良いだろう。

古文

配点が大きいので、古文が苦手だからといって諦めてしまうわけにはいかない。使われる文章はなかなかに難しく、大学入試で出されてもおかしくないレベルである。ただし、全部ではないが現代語訳が付属しているので、難易度については配慮されている。

大筋の話はわかるようになってはいるが、それでもやはり古文を見慣れておかないと厳しい。高校古文の必修~標準レベルの教材で最重要単語や基本文法・敬語などを覚えておこう。

主語が省略されやすい古文では誰の発言・行動なのかを見分けることが内容理解には大事なので、敬語などで大まかにでも主語を推測できるようになっておくと役に立つ。古典に多く触れて宮廷や市井での人々の暮らしぶりを知っておくと、理解も一段と進むだろう。

選択肢問題

マークシート方式になり、すべての問題が選択式となった。同じマークシート方式を採用する試験問題(栄東高校など)で練習するのもよいだろう。読解が確実にできることは前提として、本文との一致・不一致を正確に見分けられるよう、一語一句を見逃さない注意力を養いたい。

漢字・その他

マークシート方式の必然として漢字の問題は同音異字の見分けが主となる傾向にある。その種の問題を多くこなして対策しておきたい。ただし、言葉というものは意味が分からなければ結局区別できないものなので、それぞれの字の根本の意味をよく理解しておこう。言葉の意味や四字熟語など、その他の言語事項も数問ほど出されるが、標準レベルの教材に目を通しておけば良いだろう。

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2025年度「國學院高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

当然、知識問題から先に手を着ける漢字は4~5分で終えて残りは長文読解と古文に充てる。2題の長文を合わせて6000字ほどと古文700字ほどの文量である。
文章はさほど難解なものではないので、それぞれ5~6分で目を通し、重要点をチェックできるくらいのスピードで臨みたい。マークシート式だが選択肢の文が長いのでその分時間はかかる。他校のマークシートなどでも慣れておこう

【大問一】論説文の読解

  • 時間配分:16分

政治的に話し合うことの特徴を学問的な議論と政治的な議論に分けて考察し、政治的な議論においては正しさばかりを過度に追い求めると話し合いが邪魔になり本来の政治そのものを終わらせてしまう危険があると述べている。

問一 「うが(穿)つ」は「本質をとらえる」という意味で、「うがった見方」は本質をとらえた見方をするという意味になる。よく「疑ってかかるような見方をする」という意味で使う人がいるが、誤用である。

問二 
 Ⅰ. 正しいことを遠慮なく発言するのがルールです。「もっとも」、現実には、なかなかそうできないこともあるのですが……。
 Ⅱ. 政治的な議論も自然科学と同じように、「つまり」、唯一の正しい結論を見出すために行うのでしょうか?
 Ⅲ. ○○が私的なところとされ、その一方で、理性を用いて話す場が公的なところとされる。「そして」、公的な場こそが高級で、政治からは私的なものは追い出されなければならないとされるのです。
 Ⅳ. しかし、「たとえば」原発問題について……。

問三 
 . 政治的な議論においても、人々が「理性的」に話し合えば一つの正しい結論に到達するはずだと考えられている。
 Y. 原発問題などについては立場もさまざまであり「絶対的」な正しさは決められない。

問四 経済的に強い人は声高に主張しなくてもよい→また、お金があれば説得力のある話し方を学べる可能性が高い→話し合いをリードできる→そうした人たちに有利な結論が導き出される……という流れである。

問五 「自らの利害関係をどこかに置いてくると生身の存在でなくなってしまう」「その人の背景は政治的判断に関係してくる」「身体を置き去りにした議論は説得力がない」などの言説から、選択肢③が選べる。

問六 ③

問七 
 原発問題のように、人にはいろいろな立場があり、絶対的な正しさは決められない→選択肢②。
 もう一つの大きな問題は、正しさに絶対性を求めると話し合いの複数性が必要でなくなってしまうことである→選択肢③。

問八 ④ 最後の三段落に書かれていることと合う。

ワンポイント!――選択肢問題であるから、本文との一致・不一致を判断することが主なる。本文とは表現を変えている場合もあるので、内容をしっかり吟味しよう。〕

                                   <時間配分目安:16分>

【大問二】随筆の読解

  • 時間配分:16分

両親が離婚して25年ぶりに父親と会うようになった筆者。初めは距離を感じていたが、同じ感性を持つことがわかり、父娘であることを実感する。

問一 「ほとんど初対面の人を、ただちに父と思えるはずもなく」「どうつきあっていけばいいのかもわからなかった」→選択肢②。

問二 「神さん」と呼んで時折訪ね、雑談はできなかったが相手を失望させたくない思いもあって芸術などについて語りあい、帰ろうとする筆者を父は引きとめなかった→「つかず離れずの関係」

