桐朋中学校 入試対策
2025年度「桐朋中学校の社会」
攻略のための学習方法
傾向
試験時間30分で、大問が3つに総解答数30前後という構成。
ここ数年は大問1・2・3がそれぞれ歴史分野・政治分野・地理分野の問題と、3つの分野が決まった形式でバランス良く出題されている。記号選択と用語記入が大部分で、字数指定の無い4~5行程度の記述問題が2問含まれるという形も毎年変わりない。
基本レベルの知識を問う問題が中心で、オーソドックスな試験と言える。
地理分野
日本の国土・地勢・各地の産業に加えて、日本と関わりの深い国々の問題も見られる。
地図や資料を使った問題やグラフの読み取りもよく出されている。
基礎的な知識を問う問題が多いが、この地理分野では、「○○の第2位と第3位の県」というような、1位を覚えているだけでは答えられない質問や、人口100万人以上の都市についての問題なども出され、細かい知識を訊かれることもある。地図帳・白地図で地名や地形等の基本的な事柄や位置を確認しながら、資料集で産業や経済のデータを億劫がらずに第3位まで暗記するなど、丁寧に取り組みたい。
また、ヨーロッパ・アジア・中東地域など、日本とつながりのある国や地域についてもしばしば出題されるので、こちらも地図や資料集で位置や基本的なデータは頭に入れておくようにする。
歴史分野
各時代から幅広く出題されている。
基礎的な知識で答えられる問題がほとんどで、漢字で書きづらい難しい人物名なども出されていない。
政治史・文化史といった一つのテーマに沿った出題が多く見られるので、年表で各分野の流れを整理しておくと良い。資料もよく使われるので、資料集で図版などもよく見ておく。
ここしばらく、2問の記述問題の内、1問がこの分野で出されるパターンが続いている。
歴史上の出来事や重要語句について説明させるような内容が多かったが、近年は史料をもとに考えさせるような思考型の記述も増えている。基礎的な知識に加えて、原因や結果を考えて記述するような問題も多くこなしておこう。
記述と訊くと難しいと思いがちだが、自分の知識をまとめれば答えられる問題も多く、字数の細かい指定もないので比較的書きやすい形式でもある。苦手意識を持たず、しっかり答えて欲しい。
政治分野
まずは日本国憲法・三権の仕組みなどの基本をしっかり頭に入れておこう。そのうえで
この分野と関連づけて出される時事問題にも対応できるよう、環境問題や世界情勢などの最新の動きにも目を向けておく。
そして、2問の記述の内、もう一問がこの分野で出題される。
こちらは歴史分野と少し違っていて、「社会の問題点を、統計などの特徴から読み取らせる」といった内容が多く、少し難しくなっている。
ただし、これもよく話題になる事柄が多く、テキストや副教材にも解説が載っている場合も多いので、初めて聞いたなどということにはならないだろう。記述用の問題集を使っての練習も有効である。
まとめ
男子上位校の割に、社会の問題は素直で基本的な出題傾向となっている。
難問集などは必要無いので、テキスト・副教材を丁寧に学習して基本をしっかり身につけるべきである。
地図帳や白地図で名前や位置、地域の特色なども整理しておく。
並べ替えの問題など、一般に難しいとされる形式の出題もあるが、先で述べた記述問題の場合と同じく、基本的には十分な基礎知識があれば答えられるような問題となっている。
特別変わった対策は要らないので、基本事項とその周辺知識は弱点を作らずしっかりマスターするということを心がけて欲しい。ただし、記述問題などはただ知識を問うだけではない考えさせる問題も増えてきているので、類似の記述問題でしっかり練習しておこう。
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2025年度「桐朋中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数39問で時間は30分。リード文はさほど長くない。40~80字ほどの解答欄でまとめる記述2問に5~7分程度の時間を取って、残りは迷わずてきぱき答えていこう。
記述問題以外は、考え込むような時間を取られる問題はほとんど無いので、テンポよくすすめて、記述問題に時間を残そう。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
歴史上の出来事や人物について訊かれている。
アは弥生時代・イは飛鳥時代・ウは平安時代・エは室町時代・オは江戸時代前半・カは江戸時代後半・キは明治時代・クは大正時代・ケは昭和時代のこと。
問1 ① 第五福竜丸が被爆した事件は1954年で、ケ(1956年)と近い。
② 大化の改新は645年で、イ(663年)と同時代。
