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駒場東邦中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「駒場東邦中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

論説文・小説の読解問題2題と、漢字・言葉の知識が数問という形式が定着している。素材文の長さは各2500~3500字の2問で計5000~7000字ほど。平均的な文量と言えるが、時間は45分と少し短いので注意。

選択肢問題がほとんどで、短い記述問題が出される年度もある。県下でも有数の高偏差値の学校であるが、国語の試験は非常にシンプルな構成になっている。

長文読解

論説文と小説の2問。同程度の難易度の学校では10000字を超える長文も多く見られる中、5000~7000字は文量としては少なめである。設問でも、長大な記述問題や答えを探すのに手間取りそうな書き抜き問題はほとんど出されない。

最新年度では書き抜きと適語記入の2問以外はすべて記号選択問題であった。選択肢は四択で文は少し長いのでここで多少時間を取られるが、内容は無理に迷わせるような意地悪なものではない。全体的にクセのないシンプルな試験である。

45分と少し時間は短いが、本校を志望するレベルの生徒であれば時間・難易度ともにさほどの困難は感じないであろう。

特別な対策は要らないので、長文読解の基本に沿って学習を進めればよい。

・論説文

段落の整理。形式段落→意味段落へとまとめ、各意味段落の内容を小見出しのようにつけてしまうとよい。

各段落の要点。段落の最初と最後に特に注意しながら、要点と思われる1文に傍線を引くなどしてマークしておく。細部でも、言い換えた部分などは手がかりになる場合も多いので、チェックしておく。

要旨の読み取り。どのような問題でも訊かれることが多いので、要旨の中でも特に重要な部分を目立つようにしておく。

・小説 

場面分け。時間・場所・人物の移動などに注目し、場面の変わり目をチェックしておく。だれのどんな場面なのか、他の場面との関連なども考えておく。登場人物の性格を把握し、言動や情景から心理を読み取る。気持ちに変化があった場面は問題にされやすいので、特に注意しておく。全体を見渡して、何が中心テーマとして描かれていたのかを考える。

・漢字・その他

漢字はここ数年、同音異字の選択肢問題という形で3問程度出題されている。語句の意味も数問、出されている。標準的な難易度である。 

まとめ

選択肢問題が多いので、類似問題で慣れておくことは重要である。しかし、本校の高い偏差値からすると難易度は控えめであり、全体としても取り組みやすい試験になっている。

それだけに、合格者平均点は7~8割と高いことが予想され、高得点での争いになると思われる。確かな実力と、ミスのない答案作成が求められる。

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2025年度「駒場東邦中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

出典はいとうみく「天使のにもつ」(文字数約9300字)。設問は全13問(解答数32)。「選択肢」(「不適切」、「正誤判別」、「総合的知識問題」あり)、「説明記述」(全5問。「30字以内」「40字以内」「60字以内」「80字以内」「90字以内」各1問)、「漢字の書きとり」(全14問)。問題文を11分程度で読み切り、「説明記述」は40分ほど、その他の設問は10分弱で解きたい。

 【大問】

  • 難度:標準
  • 時間配分:60分
  • ★必答問題

「頼んでまでして、なんで仕事しなきゃなんないの? しかもタダで」――そんな中学2年の「風汰(ふうた)」が職場体験先に選んだのは、保育園だった。「子どもと遊んでりゃいいってこと? ありかも! 」 本当に大丈夫なのか……。本文では、保育園で出会った「しおん君」がお母さんに嫌われることはしたがらないということを知り、「風汰」は今の自分には「しおん君」を守る力はないが、できるだけのことをして支えたいと思うようになる姿が描かれている。平易な文章なので、内容は難なく理解できるはずだ。ポイントは定番の「説明記述設問」になる。以下、いくつかの設問を確認してみたい。

[問1] 「漢字の書きとり」(全14問)

