医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

東京医科歯科大学医学部の傾向と対策

化学(2012年)の傾向と対策

以前の本校は有機化学の難問が出題されるといわれていましたが、ここ数年は以前ほどの難問は出題されていません。他の分野も含め全体としては取り組みやすくなっていますが、それでも受験生が見慣れない問題、実験データを基に考察する問題などが出題され、思考力を問うレベルの高い問題であることに変わりはありません。

センター試験180点、二次試験360点の配点となっており、二次試験の理科2教科で120分120点の配点となっています。ここ数年、化学の大問数は3題となっています。ただし3題のうち2題が分野横断的な総合問題が出題されることが多く、見慣れない問題、考察力を要する問題が出題されることを考慮すると時間配分には十分注意する必要があります。また論述や計算過程を示す記述問題も出題されますので、上手にまとめる練習をしておくことも不可欠となります。合格最低点が540点中、2012年度が368.4点、2011年度が369.0点となっています。年度によって差はありますが、合格するために2次試験の化学で7~8割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

2012年度の大問別テーマは、大問1で状態図、蒸気圧、気液平衡の二酸化炭素の体積などの問題。大問2で窒素酸化物、電離平衡、カップリングなどの総合問題。大問3でアスパラギン酸の構造と性質などの問題となっています。

大問1はリード文中の超臨界状態について理解することが難しかったと思われます。

大問2は一酸化窒素が酸素およびオゾンによって酸化される化学反応式、二酸化窒素が冷水に解けて硝酸と亜硝酸を生じる化学反応式を答える問題からはじまっていますが、このような基本的な問題は確実に解きたいところです。また電離度、分圧を問う計算問題も標準的な典型問題でしたので、素早く処理したいところです。

大問3はラセミ混合物という用語、アスパラギン酸の構造式が問われ、ここで差がついたかと思いますが、この問題が解けなくても他の標準問題が解ければ合格可能だと思いますので、慌てず出来る問題を確実に解くことが合格への鍵になるでしょう。

2011年度は、大問1で重水に関する理論分野、分子間力、熱化学方程式、pH、電離度、平衡などの問題。大問2でカルシウムの塩に関する溶解平衡の問題。大問3で天然高分子・合成高分子の基礎知識、イオン交換樹脂とアミノ酸の分離に関する問題となっています。

大問1の難易度が高く、本校の特徴である見慣れない物資や反応を題材としています。かつ数学の確率の考え方を必要とする小問もありました。大問2,3は標準的な問題となっています。全体で論述問題が2題出題され80字100字の字数制限となっています。
2010年度は、大問1で混合気体と気体の水への溶解を題材に平均分子量、飽和蒸気圧、気体の密度、ヘンリーの法則などの問題。大問2でホルモール法(アミノ酸の中和滴定)、構造異性体などの問題。大問3でリン酸の電離平衡、リン酸の縮合、ATPなどの問題となっています。

本校の特徴である見慣れない物資や反応を題材として点で、大問2のホルモール法においてアミノ酸とホルマリンの反応で生じる物質の構造式が問われましたが、この問題は戸惑った受験生も多かったかと思います。

以上、本校の傾向は以前ほどではないにしても、見慣れない物資や反応を題材とした総合問題が多く、またリード文も長いのが大きな特徴となっています。また計算問題の途中式や説明も記す問題、論述問題もあり骨太な問題となっていますので、相当の準備が必要となります。

まずは標準的な典型問題を素早く解く能力を早い段階、できれば夏までに仕上げたいところです。そこで一度過去問を1,2年分解いて、求められているものが何なのかを肌で感じましょう。この際の過去問演習時の出来不出来は気にせず、こんな感じかあというのがつかめれば十分なので、その点は注意してください。そこからリード文が長い総合問題、思考力を要する問題などにじっくり取り組み、リード文から必要な情報を読み取る読解力を身につけることが大切になります。また本校理論計算式の記述は解答欄があまり大きくない問題もありますので、上手にまとめられるように練習することが不可欠です。

加えて、本校の有機化学の問題は推理力、思考力がよく試されますが、その前提として知識があればあるほど解きやすいことは間違いないことは理解して、普段の学習から積極的に知識の吸収を心掛け、同時に推理力を磨く問題演習を十分行いましょう。

最後に具体的な学習法としては「化学Ⅰ・Ⅱの新演習(三省堂)」の☆三つ問題までを、時としてじっくり納得できるまで時間をかけこの問題集を隅から隅まで理解し、最終的には素早く処理できるようになれるかが勝負となります。また参考書として「化学Ⅰ・Ⅱの新研究(三省堂)」の「SCIENCE BOX」などを熟読することをお勧めします。

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