③ 竜安寺の石庭は室町時代の造成なので、エの時代。
問2 ① 後白河天皇の即位は平安時代後半で、C。
② 日本の国際連盟脱退は昭和時代で、H。
③ 『風土記』の編纂は奈良時代で、B。
④ ペリーの来航は江戸時代末なので、F。
問3 カは1800~21年、クは1923年のことなので、その間に起こった出来事は第一次世界大戦(1914~18年)と秩父事件(1884年)の2つである。
問4 ウは10世紀から11世紀にかけて、オは1637~38年のことなので、平清盛が太政大臣に就任(1167年)→建長寺の建立(1253年)→南北朝の動乱(1336~92年)の順になる。
問5 『後漢書』東夷伝に記述がある。
問6 白村江の戦い
問7 源氏物語の作者は紫式部。五街道の起点は江戸の日本橋であった。
問8 ・キリスト教の布教を防ぐためにキリスト教徒の多い国との貿易を禁止した。
・キリスト教徒を見分けるために絵踏みを行った。
・寺請け制度を設け、寺社に帰属させるようにした・・・など。
〔注目!――「それらの政策について」という質問なので、1つでは部分点にとどまる可能性がある。2~3つ答えるようにしよう。〕
問9 ドイツ人医師シーボルト
問10 バスの運行は明治時代末で、他はいずれも1870年代のことである。
問11 サンフランシスコ平和条約
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
日本地図を題材に、各地の産業や特徴などについて訊かれている。
問1 ア. 北海道札幌市 ウ. 茨城県水戸市
問2 トマト:カ(熊本県) 茶:エ(静岡県) ばれいしょ:ア(北海道)
問3 指定野菜とは、国が安定供給が必要と定めた野菜のことで、キャベツ・トマト・だいこん・にんじんなどなじみの野菜が多く指定されている。2026年にはブロッコリーが指定される予定である。
問4 アンデス山脈は南米大陸の太平洋側を南北に走る山脈で、ブラジルにはかかっていない。
〔注目!――世界地理からの問題もある。歴史上の大きな出来事が起こった場所や日本と関係の深い国や地域、有名な地形などは世界地図でその位置を確認しておこう。〕
問5 エ. インドやスリランカでは紅茶が多く飲まれている。
問6 田の割合が大きい(う)はイの新潟県、目立って少ない(あ)はキの沖縄県。比較的田が多い(い)はウの茨城県で、残る(え)はオの和歌山県である。
問7 避難場所を示す標識が見える。都市部にある開けた場所として、災害時などの一時的な避難場所になっているのである。
問8 もとは川や湖沼であった土地などは地下に水分を多く含み、地震の揺れなどでそれが表面に浮き出て液状化という現象が起きる場合がある。
問9 浜松市
問10 半導体
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
日本の物価と経済を題材に、為替や世界情勢などについて訊かれている。
問1 1. 19 2. ウクライナ 3. 日本銀行
問2 文部科学省
問3 ① 日本はエネルギーの多くを「輸入」に頼っており、円安になると「支払う」円の金額が「大きく」なり、価格が上昇する。
② あ. 商品の製造にかかるコストが上昇し、その分が価格に上乗せされるという点で①の事例と同様である。
問4 「数字を示して」という指定がある。グラフは一定期間の変化を表したグラフなので、変化した数値・割合などを具体的に示して回答する。図4では10年間で8.3%の物価上昇があったこと、表2では同期間に約4.2%の賃金上昇があったことがわかる。物価
の上昇に対して賃金の上昇が少なく、この10年で人びとの生活は苦しくなっていると考えられる。
〔注目!――社会科でも考える力を問われる問題が増えている。近年の物価上昇はニュースでもよく取り上げられる話題であり、それに合わせて賃金の伸びが鈍いこともよく報道されている。新聞やニュースなどをよく見ておけば、示された表やグラフから何を読み取ったらいいのかも気づきやすいだろう。〕
攻略のポイント
出題形式や難易度など、例年通りのイメージである。
合格者平均点は7割を超えることも多いので安易なミスは命取りである。難問・奇問は出題されないので、テキスト・副教材を丁寧に抜けがないように学習し、基礎の徹底を図りたい。どちらかと言えば、地理に細かい知識を問う問題が多いので、意識して取り組んでおこう。
2題ある記述問題は、過去問で出題傾向をよく確認しておくと良い。
また、データを読み取ってそこから考えられることを書く記述問題が毎年出されているので、類似問題をこなして経験を積んでおきたい。
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