医大・医学部受験プロ家庭教師 入試解剖

筑波大学医学群の傾向と対策

物理(2012年)の傾向と対策

  例年標準的な典型問題の出題が多くなっています。力学から1題、電磁気から1題、その他の分野から1題という構成になっており、理由を述べる論述問題も毎年出題されています。また2010年度の大問3は原子に関するA問題とB問題から選択する形式、2007年度も同様に大問3が熱力学のA問題と原子のB問題から選択する形式となっています。2012年度は前年と比較して難易度で易化しており、高得点での争いになったかと思われます。

  センター試験900点、二次試験1100点の配点となっており、二次試験の理科2教科で120分300点の配点となっています。ここ数年、物理の大問数は3題となっており、合格最低点が2000点中、2011年度が1647点、2010年度が1637点となっています。年度によって差はありますが、合格するためには2次試験の物理で9割程度が合格ラインのひとつの目安と言えるでしょう。

  2012年度の大問別テーマは、大問1で鉛直面内円運動、衝突(力学)。大問2で電磁誘導と抵抗回路(電磁気)。大問3で水中に沈められた円筒容器のつり合い(熱力学)となっています。

  大問1は典型問題となっています。力学的エネルギー保存則からはじまり、運動方程式、衝突問題は運動量保存、はねかえり係数の連立方程式など前半は基本問題ばかりです。後半も軌道から離れた後は放物運動の問題となっている点を理解し素早く処理したいところです。

  大問2の前半は磁場が変化する場合の固定コイルの電磁誘導および移動金属棒に生じる移動金属棒に生じる起電力の問題で定義、定理を十分理解していれば問題なく解けたでしょう。公式を丸暗記するのではなく、誘導起電力とは何なのかと常に自問自答しながら学習を進めることが大切になると思います。

  大問3は水深と水圧の関係を理解することがまず重要となっています。最後に2問理由を問う論述問題が出題されましたが、2012年度も前年同様に文字数指定がありませんでした。要点をコンパクトにまとめればよかったかと思われます。

  2011年度は、大問1でばねの弾性力を含んだ単振り子などの問題(力学)。大問2でサイクロトロンの原理などの問題(電磁気、力学)。大問3で薄膜による光の干渉などの問題(波動)となっています。

  大問2において起動半径と速さとエネルギーの関係性を正確に処理できたかが合否への鍵となったと思われます。また論述問題での文字数指定がなかったのも特徴となっています。

  2010年度は、大問1で2種の液体から浮力を受ける単振動などの問題(力学)。大問2で傾斜のあるレール上の導体棒に生じる起電力などの問題(電磁気)。大問3Aで半導体とPN接合などの問題(原子)。大問3Bでボーアの水素原子モデルとスペクトルなどの問題(原子)となっています。

  上述した通り大問3はA、Bどちらか一つを選択します。またこの原子に関する問題で、Aからは100字論述が2題、Bからも100字論述が1題出題されています。原子分野に関する論述問題には慣れていない受験生も多いかと思いますので、ここで差がついたかと思われます。

  以上、力学、電磁気を中心に標準的な典型問題が幅広く問われるのが本校の大きな特徴となっています。原子分野も出題されていますので、ここまで十分対策した臨むことが不可欠となっています。また論述問題も毎年出題されます。与えられた状況にどのような現象、運動が起こるかを考察し、その理由を学んできた物理学の定理、公式などから理由づけをするタイプが多くなっています。普段から公式の丸暗記ではなく定義・定理の本質を掴もうとする学習姿勢があれば論述問題にも慌てずに対応できるかと思います。ただし原子に関しては意識的に論述対策を行った方がより効果的になるでしょう。

  最後に具体的な学習法としては「橋元流解法の大原則1・2(学研)」を何度も読んで重要な定義・定理をまずしっかりイメージできるようにすることをお勧めします。同時に本書の例題も演習しましょう。次に「セミナー物理(第一学習社)」を基本例題→基本問題→発展例題→発展問題と繰り返し演習しましょう。そして一通り標準的な問題が解けるようになったら総合問題までを確実に押さえ、最後に過去問演習を時間計測しながらきっちり解きましょう。またセンター試験対策も十分時間をかけて行うことも大切になります。センター対策が同時に2次試験対策にもなることと、センター試験の配点が高いことがその理由となります。本校は高得点での争いになりますので、万遍なく苦手分野を作らないように準備することが重要となります。

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