桐朋中学校 入試対策
2025年度「桐朋中学校の国語」
攻略のための学習方法
【問題構成】
大問2つに文学的文章と説明的文章が割り当てられるのが、ほぼ定形となっている。
文量は7000~8000字ほど。漢字の書き取り・記号選択・書き抜き・記述問題などが毎年出題されている。
記述問題は字数指定の無いものが長短合わせて4~5問出題される。
特に100字ほどでまとめるものは4~5つの要素をうまくまとめる必要があるので、過去問でよく慣れておくことが大事である。なお、2022年度で出されなった100字ほどの長文記述が2023年度以降ではまた出されている。
【漢字の書き取り】
毎年出題されている。極端に難しい問題は見られないので、初級~中級レベルの教材をしっかりマスターして、全問正解を目指したい。
【長文読解】
使われる素材文は中高生対象のものが多く、難しくて読むのに苦労するということはない。
設問でも、記号選択や書き抜きの問題は無理に難しいものではなく、適正な実力があれば正解できるのでミスなく得点源としたいところである。
論理的文章の読解であれば、段落分け・要点と細部・要旨と要約といった基本の技術を磨きたい。
形式段落→意味段落のまとめ。意味段落の内容を小見出しのように考えておくとわかりやすい。
各段落の最初と最後に注目して、要点に傍線を引くなどして探しやすくしておく。
最後にそれらをまとめておおまかな要約・結論を見出す。
文学的文章であれば、場面分け・心情把握・テーマの理解など。時間・場所・登場人物の動きなどから場面の変わり目をチェックする。
人物の言動・情景などから心情を考える。予断なく、文中の手がかりから正確に読み取りたい。そして、全体として作者が描きたかったのはどんなことなのかを理解する。
このような読解の基本を繰り返し練習しておこう。
【記述問題】
長短合わせた記述問題は、やはり手間がかかる部分である。
70字や100字ほどでまとめる問題は字数を埋めるだけでも大変であるし、まとめ方をよく考えずに書いてしまって失敗すると最初から書き直して大きく時間を失うはめになる。
字数に合わせて書くべきポイントを整理し、破綻のないようにまとめられるように、類似問題で繰り返し練習したい。
2018年度以降、文中からそのまま抜き出してまとめられる問題は少なくなったようである。人物の表情や行動からその気持ちを、示された例から筆者の主張したいことを、自分で考えてまとめないと内容の薄い答えになってしまう記述が多かった。
本文から適切な部分を抽出してまとめられる形が多かった従来よりも、難しくなった印象を受ける。人物の心情や筆者の意見を細かく考えながら文章を読む訓練を積んでおきたい。
答えとして求められている内容を探し出す読解力・それを条件に合うようにうまくまとめる記述力を高めよう。
満点を目指さなくても良いので、必要な字数を書いて部分点を稼ぎ、記述でも十分な得点を期待できるように力をつけておこう。
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2025年度「桐朋中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は8000字ほど、総解答数は35問で例年と大きな変化はない。記述問題は20~50字ほどのものが5問、80~100字ほどのものが1問の計6問。記述問題に計15分ほどは見ておきたいので、素材文の読みと残りの問題を30分強でこなせるスピードを身につけたい。選択肢はシンプルで選びやすいので、さほど時間はかからないだろう。
【大問一】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:28分
- ★必答問題
級友の園葉から、祖母からの小遣いが行動の成果に応じてその額を決められると聞いて不快感を覚えた主人公だったが、自分が同じ状況に置かれたときに受け取った小遣いで読みたかった本を買ってしまい、そんな自分に嫌悪感を抱く。
問一 「どういうこと?」と疑問を感じているので、「首を傾げる」。
問二 自分の声が「微妙に揺れていた」のであるから、相反する気持ちがあらわれていたのだと考えられる。
問三 行動の成果を金額に換算するという園葉の祖母のやり方に主人公は不快を感じている。
問四 ほんとうは小説の新刊を買いたいのだが、雑誌を通じての香里との会話で満たされる気持ちもあり、この時点では迷いが生じている。結局は雑誌を買っている。