問三 「何かに感動したら人に伝えたいと思う」という感性が自分と共通しており、「私の父だ!」と父娘であることを実感したのである。

問四 筆者は「話さなければわからない、感動は伝わらないと思っていたから、言葉を駆使して話していた」が、父の指摘で「言葉で絵の何が伝わったのか」と改めて気づかされたのである。

問五 真に深い感情はとても言葉で言い表せるものではなく、そのとき人は沈黙するしかないのである→選択肢①。

問六 他の事柄なら「饒舌」になれるが、愛するという感情については言葉では表せず「寡黙」になってしまい、言葉の代わりに「沈黙」するしかない。

問七 
  けっして「饒舌」ではない。
  「語ることを諦め」てはいない。
  「言葉として精一杯表現し尽くした」とは言えない。
  「父の葛藤」は感じられない。

問八 「なぜ芸術を語ろうとするのか」という父の言葉に気づかされた結果であり、カタログを渡して何かを感じてくれればそれでいいと考えている③の場面にもどせば意味が合う。

ワンポイント!――随筆文の読解では、筆者の性格によって感情の表し方や行動が異なってくる。どんな人物なのかを考えながら、予断なく書かれていることを判断しよう。〕

                                   <時間配分目安:16分>

【大問三】古典の鑑賞

  • 時間配分:13分

自分だけ島流しが解除されなかった俊寛の嘆きあがく姿が語られる。

問一 ⑤ つひに→ついに  ⑦ やうに→ように  ⑧ をめき→おめき

問二 
 a. 康頼入道の形見としては法華経を後に残した 
 b. 幼きものが乳母や母を慕うように足をばたばたさせて

問三 (船に)乗っては降り、降りては乗って、なんとしても都へ帰りたいと、諦められない様子である。

問四 舟の網に取りついて、だんだん深いところに引きずられていく場面である→腰から脇へと水に浸っていき、背が立つ深さまで引かれていった。

問五 島流しを解かれたのは成経と康頼だけなのだが、その指令を違(たが)えてでも自分も連れて行ってくれと、無理・わがままを言っているのである。

問六 「船に乗せてくれ。(都までとは言わないから)せめて九州の地まで」と、俊寛の往生際の悪さが際立つ場面である。

問七 松浦さよ姫が夫との別れを嘆いたという有名な話があり、その姫よりも俊寛の嘆きの方が上回る、それほど俊寛の都に帰りたい気持ちが強いということ伝えるためのエピソードである。

問八 「あなた方(=成経・康頼)、俊寛を捨てるのですか。こんなに薄情だとは思わなかった。日頃の情けも今は何にもならない」→選択肢②。

ワンポイント!――古文は主語を省く場合も多いので、誰の行動かを訊く問題がよく出される。敬語なども主語を判断する手掛かりになるので、基本的な単語・文法は頭に入れておこう。〕

                                   <時間配分目安:13分>

【大問四】同音異字

  • 時間配分:5分

(1) 息災――災害・書斎・歳末・才媛・城塞

(2) 危篤――篤実・特色・損得・督促・匿名

(3) 啓示――系図・係留・啓発・敬遠・景勝地

(4) 符号――楽譜・畏怖・普段・富豪・護符

(5) 常軌――換気・任期・岐路・軌道・風紀

(6) 諮る――指令・支給・資質・諮問・試案

(7) 削る――添削・散策・交錯・搾取・索引

(8) 花房――帽子・暖房・忙殺・冒頭・暴言

ワンポイント!――選択肢である分、難しめの漢字が出されている。結局は書けなければ正解もできないので、手を抜かずしっかり覚えておこう。〕

                                    <時間配分目安:5分>

攻略ポイント

人それぞれに得意・不得意はあるものだが、本校の試験では説明的文章・文学的文章・古文が毎年出題されるので、このうち2分野は得意分野にしておきたい。古文はさほど時間を取られないだろうから、現代文読解のスピードをつけ、全体を時間内に終えることができれば理想的である。
また、古文の配点の大きさはやはり捨てるには惜しいので、塾あるいは独習で一定の時間をかけて学ぶべきであろう。
選択肢問題の比重が大きい試験なので、正解の選び方のコツをつかんでおきたい

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