二重傍線部(1)~(14)の「カタカナ」を「漢字」に直す。本年度は昨年度ほど平易ではないが、本校としては標準的難易度。やや注意すべきものだけを確認したい。

(1)「子犬はゾウキが未発達だから、栄養がうまく取れないと……」=「臓器」⇒「中学入試」での定番の「漢字」だ。

(2)「子犬は一枚で、セイケンが四枚。写真の下になにか書いてある」=「成犬」⇒なじみが薄いか? 「文脈」を正しく読み取ること。

(6)「警察にレンコウされる」=「連行」⇒「本人の意思にかかわらず、連れて行くこと」という意味も押さえておくこと。

(7)「公園を突っ切ってロジに出る」=「路地」⇒これも問題ないはず。

(9)「ときどきゴサドウを起こす」=「誤作動」⇒これは書けて当然だ。

                              <時間配分目安:全問で3分強>

[問4] 「空所補充の漢字記述」(「漢字1字」指定)。「総合的知識問題」。「慣用句」だ。

本文中の空所に共通して「あてはまる漢字一字」を答える。空所部分を確認したい。「(走っていて)立ち止まったとたん、驚くほどが上がっていることに気づいた」。「(林田は)ゆっくりを飲みこむようにして笑った」。さて、どうだろうか?の方が分かりやすいか? 「走った直後に上がっている」のだから、「息が上がる」(激しい運動や疲労などにより、呼吸が乱れて息が苦しくなる状態)がふさわしいと分からなくてはいけない。すると、の「息を飲む」の方はどうか? 「驚きや恐れのために一瞬息を止めること」なのであてはまると判断できる。尚、本校では、「漢字」だけではなく「四字熟語」「慣用句」「故事成語」「ことわざ」「オノマトペ」「慣用表現」など、あらゆる「知識」に対応できるようにしておくことが肝要だ。

                                 <時間配分目安:1分強> 

[問5] 「語句の意味の選択肢」(全2問。各5択)

本校の面目躍如といった「総合的知識問題」。

波線部(B)「おせっかいな人」・(C)「目を凝らしている」の「本文中の意味」を答える。

チェックしてみよう。(A)⇒「他人のことに必要以上に立ち入って、余計な世話を焼く人」を表す⇒「答え」は選択肢(オ)の「何かと世話を焼きたがる人」。(B)⇒「じっと見つめる、凝視する」こと⇒「答え」は(ア)の「じっと見ている」。尚、「語句の意味の選択肢」では「原意」(=もともとの意味)を最優先に考えることが必須だ(ただし、「多義語」では「文脈」による判別も必要になる)。

                               <時間配分目安:全問で1分> 

[問6] 「空所補充語句の語句選択肢」(5択)

傍線部「わたしたちの         なの」の空所に「あてはまる語句」を答える。空所部前後を確認する。「園児の住所とか電話番号とか家族構成とか、そういうことは言っちゃいけないって決まりがあるの。わたしたちの         なの」となっている。

各選択肢は、(ア)「仕事」・(イ)「願望」・(ウ)「権利」・(エ)「義務」・(オ)「信念」。「言っちゃいけないって決まり」なのだから無論、「答え」は(エ)の「義務」になる。本問も結果的には「総合的知識問題」だったということになる。

                                  <時間配分目安:1分> 

[問7] 「心情説明記述」(「80字以内」指定)

傍線部「大丈夫なんだ。きっときっと大丈夫だ」について、このときの「風汰の心情」を「八十字以内」で説明する。「同一場面」から、傍線部は「しおん君」を心配している「風汰」が自分自身に言い聞かせている言葉だと分かるはずだ(「小説」では「同一場面」に「手がかり・ヒント」がある)。そのときの「風汰」の「心情」を説明することになる。「同一場面」からさらなる「状況」を読み取っていきたい。「風汰」は「しおん君」が虐待されているのではないかと疑っていたが、「気になることってなに?」と問われると「言葉にしたら、それが現実になってしまう気がして怖い」ので言えずにいるので、「しおん君はいまここにいる。いつも通り笑ってここにいる」のだから、虐待などなく「大丈夫」だと自分自身に言い聞かせ、「安心しようとしている心情」だと読み解けなくてはいけない。こうした内容を整理して、過不足なくまとめていきたい。たとえば、「しおん君が虐待されているかもと疑ったが、言葉にするとそれが現実になりそうで怖いので、しおん君はここにいるのだから大丈夫だと自分に言い聞かせ安心しようとする心情。」(80字)といった「答え」になる。「小説」では、「同一場面」から「状況」を如何(いか)に正確に読み取るかがポイントになると心得よ。

                                 <時間配分目安:4分半>

[問8] 「内容説明記述」(「40字以内」指定)

傍線部「あそばせてあげたいんだよね、しおん君にもああやって、思いっきり泥んこになって」について、「『林田』は『しおん君』にどうなって欲しいと思っているか」を「四十字以内」で説明する。傍線部は「林田」が保育園での「しおん君」の様子を眺めてのつぶやきになっている。「しおん君」に対する「林田」の思いを「同一場面」から読み取っていく。「林田」は「『泥んこあそび』は『心とからだ解放されないとできない』が、『しおん君』は『お母さんに嫌われことはしたくない』ので、『絶対に土にふれようとしない』、そこで、『しおん君』にもああやって(他の園児たちと同じように)『思いっきり泥んこ』になって遊べるようになってほしい」と思っていることが分からなくてはいけない。以上のような「要素」を「字数」に注意して簡潔にまとめていく。たとえば、「お母さんに嫌われることなど心配せずに、心とからだを解放し思いっきり遊んでほしい。」(40字)といった「答え」だ。「内容説明」では、設問に即した「状況」を読み取っていくことが肝要だ。

                                 <時間配分目安:3分半>

[問9] 「条件付き内容説明選択肢」(5択)