問五 結局本の新刊をあきらめ雑誌を買ったことについて、自分を納得させようと自分に言い訳をしているのである。
問六 自分が聞いていない話を主人公から聞かされて、なぜ園葉は小遣いをもらえるのにその話をしなかったのかといぶかしんでいる。
問七 園葉の行動は、純粋に子供を助けたいという善意からだったと思われる。普段の自分に関することと違い、無償で他人を助けるという善意まで金額で評価されることに園葉も抵抗を感じたのかもしれない。
〔注目!――ここは文中にはっきり答えが示されていないので難しい。いつもは話していたのになぜこの時園葉は話さなかったのか・話したときとの違いは何か……と考えてみると、単に自分に関することか、他人のための無償の行動だったのかという違いに気づくだろう。〕
問八 表紙が傷つかないように丁寧にビニールを外している。
問九 園葉の祖母の考え方に違和感を覚えていた主人公だったが、本の新刊欲しさに自分もその祖母から小遣いを受け取ってしまった。園葉が子どもを助けた話を祖母にしなかったという事実を知った後だっただけになおさら、自分に嫌悪感を覚えてレシートや本を自分の視界から遠ざけたくなったのであろう。
問十 a. 弾(んだ) b. 幼(い) c. 晩
【大問二】随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
- ★必答問題
リアルとリアリティーの違いを述べ、偽物であっても「みんなが信じる本物っぽさ」があるものは人の心を動かすことができるし、その偽物が出てきた社会的背景を考えることもできると筆者はある面の評価をしている。
問一 a. 預(けて) b. 芽生(える)
問二 ただ「リアル」に描写しただけでは伝わらない場合もあり、リアリティ(本物っぽさ)を表現する必要がある、と述べている。
問三 イ(仕事) アは訓訓読み、ウは音音読み、エは「しちせき」(音音読み)・「たなばた」(熟字訓)という読み方である。
問四 リアルに描いただけでは「とろりとした質感や透明感(リアリティー)」が伝わらないこともある。
問五 フェイクを作るのは本物をよく知っていないと難しい。本物をよく観察したうえでみんなが考える本物らしさをうまく表現できていないといけないのである。
問六 二か所抜き出せそうなところ(リアリティーがあれば~気がしてくる)・(今と違う時代や~気がしてくる)があるが、前者は後者に含まれると考えてよいので、後者を答えとする。
問七 同じ真実を目の前にしても、人は結局は自分が信じたい側面しか見ないものなので、人によって現実は異なって見えるのである。
問八 偽物とはいうが、それは本物をよく知っていないと作れないものであり、その意味において本物らしさ(リアリティー)が人を感動させ得るのも事実であり、小説や工作もいわばそうした偽物のひとつであると筆者は考えており、期待もしているのである。
〔注目!――通常、偽物はよくないという論理が多く語られるが、筆者は小説や工作もフェイクであり、「本物らしさ」があれば人を感動させられるのだと、フェイクにも価値を認めている点を見落とさないようにしよう。〕
問九 人は自分が見たいものしか見ない(=偏見・先入観など)という例であるから、選択肢イが選べる。
問十 「個人として」以外にもう少し広く社会に目を向けた見方も紹介されている。フェイクニュースは社会の「不安や期待が高まった結果、確かな根拠がないのに日常に現れてくる」印象があると述べられている。偽の情報が生まれる背景には人々の抱える悩みや希望が反映されており、社会の在り方を考えるヒントにもなるわけである。
〔注目!――まとまって書かれている部分がないので、【Ⅱ】の文章の最初の段落を読み飛ばしてしまうと苦労する。設問の「個人として……」の言葉が、訊かれているのはもっと広い意味ではないかというヒントにもなっている。〕
攻略のポイント
合格者平均点から考えて、6割~6割5分の得点を目指したい。漢字や記号選択の問題を手堅く得点した上で、記述問題に十分解答出来るかが大事になってくる。
長文記述は繰り返し練習して字数やまとめ方の感覚をつかんでおこう。書く要素が十分思いつかなかったとしても、必要な字数を埋めれば部分点は期待できる。諦めずに泥臭く得点を狙っていこう。
漢字・記号選択などの問題は、比較的答えやすく時間も取られないので、テンポよくこなして長文記述になるべく多くの時間を残したい。
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