傍線部「布団の上にのっていいの? いけないの?」について、「お母さんの言葉についての説明」を答える。「条件」は「傍線部直後のお母さんの振る舞いを踏まえて答える」こと。「選択肢問題」は「消去法」が大原則。「原意絶対優位の原則」(「設問」「傍線部」等の「原意」、すなわち「もともとの意味」を最優先に考えること)で、先ずは「原意消去」をしたい。ここは「内容説明」なので、各選択肢の「文末」が「お母さんの言葉についての説明」として結びつかないもの「消去」する。各選択肢の「文末」をチェックしたい(選択肢説明の最重要要素は「文末」に記されている)。

(ア)「しおん君の面倒を見ていないことをごまかそうとしている」

(イ)「自分の思い通りにしおん君を動かそうとしている」

(ウ)「(しおん君が)自分で気づけるようにうながしている」

(エ)「しおん君を礼儀正しい子に育てようとしている」

(オ)「愛情深くしおん君を育てようとしていることを周囲に示そうとしている」。

どうだろうか? 流石(さすが)にこの段階では「消去」できない。そこで、「条件」に着目して、「傍線部直後」を確認する。「しおん君はびくっと硬直して、あわてて布団から下りる」となっている。「しおん君」が「動いている」のだから、「しおん君を動かそうとしている」以外は瞬時に「消去」できなくてはいけない。念のために「同一場面」で他の部分の説明を確認する。特に誤ってはいないと判断できる。よって、「答え」は(イ)になる。なんと! 本問では「条件」も活用したが、「原意消去」は絶対に活用すべきだ。確実に習得して、応用できるようにしておくこと。

                                 <時間配分目安:1分半>

[問12] 「正誤判別選択肢」(全6門。各2択)

本文中の   線部などから読み取れる「それぞれの登場人物の説明」として「正しいものには○」、「間違っているものには×」をつけて答える。「   線部」は4カ所ある。それぞれの「同一場面」前後の細部に注意しながら、各選択肢説明の「要点」「ポイント」で正誤判別していきたい。

(ア)「林田は上下関係に厳しく規律を重んじる性格」⇒「職場体験に来ているだけの風汰」の話にも耳を傾けている=「答え」は「×」。

(イ)「まーくんせんぱいは飽きっぽい人物」⇒「おせっかい」は焼くが、「飽きっぽい」わけではない=「答え」は「×」。

(ウ)「しおん君は保育園では控えめで恥ずかしそうにしている」⇒「少しはにかんだ笑顔」でいつも他の園児たちに接している=「答え」は「〇」。

(エ)「風汰は他人事にも「自分から主体的に関わるようになっている」⇒「カンケーねーし」と思っていた「しおん君」のことが気になっていく=「答え」は「〇」。

(オ)「風汰は後先を考えないで、衝動的に行動することがある」⇒「風汰」は「自分で飼うことだってできもしない」のに、「捨て犬」を「無責任」に連れてきている=「答え」は「〇」。

(カ)「お母さん」は「しおん君と向き合うゆとりがない」⇒「ゆとりがない」のではなく、「自分の思い通りに動かそうとしている」だけ=「答え」は「×」。本校に限らず頻出の「正誤判別選択肢」では、細部にまでこだわって丁寧に判別することが肝要だと心得よ。

                              <時間配分目安:全問で5分半>

攻略のポイント

●出題傾向は完全に一貫しており、対策はしやすい(ただし、前述のように新傾向の出題があるので要注意)。「選択肢設問」はさほど難しくないので落とさないこと。やはり、攻略のポイントは本校特有の「説明記述」だ。厳しく採点されるので、「細部」への目配りが欠かせない。合格ラインは6割強ほど(直近10年間の「国語」の「合格者平均得点率」は61.7%。本年度はやや上昇して64.8%)。

●「説明記述」対策では「書くこと」の練習は当然だが、その前提として先ずは「解法」をマスターし応用できるようにしておくことが重要。「問題解説」でもいくつかの「解法」には触れたが、「小説」の「解法」は確実に習得し、応用できるようにしておくことが肝要だ。また、「総合的知識問題」も侮れない。確実に習得しておくこと

●一昨年度、「選択肢設問」として初出の「考察問題」、新しくなった「大学入試制度」で重要視されている「思考力・判断力・表現力」が問われている。それが昨年度は「考察説明記述」としての出題だったが、本年度はそうした問題はなかった。しかし、来年度以降もさまざまな形式で出題される可能性がある。新たな「定番」としてしっかりと練習して備えておく必要がある。

●解答数はそれほど多くはないが、「説明記述」に時間がかかるので、時間配分には細心の注意が必要。戦術的に、解く「優先順位」を考え、「捨て問」の判別も適切にすべきだ。問題文は7000~10000字にもなる(本年度は昨年度の約7700字よも一気に増加して約9300字)。いかに速く読み取ることができるかが勝負だ。分速750字以上を目標に「読む練習」を常にすること

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